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週替わりギークス ― 第156回

VRが発展するときに人間に求められる能力とは

2020年01月07日 17時00分更新

文● 佐久間洋司 編集● 上代瑠偉/ASCII

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佐久間洋司(左)、稲見昌彦教授(右)。

 前回の『週替わりギークス』に続いて、東京大学先端科学技術研究センターの稲見昌彦教授を招いて開催した、「クリエイティブ・ディストラクション・サロン produced by 佐久間洋司」をレポートをさせていただきます。

 今回の記事では、稲見先生による話題提供の内容の一部、筆者と稲見先生によるパネルの内容を中心に、バーチャルリアリティー(VR)と身体の行方を取り巻く、いろいろなトレンドを紹介します。

「できない」を「できる」に変える身体拡張

「遠隔二人羽織ロボット」と言われる「Fusion」。

 稲見先生が人間拡張工学として取り組まれている、さまざまな研究をご紹介いただきました。稲見先生は実際にシステムを構築し、その実験に必要な条件を導き出す「作ることで理解する」構成的アプローチを採用されています。とくに、阿修羅像のように、足を第3・第4の腕にする研究が有名です。

 当日は、ロボットのアームを手に持ち、何の気なしにボールを投げると、必ず命中する「PickHits」をご紹介いただきました。ボールを離すタイミングを制御することで、ボールの軌道を修正する仕組みです。

 また、顕微鏡で見るようなミクロな物の繊細な感覚を、指先の触感で感じられる「Magni Finger」についても教えてくれました。この装置で10分もトレーニングすれば、10ミクロンの精度で指先を動かせるようになるそうです。「器用」や「不器用」と私たちが表現している違いは、このような感触を得られるか否かが原因かもしれない、とおっしゃっていました。

 障害などマイナスとされる部分をゼロに近づけるのはもちろん、もともとできなかったことが新たにできるようになる、言わば、ゼロからプラスにするような感覚の拡張にも意味があるとも、稲見先生は主張されています。

 たとえば、稲見先生らが2018年に発表した「遠隔二人羽織ロボット」と言われる「Fusion」では、自分の背中に生えた腕を、他人が直感的に操作できます。腕を動かすことで、言葉では伝えにくいことや、何を組み立てたら良いか、といった情報を伝えられるのです。変身以上に合体にも価値があるかもしれない、と述べられていました。

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