東京大学大学院は5月18日、ワイヤレス電力伝送を行う「ワイヤレスインホイールモーター」搭載車両を試作・公開した。
車輪内にモーターを内蔵するインホイールモーターは、回転動力を伝達するシャフトなどが不要となり車両を軽量化できるなどの利点があが、その一方で耐久性を持つ電力伝送用ケーブルが必要となる。車両と車輪の間の電力伝達をワイヤレス給電にすれば問題が解決できるとして、東京大学大学院新領域創成科学研究科の研究グループが東洋電機製造、日本精工と共同開発したもの。
電力伝送には距離があっても伝送ロスが少ない磁界共振結合方式を採用。サスペンションによって上下する車輪と車両の位置ずれにも許容範囲が広いという。また、制御信号はBluetoothを用いて車両と車輪は完全にワイヤレス化されている。
研究グループでは、ワイヤレス給電インホイールモーターは走行中に給電(路面に給電アンテナを埋め込むといったことを想定しているようだ)できる可能性があるとしている。EVやHVにおいては必須な回生ブレーキをどうするのかといった問題(ホイール側から車両側へも電力伝送を考えねばならない)はあると思われるが、機械部品による動力ロスを少なくすることで効率化を進めるEVにとってはひとつのアイデアではあるだろう。