理化学研究所(理研)は4月28日、太陽光エネルギーから高効率で水素を生成するシステムを開発したと発表した。
基本的には太陽光発電と水の電気分解の組み合わせだが、電気分解の際に導電性ポリマーを用いて正極側(酸素発生側)と負極側(水素発生側)を分離し、電極間の距離を縮めることで電気抵抗を減らし反応性を向上させている。また、太陽光発電はフレネルレンズや太陽トラッキングにより最大の効果を上げるなどの工夫しているが、やはり太陽電池自体の変換効率がシステム全体においても最大の課題となるという。
電気分解に必要な電力と太陽電池の出力のバランスを最適化することで、太陽光エネルギーから水素への変換効率を15.3%と、これまでにない効率で水素を生成することに成功したとしている。理研では、今回試作したものは安価かつ簡便なモデルであり、今後の再生可能エネルギーと基本とする水素のエネルギー活用を目指すには水素貯蔵など周辺機器の最適化が必須としている。