グーグルが2020年1月14日、同社のウェブブラウザChrome(クローム)でのサードパーティ製「Cookie」(クッキー)のサポートを2年以内に段階的に廃止すると発表した。
このサードパーティ・クッキーはサイトを越えて、ユーザーの行動を記録・追跡する機能だ。個人の趣味や関心を分析して広告を表示する仕組みなどに使われている。
グーグルを含む大手IT企業が保有する個人データの質と量が爆発的に拡大する一方で、ユーザーが自らのプライバシーをコントロールする権利への意識が高まり、クッキーへの風当たりは強まっている。
アップルのサファリやファイアフォックスはすでに、サードパーティ・クッキーによるトラッキングを防ぐ機能などを導入しているが、クロームのサポート廃止は影響が格段に大きい。
クロームは、調査によってばらつきがあるが、PC用のブラウザで6割台のシェアを占めているからだ。
グーグルの方針は、おもに広告や広告をおもな収益源とするウェブメディアに対して大きな影響があると見られている。
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