大阪市内の「曽根崎データセンター」と自社ファイバーで接続、原子力由来のCO2フリー電力で稼働
オプテージが液冷コンテナDCを福井県に開設、生成AI向けGPUサーバーサービス開始へ
2025年02月12日 07時00分更新
関西電力グループの通信事業者、オプテージ(OPTAGE)は2025年2月10日、液冷方式に対応した生成AI向けコンテナデータセンターを福井県三方郡美浜町に開設すると発表した。高性能GPUを搭載した「AI学習用GPUサーバー」を顧客占有型で提供するサービスを、2026年度中に開始する。
オプテージでは、2026年1月に「曽根崎データセンター(OC1)」を大阪市内で開業予定。AI学習処理に適した郊外型データセンター(美浜町)、AI推論処理に適した都市型データセンター(曽根崎OC1)、さらに両データセンター間をつなぐネットワーク(光ファイバー網)のすべてを、オプテージからワンストップで提供できる点もアピールしている。
生成AIなどの大規模なAIモデルを効率的に学習させるためには、高性能なGPUサーバーでの処理が必要となる。ただし、大容量の電力供給が必要となるため、柔軟に電源や土地を調達できる郊外でのAIデータセンター開設が進んでいる。
今回発表された美浜町のデータセンターは、AI学習用GPUサーバーの設置に特化したもの。短期間で設置や増設ができるコンテナ型を採用し、液冷サーバー対応の冷却設備も備える。1コンテナあたりの設置面積は約500㎡で、最大32台のGPUサーバーを収容できるという。
また、美浜町には関西電力の美浜発電所があり、電源の調達が比較的容易な立地となる。今回のデータセンターは、原子力由来100%の“CO2フリー電源”で稼働するものであり、同社では「ゼロカーボン社会の実現にも貢献する」としている。
オプテージでは、このデータセンターに高性能GPUサーバーを設置し、顧客占有型のベアメタルサーバーを貸し出す形でサービスを提供する予定。GPUサーバーの調達やハードウェアの保守運用はオプテージが行うが、サーバーの詳しい仕様は後日公開としている。
さらにオプテージでは、都市型データセンターのOC1との組み合わせ利用も提案している。IXや主要パブリッククラウドとの低遅延接続を特徴とするOC1を「AI推論用GPUサーバーに適した立地」と位置付け、両データセンター間の安定したネットワーク接続も含めたAI用インフラ全体を、オプテージからワンストップで提供できることを強調している。
