ドコモが生体認証の国際団体FIDOに加入、まずは2015夏モデル4機種で対応
パスワードいらず!ドコモサービスが指紋/虹彩認証で利用可能に
2015年05月26日 17時29分更新
NTTドコモは5月26日、生体認証技術の標準化団体「FIDO Alliance(ファイドアライアンス)」への加入を発表した。「dミュージック」「dゲーム」など20数種のドコモサービスにおいて、5月27日より、指紋認証や虹彩認証による“パスワードいらず”のログインや決済ができるようになる。スマートフォン4機種がFIDO認定を取得したことも発表した。
Windows 10でも採用、生体認証の国際標準「FIDO」とは?
ドコモでは今回、FIDO Allianceにボードメンバーとして加入した。FIDOは、オンラインサービス利用時の“パスワードからの解放”を目指し、生体認証対応のデバイス/サービス(サーバー)技術の標準化を進める非営利団体だ(関連記事)。
FIDO仕様に準拠したデバイス/サービス間であれば、それぞれ個別に開発や接続テストをしなくとも動作が保証されるため、生体認証のエコシステムを迅速に拡大する役割を果たすものと期待されている。すでにFIDO Allianceにはマイクロソフトやグーグル、ペイパル、サムスン、クアルコムなど世界約200社が加盟しており、たとえばWindows 10のFIDO対応、PaypalサービスのFIDO対応といった動きを見せている。
今回ドコモでは、「docomo ID」や「ドコモ ケータイ払い」の利用認証において、FIDO 1.0仕様に準拠した生体認証に対応した。これにより、FIDO対応デバイスから、パスワードを入力せず指紋認証や虹彩認証で手軽に本人認証ができるようになった。
また、ドコモの提供する「FIDO Certified」認定取得デバイスとして、指紋認証機能を備える「GALAXY S6」「GALAXY S6 edge」「AQUOS ZETA SH-03G」、虹彩認証機能を備える「ARROWS NX F-04G」の4機種が発表された。これらのデバイスでは、ドコモサービスを含むFIDO対応サービスですぐに生体認証が利用できる。
対応するサービスとデバイスをさらに拡大していく方針
26日の発表会で、NTTドコモ 執行役員 プロダクト部長の丸山誠治氏は、FIDO仕様の生体認証をサービス/デバイスに採用したことについて「“パスワード忘れ”などが問題になっており、何よりお客様が便利にお使いいただける」「FIDO Allianceと連携して『あんしんをもっと便利に』をさらに具現化していきたい」と述べた。
「生体認証の利用は2、3年前から検討していた。これまでドコモでは(こうした技術を)独自規格で実装するのが得意だったが、デバイスとサービスのインタオペラビリティ(相互運用性)を考えて、FIDOを選択した」(丸山氏)
ドコモでは今後、生体認証に対応するサービスやアプリ、デバイス機種を順次拡大していく方針。また「ネットワーク暗証番号」への対応も予定している。
また、中期的なビジョンとして、音声認証や顔認証といった指紋/虹彩以外の幅広い生体認証手段への対応、スマートフォンを認証の“鍵”として用いるPCやIoTデバイスとの連携、パートナーサービスやサードパーティサービスへの拡大といったものも考えていると、丸山氏は語った。