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科学・生物で気になることをお届け! 「数式なんて知らんし!!」 ― 第44回

太陽が及ぼす意外な影響 宇宙天気予報のお話し 

2019年12月04日 19時30分更新

文● イラスト●せれろんやまだ(@Celeron_ymd

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どっちにしても太陽が主役

 普段の生活ではもちろんのこと、先に楽しみな予定を控えていたりすると、人は必ず確認するものがあります。それは“天気予報”。今日の天気が晴れ予報であれば、ルンルン気分で洗濯物が外に干せるし、遠足の日の予報が雨であれば、晴れるのを祈って“てるてる坊主”を軒先に吊るしたりします。天気は今も昔も、人の心身と生活に大きな影響を与えています。

 “天気”とは、ある地点と場所の空の状態を意味します。もう少し広い意味になると“気象”という単語になりますが、どちらにしろ大気のある地球ならではの現象ですね。が、人間の生活を左右するのは、この現代、天気だけではありません。今の私たちに欠かせないもの……それは“電波”です。実はこの電波に影響を与える元となるものが、私たちの頭の上にあるのです。それが“太陽”です。

 普段は光や熱などのエネルギーを地球に与え、そのおかげで私たちの生命もはぐくまれているワケですが、この太陽、まれに活発化することがあります。代表的なものが『太陽フレア』ですが、このフレアの規模が大きいと、地球に通信障害などを引き起こしてしまうのです。

 この太陽活動の状態や、それに伴う地球における現象が、天気は天気でも『宇宙天気』です。そして、これらの現状把握や予測をするのが『宇宙天気予報』です。いっけん“宇宙の空模様”のようで、スケールが大きく感じられますが、現状これらに天体衝突予報などは含まれてません。あくまで“太陽活動による地球への影響”が主たるものです。

 太陽活動、ライトな言い方をすれば“太陽のゴキゲン”ですが、普段我々は目にしていなくても(むしろ直接目にしたらダメですが)、望遠鏡や特殊な観測装置でその姿を見ると、実はかなり変化に富んでいるのです。

 みなさんも小学生の頃、太陽には黒い点があることを習ったのではないでしょうか? 太陽黒点は(フィルターこそ要りますが)肉眼で見ることができる太陽活動のひとつで、約11年周期で増減を繰り返しています。

 この周期は『太陽活動周期』ともいわれています。現在はこの周期の終盤(極小期)にあたるとみられ、太陽を見てもほとんど黒点がありません。

 ですが、特殊な望遠鏡で観測すると、メラメラ燃えている『プロミネンス』や『コロナ』の様子も見ることができます。この2つを実際に見ると(動画などでも配信されています)、本当に太陽がメラメラ燃えています。残念ながら音は無いのですが、もし宇宙空間や人間の体に大気以外で音を伝達できるシステムがあれば、「ゴォォォォォォ……バチバチバチ……」と音がしそうな印象です(私は)。プロミネンスは、太陽の磁力線にそって太陽の彩層が飛び出し、コロナの中にあります。プロミネンスを観測することで、太陽の磁気的な活動を知ることができます。この磁気こそが、太陽活動周期のベースであり、磁場の変動がいろいろな太陽活動を引き起こしています。この“いろいろな”には、宇宙天気の観測のベースとなるものが含まれています。代表的なものには『太陽フレア』と呼ばれる爆発現象、それによるX線などの放射や、太陽からのプラズマの塊の放出である『コロナ質量放出』、太陽風などです。これらが地球まで到達すると、地磁気に影響を及ぼしたり、地球に対しての放射線による影響が強くなり、場合によっては人体や機器に被害が出たりします。そう、宇宙天気予報は、活発化した太陽による、地球にとっては好ましくない影響を予測し、避けるためのものなのですね!

 実際の宇宙天気予報の前に、まずこの太陽フレアやコロナ質量放出が、具体的に地球と我々の生活にどのような影響を及ぼすかをさくっと説明しましょう。

せれろんやまだ

 大手PC関連デバイス販売代理店で敏腕を誇った“姐御”。科学好きが高じてついに連載開始。夢は家事を放棄すること。

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