最近の子どもたちの習い事として注目を集めているのが「プログラミング」だ。DeNAやサイバーエージェントをはじめ数々の企業が子ども向けプログラミング学習事業に着手しており、今や数多くのプログラム教室が開催されている。
そこで、デジタルネイティブど真ん中世代である小学生になりたての6歳男児とともに、渋谷にあるQremoのプログラミング講座に挑戦してみた。
プログラミング初心者の親子が挑戦
Qremoは学習塾などを運営するLITALICOが2014年に新たに設立した“IT×ものづくり”のスクール。ゲームプログラミングのほか、レゴを使ったロボットプログラミング、3Dプリンターを使用したデジタル工作、WEBデザインなどのコースが用意されている。
今回受講したのは、幼児から小学生低学年向けの「ロボットワンダーコース」。レゴを使って実際にロボットを組み立て、プログラミングで動かすことで、モーターや歯車などの仕組みも学べる。この教室は本来は子供だけのクラスなのだが、今回は特別に保護者である著者も体験させてもらった。
今回の講座では、口を開けたり閉めたりするワニの製作に挑戦。一から組み立てを行ない、完成したワニに回路を取り付けて、PC上でプログラミングするという行程だ。
まずは息子とともに組み立て開始。ブロック好きの息子は、レゴを見ただけでテンションが上がり、ワクワクと作り始めた。あらかじめ組み立てのマニュアルが用意されており、組み立て自体は筆者も子供同様楽しんで作成できた。
ワニの形が組みあがったら、最後に普通のレゴにはない特別な回路付きのブロックを取り付ければ完成。ここで回路の付け方を間違えると上手く動作しないわけだが、レゴ好きの息子はあまり苦労していなかったようだ。
30分ほどかかり、回路付きのワニが完成。このワニをUSB経由でPCに接続し、専用のソフトでプログラミングを行なう。3歳から自分専用のiPadを使っている息子だが、PCでの操作はあまり経験がなく、ややマウス使いがぎこちない。結局マウス操作は止めて、トラックパッドで操作を行なった。
著者もレゴのプログラミングに初めて挑戦してみたが、グラフィカルで子供や初心者でもとてもわかりやすいのが特徴だ。
このワニの場合だと、“口を開ける”“口を閉じる”“〇秒間待つ”“止まる”“繰り返す”などのアイコンが用意されており、アイコンを横につなげていくことで、ワニの口が開いたり閉まったりする仕組みになっている。
息子は適当にアイコンを並べながらワニの動作を見て、あれこれ試行錯誤していた。一方、著者は無難に開け閉めの繰り返しのみ。やってみて気付いたのだが、プログラミングには意外とその人の性格が出るようだ。
以上で基本的な講座は終わりだが、小学生男児の探究心はこれだけでは終わらなかった。むしろ、これからが本番という勢いで、あまったレゴブロックを使い、完成したワニを次々と改造していったのだ。
そして、口の部分にパーツを盛り込み過ぎた結果、口が開かなくなり「開かない―!」と大騒ぎ。
先生いわく「普段、教室ではあまり口を出さず、子供たちが自由に作ることにまかせています」とのこと。失敗したり上手く動かないことで、「ここはこうしちゃダメ」、「こうすれば動く」など、構造を理解し、さらに応用していけるそうだ。
完成して満足した著者と違い、この飽くなき子供の探求心こそが次の創造へとつながるのか……と感じた瞬間でもあった。
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