衝動買いのプロでも、世界中で発売されるすべてのモノをチェックする時間はない。だからこそ、SNSやレビューで評判を見かけるとつい「後追い衝動買い」をしてしまうのだ。衝動買いとは必ずしも人柱になることではなく、他人の評価を見て“気になって仕方がない”ものを試す行為でもある。
今回の「Xiaomi電動シェーバー S101」もその一つ。ネット上では「安いのに高性能」と話題になっていたため、ついポチってしまったのだが、結果的には珍しく「買わなきゃよかった」系の製品だった。
シェービング歴約50年の筆者が見た「シャオミ流シェーバー」
10代の頃から髭剃りを始めた筆者は、当初こそ親父を真似てカミソリ派だったが、すぐに親父が愛用していたブラウンの往復式電動シェーバーに魅了されて以来、電動派を約50年貫いてきた。
自腹で電動シェーバーを買うようになってからは、価格帯はおおむね3000~1万円の中堅クラス。ブラウンで育てられたマインドもあって、国内外問わず、デザインとそれを生み出す実用性を重視。昨年末には妻からパナソニックの高級モデル「ラムダッシュ パームイン」をプレゼントされ、そのコンパクトさと高性能に感心していたところだった。
そんな中、ネットで見かけたのがシャオミの「Electric Shaver S101」。スマホブランドとして知られる同社が手がけた3ヘッド式シェーバーで、一部サイトでは「コスパ最強」「売り切れ続出」と紹介されていた。筆者はそれに釣られて、2480円で衝動買いしてしまった。
スペックと構造をチェック
公称スペックは以下のとおりだ。
・防水性能:IPX7
・入力:5V=1A(USB Type-C充電)
・バッテリー電圧:3.7V、出力:3W
・充電時間:約1.5時間で最大60日使用可能
同梱品はシンプルで、本体・ヘッドカバー・USB Type-Cケーブル・取扱説明書のみ。サイズは実測で高さ約155mm、ヘッド部幅約60mm、重量約160g前後と軽量級。ブラックボディにメタリックな3枚刃ヘッドを組み合わせたデザインは高見えする。
しかし実際に手にしてみると、すぐに違和感があった。まず「首振り構造」に見えるヘッドが、実はまったく動かない。多くの3枚刃シェーバーが採用するフレキシブルヘッドではなく、固定式の見かけ倒しだったのだ。鼻の下やあご下のカーブ部分を剃るには、自ら手首を傾けて角度を調整する必要がある。
軽快ではあるが「回転が遅い」
使用感は軽い。モーター音も静かで、手に伝わる振動も少ない。しかし回転速度が明らかに遅く、最初は充電不足かと思った。そしてヒゲを捉える力が弱い。メーカーは「低速で肌に優しい」「ヒゲを噛みにくい」とうたっているが、筆者の体感ではむしろ逆で、数回ヒゲを噛まれた。剃り味は柔らかいというより“なまぬるい”印象で深剃りとは程遠い。
一方で、掃除は非常に簡単だ。ヘッド部分を引き抜いて水洗いすればOK。IPX7防水仕様なので丸洗いできるのは安心だ。この点は国内外の廉価版シェーバーとは異なっており、好印象である。

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