アジア最大級のコンピューター見本市「COMPUTEX TAIPEI 2026」が6月5日に閉幕した。本稿では、COMPUTEX TAIPEI 2026を4日間取材してわかったIT業界の動向を総括していく。
NVIDIA RTX Sparkが話題をさらう
今年のCOMPUTEXで最大の注目を集めたのが、Windows PC向け新チップ「NVIDIA RTX Spark」だ。最大128GBのユニファイドメモリーを搭載し、ローカル環境で数十億パラメーター規模の大規模モデルを高速かつ並列に処理できる能力を有する。
これは単なる「速いノートPC」の発表ではない。これまでの「AI PC」といえば、クラウドのAIにアクセスしやすいPC、あるいは一部のAI処理を手元でこなすPCという印象が強かったが、RTX Sparkが狙うのはその先だ。PC上でAIエージェントを動かし、ファイル検索、アプリ横断の作業、画像や動画生成、コード作成などをローカルで処理する。
そのため、各ブースでは、外部ネットワークに接続せず、機密データを保護したまま動作する「ローカルAIエージェント」の活用事例が多数展示されていた。RTX Spark搭載の薄型ノートPCと小型デスクトップPCは、ASUS、Dell、HP、Lenovo、Microsoft Surface、MSIから今秋発売され、AcerとGIGABYTEのモデルも後に続く予定だ。
Intel Arc 3シリーズを採用するメーカーと製品が増大
COMPUTEXを取材して、あらゆるところで目についたのが、インテルのGPU「Intel Arc G3」と「Intel Arc G3 Extreme」だ。これらを採用したPCは今後数ヵ月以内に発売する見通しで、Acerの「Predator Atlas 8」、MSIの「Claw 8 EX AI+」、One-Netbookの「OneXPlayer」などの携帯型ゲーム機での採用がすでに決まっている。これまでGeForceとRadeonに押されて影が薄かったIntel Arcが急激に存在感を増してきているのが印象的だ。
なお、今年のCOMPUTEXは「AI Together」がテーマだけに、どこのメーカーもサーバーやワークステーションといった、AIデータセンター向けソリューションの展示が多めだった。サーバー方面でもIntel Arc G3を導入する製品が増えている。
サーバー向け製品とIntel Arc搭載製品の展示が増大したことが例年にない変化だ。もっともサーバー向けや産業向け製品の展示はこれまでもあったが、今年はとくに多かった。これはAIブームの影響もあるが、メモリーの供給不足問題から、メーカーがBtoCからBtoBに軸足を移していることの表れとも言えるだろう。
次ページでは、PCパーツについて総括しよう。
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