フジヤエービック主催のイベント「冬のヘッドフォン祭 mini 2025」が2月8日に開催された。
「ポータブル機器の音質はもう頭打ちか?」そんな予想を見事に覆す進化が、「冬のヘッドフォン祭 mini 2025」で体感できた。各メーカーが最新技術を投入し、解像度・音場・低音表現など、いろいろな面で進化を遂げていた。
本記事では、実際に試聴して「これはすごい!」と感じた7機種をピックアップ。音の進化がどこまで来たのか、その最前線をレポートする。
磁性流体で低音が進化「Technics EAH-AZ100」
開場早々、人だかりができていたブースがTechnicsだ。1月23日に発売されたばかりの完全ワイヤレスイヤホン「EAH-AZ100」の試聴に列ができていた。「EAH-AZ80」との大きな違いは磁性流体ドライバーの採用。油のように粘性のある磁性流体をボイスコイルとマグネットの間のギャップに充填することで、上下のストロークを正確にする。同時に振動板のエッジを薄くしてトータルでの抵抗を減らしレスポンスの良さと量感ある低音再生を追求している。
まあ、理屈はそうなのだろうが「実際の音は聞いてみなければ分からない」と思って聴く。確かにLDACで接続してみると低域の量感がアップ、高域は輪郭がハッキリした音が再生された。「AZ80こそ最高!」と思っていたのだがAZ100を聞くと、Bluetoothもここまで解像度が上がるのかと驚かされた。
USB-C対応Bluetoothトランスミッター「Questyle QCC Dongle PRO」
最近、注目されているのがPhone 16のUSB-Cに接続できるBluetoothトランスミッターである。超小型軽量でLDACやaptX Adaptiveなどの高音質コーデックに対応して、アップル製品をハイレゾ対応に変えてくれる。
その最前線を走るのがQuestyleの「QCC Dongle PRO」である。重量3gでAppleのMFi認証を取得した世界初のSnapdragon搭載モデルなのだ。USB-Cケーブルだけでなく、Lightning用変換ケーブルもニーズがあれば作りたいとのこと。対応コーデックはSBC、LE Audio(LC3)、aptX、aptX HD、aptX Adaptive、AAC、LDACと幅広く、MacだけでなくWindows、Android、Linuxに加えiPhoneとiPad、PS5、Nintendo Switchにも対応している。
実際にiPadに接続して試聴したが、iPad側の操作は不要でBluetoothイヤホンと接続完了した。製品発売時には専用アプリを使って、コーデックの選択が可能になるそうだ。発売時期は3月末、価格は1万円を予定している。
