ケイ・オプティコムは、サービス開始から約1年が経過した格安モバイルサービス「mineo」について、「新事業戦略発表会」を開始。現状のau回線によるサービスに加えて、9月からはドコモ回線のサービスをマルチで提供するなど、mineoの新サービスについて発表した。
ドコモ回線とau回線のサービスを選択可能に
iOS 8端末で利用できない点も1つのキッカケに
まずは注目を集めたのは、ドコモ回線による新サービス。一般向けでは国内初となるマルチキャリアMVNOとしてスタートする。
サービスの詳細については今後の発表となるが、市場価格と同等の料金水準を予定しているほか、音声通話付きSIM、国内メーカー製スマホを合わせて提供するとのこと。また、au回線のプランとドコモ回線のプランとの間では、SIM交換が必要になるため手数料自体はかかるが、比較的低廉な料金で変更可能になる予定。
また、現在も家族間で通信量をシェアできる「パケットシェア」機能があるが、これについては異なるキャリアを利用している場合でも可能にするほか、今後は家族以外でも通信量をプレゼントできる「パケットギフト」機能を追加予定。また、法人向けサービスも開始する。
au+ドコモのマルチキャリアを実現した背景には、SIMロック解除が義務化されても、対応周波数や通信規格などで、端末ごとに利用できるネットワークが限定されるという、厳然として存在する壁を取り払いたいという意向がある。auとドコモの2つのプランを用意することで、今後はドコモ/au/ソフトバンク/SIMフリーと端末に応じて、最適なSIMを提案が可能になるわけだ。
また、ドコモ回線を導入したもう1つの理由として、au MVNOのmineoのSIMでは、iOS 8をインストールしたiPhoneで利用できないという現実的な課題についても触れられた。なお、au回線のSIMによるiPhoneへの対応については、現在も交渉と原因究明をしている段階と説明した。
最低利用期間の1年を7月から撤廃
将来的には1枚のSIMで回線を選べる仕組みを目指す
このほかにもサービスの拡充が行なわれる。まず、mineoの弱点として触れられることが多かった1年間の最低利用期間については、7月1日からデータ専用/音声通話付きともに撤廃。音声通話付きSIMの12ヵ月以内での転出時のみ、MNP転出手数料として1万1500円が必要という形に変更する。
また、海外渡航者向けのプリペイドSIMをアイルランドの通信事業者との協業で提供。約200ヵ国でキャリアの国際ローミングより安価にデータ通信が可能になる。逆に訪日外国人向けのプリペイドSIMについても、10月からドコモ回線を利用する形でスタート予定だ。
発表会で登壇した同社代表取締役社長 藤野隆雄氏は、今後の方向性として、現状はau回線とドコモ回線とではSIMの交換が必要だが、1枚のSIMで最適なネットワークを選択できる仕組みを導入したいとした。これは海外ではすでに可能であるため、関係各位に働きかけて実現したいと意気込みを語った。
また、サービス開始時点の目標だった「1年で10万契約」に現状で到達していないことにも触れ(2015年5月現在で7万強)、iOS 8に対応不可という要因もあったとしながら、ドコモ回線の新プランで「(1年で)20万契約の増加」を新たな目標として掲げた。
CMでおなじみの有吉さんとベッキーさんも登場
発表会の後半には、mineoのCMキャラクターである有吉弘行さんとベッキーさんが登場。CMのフレーズである「アリだぜ。」をテーマにしたトークを繰り広げた。
有吉さんによる「(ベッキーさんは)30歳の女性には思えない可愛さ。30歳には思えない」(ちなみにベッキーさんは「(実際には)31歳だけど、自分の中では25歳くらい」とのこと)、友達を選ぶなら「先輩なら金を持っていて、後輩は時間を持っている奴」といった毒舌も飛び出したほか、パケットギフトに絡めたプレゼントに関する話題では、「自分のセンスが悪いと思っているので、センスが悪いと馬鹿にされそうで、誰かにプレゼントするのが怖い」という有吉さんの告白に対し、誰から貰っても同じであるパケットはちょうどいい、という周囲からのツッコミに繋がっていた。