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小島寛明の「規制とテクノロジー」第48回

三菱UFJが本腰 デジタル証券「セキュリティトークン」とは

2019年11月11日 09時00分更新

文● 小島寛明

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 仮想通貨に対する期待と失望は常に揺れ動いているが、さまざまな取り組みの中で、大企業の注目を集める分野がある。

 ブロックチェーンを使って有価証券を発行するセキュリティトークン(ST, Security Token)だ。

 11月6日には、次世代の金融取引サービスの開発を目指すとして、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJ銀行などが「ST研究コンソーシアム」を立ち上げた。

 その1ヵ月前には、SBI証券など証券会社6社が「STO協会」を設立している。このほかにも、STをめぐる取り組みをはじめる動きが相次いでいる。

 金融、仮想通貨、ブロックチェーンに関する専門用語が多発するこのニュースを理解するのは、なかなか骨が折れるが、あらためて解きほぐしてみたい。

●電子的に記録された有価証券

 まず、「有価証券」についておさらいしておく必要がある。

 SMBC日興証券が公開している「初めてでもわかりやすい用語集」では、有価証券はこう、説明されている。

 「有価証券とは、株式・債券・手形・小切手などを指します。有価証券はそれ自体に財産的価値を有します」

 たとえば、100万円の小切手を銀行に持っていくと、現金と交換してくれる。これが、小切手の「財産的価値」だ。

 セキュリティトークンのセキュリティ(security)も「有価証券」と訳される。

 では、冒頭に登場したSTとはなんだろうか。カタカナにするとセキュリティトークン。金融商品取引法では「電子記録移転権利」という言葉が使われている。

 ここで、ブロックチェーン上で小切手を発行した場合を想像してみたい。

 ブロックチェーン上で小切手を発行して、取得した人に対して電子的な引換券(トークン)を渡す。誰が保有し、どんな取り引きがあったかなどを、ブロックチェーン上に「電子的に記録」する。

●投資家から資金を集めることもできる

 冒頭ではもうひとつ「STO(Security Token Offering)」という言葉も登場した。

 この言葉は、ブロックチェーン上でセキュリティトークンを発行して、投資家から資金を集める手法のことだ。

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