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ソニーの新ウォークマン&ヘッドフォンを徹底レビュー! 第1回

新しいウォークマンは新アンプ採用で音質大幅アップ!

2017年09月12日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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 ソニーのウォークマンと言えば、iPodと人気を二分するポータブルプレーヤーブランド。ここ最近はハイレゾ対応モデルを中心とした幅広いラインナップで、入門層からマニア層まで人気を集めている。

 そんなウォークマンの新モデルがIFA 2017で発表され、日本でも10月7日に発売される。気になっている人も多いはず。

 本特集では、ウォークマンのほか、同時に発表されたワイヤレスヘッドフォンも含めて、注目の新製品を詳しく紹介していく。まずは「ウォークマン A40」シリーズから。

ぐっと落ち着いた5色のカラーを採用
2万円台の「ウォークマン A40」シリーズ

NW-A40シリーズの正面。アルミダイキャストのボディーはデザインも含めてほぼ同じで、UIなども共通。カラーの違いが一番の差だ

NW-A40シリーズの正面。アルミダイキャストのボディーはデザインも含めてほぼ同じで、UIなども共通。カラーの違いが一番の差だ

 まずは、エントリークラスとなる、ウォークマンA「NW-A40」シリーズ。モデルはノイズキャンセル対応イヤフォンの有無と内蔵メモリーの違いで、4つのモデルがラインアップされている。

 イヤフォン付属モデルが、内蔵メモリー32GBの「NW-A46HN」(実売価格 3万6000円前後)、16GBの「NW-A45HN」(同3万1000円前後)。イヤフォンが付属しないモデルが、内蔵メモリー64GBの「NW-A47」(同3万9000円前後)、16GBの「NW-A45」(同2万3000円前後)となる。

 内蔵メモリーが一番多い64GBモデルをイヤフォンなしとしたのは、ユーザーの要望に応えたものだという。

 たくさんの楽曲を保存して持ち歩きたいというユーザーの多くは、すでにそれなりのヘッドフォンやイヤフォンを持っていると思われるので、実情に即したものと言える。

5色のカラバリを用意

5色のカラバリを用意

背面。NFCマークが中央付近にあるほか、下にはウォークマンのロゴマークと製品の表示が印刷されている

背面。NFCマークが中央付近にあるほか、下にはウォークマンのロゴマークと製品の表示が印刷されている

底面。ウォークマン専用端子と3.5mmのヘッドフォン出力を備える。右にあるのはストラップの取り付け部分

底面。ウォークマン専用端子と3.5mmのヘッドフォン出力を備える。右にあるのはストラップの取り付け部分

左側面にmicroSDカードスロットがあり、最大128GBのメモリー拡張が可能となっている

左側面にmicroSDカードスロットがあり、最大128GBのメモリー拡張が可能となっている

ディスプレーはタッチパネルだが、右側面には電源ボタンをはじめ、基本操作用のボタンが並んでいる

ディスプレーはタッチパネルだが、右側面には電源ボタンをはじめ、基本操作用のボタンが並んでいる

 デザインは、先代の「A30」シリーズと同様だが、5色用意されたカラーバリエーションが、ムーンリットブルー、ペールゴールド、グレイッシュブラック、トワイライトレッド、ホライズングリーンと、ぐっと落ち着いた色合いとなっており、随分と印象が異なっている。

NW-A40と付属するイヤフォン。本体色と統一された色のものが付属する。ノイズキャンセルタイプでなかなかの高性能だ

NW-A40と付属するイヤフォン。本体色と統一された色のものが付属する。ノイズキャンセルタイプでなかなかの高性能だ

 従来機に比べるとなかなか大人っぽい配色で、筆者のような中年男性でもどの色も選びやすいと感じた。普段着感覚というか、ファッションとも合わせやすい色だ。

 もちろん、イヤフォン付属モデルは、ハウジングやイヤーチップ、ケーブルまで色を揃えている。

APEやMQAといった新フォーマットに対応

NW-A40のホーム画面。上部に「DAC」にアイコンが加わったのが大きな違い。USB DACモードへの切り替えが可能だ

NW-A40のホーム画面。上部に「DAC」にアイコンが加わったのが大きな違い。USB DACモードへの切り替えが可能だ

 対応する再生フォーマットもさらに強化され、リニアPCM最大384kHz/24bit(FLAC)、最大192kHz/32bit(WAV)対応に加え、DSD最大11.2MHz(PCM変換再生)やAPE、MQAといったオーディオフォーマットにも対応した。

 補足すると、APEは「Monkey's Audio」という音楽ソフトの可逆圧縮フォーマットであり、MQAはメリディアンが開発した高音質・低容量が特徴のハイレゾフォーマット。これらのファイルへの対応を含め、このクラスではほかではあまりないレベルの高機能だ。

 そして、エントリークラスの製品とは思えないレベルの高音質設計もポイントだ。フルデジタルアンプ「S-Master HX」の電源に、高音質コンデンサーの「POSCAP」を5つ使用。「S-Master HX」のICと基板の実装では、ソニー専用の高音質はんだを採用している。

 そして、基板の回路設計も見直され、バッテリーから電源IC、S-Master HXへの経路が直線的なパターンとなり、経路の最短化が図られている。

設定にある「高音質設定」。基本的には従来通りで、好みに応じて切り替えて使える

設定にある「高音質設定」。基本的には従来通りで、好みに応じて切り替えて使える

 高音質機能としては、CDや圧縮音源をハイレゾに迫る音質にアップコンバートする「DSEE HX」、アナログアンプに近い低音感を再現する「DCフェーズリニアライザー」、サラウンド機能の「VPT」、曲による音量差をなくす「ダイナミックノーマライザー」などがある。また、ワンタッチでソニーおすすめの設定に切り替える「ClearAudio+」も備える。

 基板や金属部品を固定するビスにカスタム品の導電ビスを使用したり、バッテリー部分の配線は低抵抗ケーブルを採用したりといった従来からの高音質設計も踏襲。

 プリント基板にフィルドビア構造を採用したことや、厚膜銅箔プリント基板とするなども同じだ。

 操作画面はほぼ共通で、機能としても音楽再生機能のほか、再生スピード調整ができる語学学習モードや、ワイドFM対応のFMチューナーを内蔵する。

 このあたりは従来機と比較して大きな違いはないが、注目の新機能としてUSB DAC機能を搭載している(USB DACとしての解説や使用レビューについては、第3回でじっくりと紹介する)。もちろん、従来どおりポータブルヘッドフォンアンプなどへのデジタル出力も行なえる。

 ノイズキャンセル機能は、付属イヤフォンか、対応したノイズキャンセル対応のイヤフォンを接続したときのみ利用できる。ノイズキャンセル機能のためのマイクを備えているモデルでのみ使えるということだ。

ノイズキャンセル機能の設定画面。環境別の選択やノイズキャンセル量の調整が行なえる

ノイズキャンセル機能の設定画面。環境別の選択やノイズキャンセル量の調整が行なえる

音楽再生中でも周囲の音を明瞭に聴き取れる「外音取り込み」機能も、取り込む音の音量レベルを調整できる

音楽再生中でも周囲の音を明瞭に聴き取れる「外音取り込み」機能も、取り込む音の音量レベルを調整できる

 ノイズキャンセル機能は、飛行機内などのシチュエーションに合わせて選べるが、基本的には「フルオートAINC」を選んでおけば、状況に合わせて最適なノイズキャンセルが行なわれる。マイクを使って周囲の音を拾う「外音取り込み」機能も備えている。

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