パナソニックは5月12日、有機EL/液晶ビエラの新製品5シリーズ15モデルを発表した。全てのモデルがAmazonのFire TVを搭載。Prime Videoの画質を最適な状態で再生する「Prime Videoキャリブレーションモード」を搭載している。
価格はすべてオープンプライス。新製品と予想実売価格は下記の通り。
有機ELテレビ:
「Z95B」(65/55インチ):実売価格38〜53万円
「Z90B」(65/55/48/42インチ):実売価格26〜41万円
液晶テレビ:
「W95B」(75/65/55インチ):実売価格24〜38万円
「W90B」(65/55/50/43インチ):実売価格16〜24万円
「W80B」(50/43インチ):実あい13〜15万円
発売は6月下旬になる予定だ。
明るさとシャープな画質が印象的なフラッグシップ有機ELテレビ
有機ELテレビのフラッグシップ機「Z95B」は、約6年ぶりの大幅アップデートを果たした機種。イネーブルドスピーカーを初搭載した2019年モデルから続けてきたデザインを6年ぶりに刷新し、新世代の有機ELパネルである「プライマリーRGBタンデム」を搭載。音響面では「360立体音響サウンドシステム+」、ユーザビリティの面でもFire TVの搭載など通じて、「ビエラ市場最高の画質と音質を提供できるモデルだ」とアピールしている。
プライマリーRGBタンデムは、有機ELの発光層を4層に増やすことで発光効率の改善(輝度のアップ)と広色域化(色純度のアップ)ができる技術となる。従来の「マイクロレンズ有機EL」では黄色(赤+黄+緑)の発光層を青色の層で挟んでいたが、プライマリーRGBタンデムでは濃青、緑、濃青、赤の層を重ねて光を最適化している。
加えて、従来から力を入れている放熱構造も改良。有機ELパネルは熱の問題で液晶よりも高輝度かがしにくい側面があり、放熱は重要なポイントだ。Z95Bでは、従来同様、放熱板を独自に追加しているほか、レーシングカーの開発でも用いられている「エアロダイナミクス」の技術を応用した効果的な発熱機構も備えている。流体シミュレーションを通じて最適な通気口の位置や空気の流れを決め、有機ELパネルを高輝度で発光させても効果的な排熱が可能になっているという。
映像エンジン(HCX PRO AIプロセッサーMK II)には「ダイナミックディティールエンハンサー」の機能を追加した。独自の映像処理アルゴリズムを用いて、映像の細かなエリアごとに個別にガンマ値を調整して、くっきりと解像感の高い映像にできるようになっているという。
なお、有機ELパネルの制御に関しては「Bright Booster」として、リアルタイムでパネルの発光状況を把握し、パネルの性能を引き出すための独自の電流制御アルゴリズムを取り入れている。発光状況の把握には3次元映像信号解析と温度センサーを使用。この情報からリアルタイムでパネル発光性能を解析し、新しく開発した熱解析シミュレーションの結果を反映している。これはZ95B/Z90B(65/55型)共通の機能で、高いコントラストの実現に役立つとしている。
音質面ではZ95Bはイネーブルドスピーカーを搭載。左右の間隔を2倍に広げるなど、レイアウトを最適化して、より広がりのある音場再現が可能になった。低音の出力も20Wから30Wにアップしている(スピーカー全体の出力は65型で160Wから170W、55型で150Wから160Wに強化)。
Z90Bもスピーカーを下側ではなくフロントに向けて配置するなど音質面を強化。床に反射して減衰した音を聞くよりも音のダイレクト感が増し、クリアな音を聞けるという。Z95B同様ウーファーの出力が30Wに上がっているほか、パッシブラジエーターの数も2基から対向配置の4基に増やして低音を増強している。
Mini LEDの分割数をさらに増やした液晶モデル
W95Bは、Mini LEDバックライトを搭載した液晶テレビの最上位モデルで65型に加えて、75型と55型を追加。バックライトのエリア駆動の分割数を2.5倍に増やして、より細かく明暗の制御ができるようになっている。
また、広色域バックライトシステムとその性能を最大限に引き出す「リアルタイム色チューニングシステム」を組み合わせて、バックライトの色温度に影響されない正確な色再現が可能になっている。
ハイグレードモデルのW90Bは直下型高輝度LEDバックライトを採用。直下型LEDバックライト搭載で、より手軽にFire TVの機能やDolby Atmosの立体音響が楽しめるW80Bも用意している。
W95BとW90Bは4K144pの入力に対応。バックライトエリア制御やリアルタイム色チューニングシステムはW95Bのみが搭載する機能だ。
スピーカーはW95Bが15W+15Wのフルレンジスピーカーに20Wのウーファーを組み合わせt50W出力、W90Bが15W+15Wのフルレンジスピーカーを組み合わせた30W出力、W80Bが10W+10Wのフルレンジスピーカーを組み合わせた20W出力となっている。
