高齢者向けおしゃべりAI見守りスピーカーの実証実験を福島県川俣町にて開始
今度のキャラはかわいい。シーマンの会話技術が高齢者向け見守りAIに
2025年01月16日 17時00分更新
シーマン人工知能研究所は、オプテージと福島県川俣町と提携し、一人暮らしの高齢者向けおしゃべりAI見守りスピーカーの実証実験を福島県川俣町の50世帯を対象に2025年1月から2月にかけて実施する。
シーマン人工知能研究所は、1999年に発売された会話する人面魚ゲーム『シーマン~禁断のペット~』の開発者によって2015年に設立。おしゃべりAI見守りスピーカー「俣兵衛」は、シーマンの流れを組む独自のAI日本語会話エンジンを搭載し、「楽しませる会話」の生成に主眼を置いて開発されている。話の文脈を記憶して話題を広げたり、ときにはツッコミを入れたりといった自然な日本語のやりとりが可能だ。
同製品は、高齢者を監視しているような印象にならないように、かわいい子どもの妖怪のキャラクターとして性格付けがされている。「俣兵衛」というキャラクターは、川俣町の乳子岩にまつわる伝承(口減らしのため、乳飲み子を岩穴に捨てたというもの)をベースにしており、「天真爛漫ながら、母親への強い憧れを持ちあわせ、ときにヤキモチを焼くような子どもの妖怪」という設定だ。声は、川俣町在住の小学生2名をオーディションで採用し、サンプリングした音声で甘え口調に話す。利用者の服薬状況や連絡先等の要望に応じて、発話内容のカスタマイズも可能だ。
実証実験では、高齢者の自宅に設置された同製品が毎日高齢者に話しかけ、離れて暮らす家族などにメールで状況を報告する。通信事業者であるオプテージとの連携により、モバイル回線を本体に内蔵し、Wi-Fi環境のない利用者宅でも設定なしに導入できる。また、川俣町の担当者がシステム管理画面から対象者の体調異常や変調、緊急事態を察知する機能や、民生委員に直接連絡を取る機能の提供も目指しているとのこと。
