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JALカードとNTTデータ、販促ターゲットの選定に生成AIを活用 人間より優秀かも

2025年01月24日 08時30分更新

文● @sumire_kon

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 ジャルカード(JALカード)とNTTデータは1月23日、生成AI「LITRON Multi Agent Simulation」を活用したマーケティング施策の実証実験で、従来比3.0%の購買率向上を実現したことを発表した。

 本実験の概要は以下のとおり。簡単にまとめると、現実の顧客データをもとに複数のバーチャル顧客を作り、特定の状況で彼らがどう反応するかAIでシミュレートした結果を、実際のマーケティング活動に反映するというものだ。

●実験の概要

1.JALカードの顧客データを基に、カードの利用傾向が似ているグループを作成

顧客データを基にしたセグメント化とペルソナ作成のイメージ

2.グループごとの特徴から各クラスターの人物像(ペルソナ)を作成

3.LITRON MAS上で設定したテーマに関して、複数のペルソナが会話またはグループディスカッションする状況を再現することで、テーマに対する示唆を生成

ペルソナ同士のディスカッションや実際のマーケティング施策へ反映するイメージ

4.得られた示唆に即して、現実の世界でABテスト形式でマーケティング施策を展開し、結果を検証

ABテストのイメージ

 具体的には、ある商品をJALカード会員にダイレクトメール(DM)で販促することを想定し、AIでこの商品を好む複数のペルソナが、販促に適したターゲットについて会話する状況を再現。そこで得られた示唆(ターゲット)と人間が従来の手法で決定したターゲットの両方に、実際にDMを送付して商品の購買率を比較した。

 検証は2024年10月から2025年1月にかけて実施。両社によると、AIが示唆したターゲットは、従来の手法で選んだターゲットと比べ、3%高い購買率を示したという。

 両社は今後も、JALカードのマーケティング施策高度化を目的とした共同実証実験を繰り返し、マーケティング領域における生成AI活用の可能性を検討する方針だ。

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