ソニーのヘッドフォンラインナップに、Bluetooth接続でノイズキャンセリングシステム搭載の「1000X」シリーズが登場した。ラインナップは3機種で、オーバーヘッドバンド型の「WH-1000XM2」、ネックストラップ型の「WI-1000X」、そして完全独立型(トゥルーワイヤレス)の「WF-1000X」。いずれも2017年10月7日の発売を予定している。
このシリーズは、昨年秋に発売されたワイヤレス+ノイキャンの人気機種「MDR-1000X」の性能を、ほかのヘッドフォンタイプにも展開しようというものらしい。したがってシリーズの型番は「1000X」で統一され、ソニーのヘッドフォンで一般的な「MDR」に替わって「W」で始まる型番が付く。
この1000Xシリーズ3機種のデモ機に、ごく限られた時間だが触れる機会があったので、まず「WH-1000XM2」から見ていこう。このシリーズの端緒となった機種の後継だけあって、シリーズに盛り込まれた機能のすべてが備わっている。
ハードや操作系は先代と変わらず
MDR-1000Xと比べて、ドライバーユニットやノイズキャンセリングシステムなど、ヘッドフォンとしての基本性能に違いはない。完成度の高い機種ゆえ大きくアップデートできる部分も少なかったのだろう。
アルミコートしたLCP振動板を使う40mmHDドライバー、ハイレゾ相当の信号を伝送するBluetoothコーデック「LDAC」対応、CD解像度の音楽をアップコンバートしてハイレゾ化する「DSEE HX」の組み合わせで、ソニーの上位機種らしくハイレゾ再生のポテンシャルを持つ。ベアリングにNFCが使えるのもソニーらしい。
右ハウジングの表面をタッチセンサーとして使う操作系もおもしろい。前後スワイプで選曲、上下で音量、中央のタップで再生/一時停止、同じくロングタップでGoogleアシスタントやSiriの呼び出しができる。さらに右ハウジング全体を手で覆うと、瞬時に再生音が下がり、マイクを通した外の音が聞こえる「クイックアテンションモード」に切り替わる。直感的な操作に対応するよく考えられたインターフェースだ。
10時間伸びた駆動時間
WH-1000X「M2」となって、ハード的にアップデートされた点は2つ。
ひとつはバッテリー持続時間の向上。Bluetooth接続で、ノイズキャンセリングONという条件で、最大30時間の再生ができるようになった。MDR-1000Xは同条件で20時間だったから、10時間も伸びたことになる。フルチャージまでに4時間を要するが、10分の充電で約70分使えるクイック充電にも対応している。
もうひとつは気圧センサーの内蔵。気圧の変化を計測して、その値をノイズキャンセル効果の最適化に使うのだという。飛行機に登場する機会の多いビジネスパーソン向けの機能だが、残念ながらテスト期間中に飛行機に乗る機会はなかった。だから効果の程はわからないが、ここまで徹底してやられると清々しい。