モバイル決済ベンチャーのスクウェアは5月21日、メディア向けの発表会を開催した。米スクウェアのCFO(最高責任者)サラ・フライアー氏が登壇し、日本や米国におけるSquareの導入事例を紹介した。
Squareは単にクレジットカード決済をするだけでなく、導入した店側にリアルタイムで顧客の購買行動を分析する「Squareアナリティクス」を無料で提供している。
長野県のある家具店では、11時から7時という時間帯で営業していたが、Squareのデータから夕方近くになると客が多くなることがわかり、12時から8時へと営業時間を変更した。そのことでさらに売上を伸ばしたという。
また、あるコーヒーショップでは、アイスコーヒーがあまり売れていないことにSquareの提供するデータによって初めて気がついたという。アイスコーヒーの名前を変えることでよく売れるようになったという。
米スクウェアではSquareリーダーで得た売上データをもとに、小売店向けに金融サービスを展開している。フライアー氏はすでに米国で提供している資金前貸しプログラム「Square Capital」を紹介した。
Square Capitalは小売店がスクウェアから前貸しを受け、売上から少しずつ返済するローンだ。売上実績や財務状況など事業データをもとに審査し、審査を通った小売店にのみ提供する。銀行の融資とは異なり、小売店にのみローンを提供し、売り上げに応じた返済が可能などの特徴がある。米国では開始から14ヶ月で2500万ドルの利益を上げ、急成長している。
フライアー氏は、Square Capitalの日本での展開にについて、すぐに開始する予定はないが、このまま好調なら日本での提供も考えているという。