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ソニーの完全ワイヤレスイヤフォンはAirPodsに対抗できる完成度

2017年09月23日 12時00分更新

文● 四本淑三

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 2017年1月のCESに試作機が出品され、注目を集めていたソニー初のトゥルーワイヤレスイヤフォン「WF-1000X」が、10月7日に発売される。すでに小売店では2万6870円で予約を受け付けている。

 デザインはCESで展示されていた試作機、ほぼそのまま。密閉カナル型のオーソドックスなスタイルだが、そこにノイズキャンセリングシステムを内蔵しているのが新しい。BluetoothのペアリングにNFCが使えるのもソニーらしいところだ。

 このWF-1000Xは、同日発売予定のオーバーヘッドバンド型「WH-1000XM2」、ネックストラップ型「WI-1000X」とともに「1000X」シリーズの一角を成し、新登場のスマートフォンアプリ「Headphones Connect」にも対応している。

 注目は、AppleのAirPodsが圧倒的強さを持つこの市場に、割って入るポテンシャルがあるのかどうか。ごく短い間だったが触れることができたので、その印象をレポートしたい。

意外と普通なスペックに驚き

 イヤフォンデザインは密閉タイプのカナル型で、ドライバーは専用開発と言われる6mm径のダイナミック型。イヤフォン本体片側の重さは約6.8g。ヘッドセットとして通話やクラウドAIの呼び出し操作にも対応する。

 BluetoothのオーディオコーデックはSBCとAACに対応。低遅延コーデックのaptXや、ハイレゾ相当と言われるソニーのLDACには対応しない。機器間の接続と同時に、左右ユニット間の通信も必要なこのタイプでは、大きなデータ量の対応は厳しかったのかもしれない。

マルチファンクションボタンは本体下部に。右が選曲と通話、左がノイズキャンセルのモード変更などに分かれている。大きく生産国MALAYSIAの印字がある

 バッテリーの持ち時間はごく標準的で、イヤフォン本体の音楽連続再生が約3時間。これはNCがオンでもオフでも変わらない。イヤフォンの充電には、付属のバッテリー内蔵ケースを使って約1.5時間というのが公式発表値。

 そのバッテリー内蔵ケースのフルチャージには約3時間で、これでイヤフォン本体が2回チャージできる。つまりスタンドアロンで使えるのは約9時間ということ。

押し込むと爪がイヤホン前縁にカチッとはまり確実にホールドする充電ケース。装着安定性のためのループ状スタビライザーがピッタリ収まる溝が切られているなど精度感は高い

ケースの角の丸みやサイズ感はRX100と何となく似ている.。ケースの重さは約70g

 ノイズキャンセルとNFCの搭載を除けば、トゥルーワイヤレスイヤフォンのスペックとしてはごく標準的なものだ。それで使いにくいということはないが、AppleはAirPodsの売り文句として、重さ4g、連続再生5時間、バッテリーケース併用で24時間使えることをうたっている。対して、普段はスペックで押してくる印象のソニーの製品、しかも初物のそれとしては、ちょっと意外なくらい普通に思える。

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