三菱 ニューギャランのレストア連載も、もう4回目に突入です。今回は、最初に修理に取り掛かることにした“エンジン”についてです。ボディーのサビや足周りなど課題は山積みですが、サンダー平野さん(早々にお呼びした助っ人)曰く、「クルマが動くようになることが、公道復帰への最初の1歩」とのことだったので、まずはエンジンから修理することに決めました。
ちなみに、どの部位から修理するかは人それぞれで、特に決まりはないとのこと。友人のギャランGTOオーナーは、海外から部品が来るのに半年かかるため、ボディーの板金から取り掛かったそうです。ショップというわけではないので、取っ掛かりやすそうな箇所から修理するのが◎なのではないでしょうか。
エンジンを修理するにあたってやってはいけないことが、「とりあえずエンジンをかけてみること」です。実は矢田部……、納車日にテンションが上がってしまい、ワンチャンいけるのでは? と、やってしまいました。その結果「プシュルルルルル……ドゥドゥーン」という、多分あまり良くなさそうな音がしたので、急いで何も聞かなかったことに。
しばらく乗っていないクルマだと、エンジンオイルがゼロ、または規定量入っていないことも多く、シリンダーやカムにオイルが行きわたっていなことがあるため、最悪の場合壊れてしまうことがあります。そうなると修理がさらに大変になってくるので、みなさん絶対にやらないで下さい!
まずは、エンジンオイルの量をチェック!
オイル量のチェック方法は、エンジンブロックから伸びている棒状のオイルレベルゲージを引き抜き、全体を布やキッチンペーパーで拭き取ります。オイルレベルゲージの持ち手は先端が輪っかになっているので、そこに指を差し込んでギュッと引っ張ればOKです。これは教習所でも習うので、知ってる方も多いかもしれません。
その後、元に戻してもう一度引き抜きます。すると、オイルレベルゲージの先にエンジンオイルが付くので、MAX~MINのところまでオイルが付着していればOK。新しめの型のクルマだと、オイル量が適切かを見るためにハイ(H)とロー(L)を表す2本の線が書いてあることが一般的ですが、ギャランが販売された当時はそれがなかったようです。でも、そういう発見もまた面白い!
先端にオイルが付着したので量は適量ですが、汚れが少し気になりました。
この時、オイルの汚れもチェックしましょう。オイルの色もさまざまですが、きれいな飴色だったエンジンオイルが、走行を重ねていくとだんだんと濁りはじめて黒くなっていきます。これは、スラッジやエンジン可動部が磨耗した時に出てくる鉄粉が、エンジンオイルに混ざってくるからです。
ここで注意! エンジンオイルが規定量入っていても、年単位でクルマを動かしていない場合、オイルが下に落ちて油膜切れを起こしていることがあります。なので、ヘッドカバーを開けて、オイルを垂らしてあげるのがベストです。
綺麗なオイルにするために
オイル交換をした
汚れたオイルを排出するための排出口を、ドレンホールといいます。エンジン最下部のオイルパンにボルトで封印されているので、それを外せるようになるまでジャッキで車体を上げます。
ここでも注意点があります。ジャッキの下が砂利や土だと危ないので、ジャッキの下にベニア板などを敷いたほうがいいでしょう。また、ジャッキアップは危険なので自己責任において行なってください。
車体を固定するためにウマ(ジャッキスタンド)をかけますが、かける場所はフレームがベストとのこと。一般的には画像の場所(黄色で囲っている部分)にかけることが多いのですが、旧車の場合、錆びて潰れてしまう可能性もあるのです。また、ジャッキを下げるときは、ジャッキアップポイントとウマの位置が合っているか確認しながらゆっくり降ろします。
今回のように地面がアスファルトやコンクリートじゃない場合は、前述のとおりしっかりジャッキとウマをかけておかないと、たとえばウマが倒れてクルマの下敷きになることもあるので注意が必要です。ジャッキアップしたとしても、可能な限り下に潜るのはやめましょう。
次に、エンジン底部に廃油受けを押し込み、オイルパンにあるドレンボルトを外します。この時、しばらく触っていないクルマだと、ドレインボルトが固着している可能性があるので、無理に引っ張らずトンと叩いて一気に緩めるのがベストとのこと。
ドレンボルトが緩んでくると、完全に外れる前からオイルが漏れてくるので要注意! 手に着くのが嫌な方は、ゴム手袋などの対策をしてください。ある程度緩んだら、手でドレインボルトを外していきます。
オイルはできる限り時間をかけて抜きます。最初は勢いよく出てきますが、オイルは粘度があるため、量が少なくなると排出量がかなり遅くなってきます。汚れたオイルが新しいオイルに混じるのを最小限にしたいですね。
エンジンオイルの入れ方
汚れたドレンボルトを差し込むとオイルに汚れが入ってしまうので、綺麗に拭いてから取り付けます。外すときと同様に、ナメてしまわないように慎重に締めます。エンジンオイルを入れる際は、オイルゲージも空けておきます。こうすることでエアーが抜け、オイルがあふれないからです。こぼれないよう慎重にオイルを注いでいきます。
エンジン上部から入れたオイルが完全にオイルパンに落ちるのを待つために、オイルを入れ終わったら、5分ほど待ちます。その後、オイルゲージで油量&ドレンボルト付近からのオイル漏れやにじみがないかもチェックします。
今回の作業で使用した道具たち
■メガネレンチ
モンキーレンチやスパナではボルトの山をナメてしまうおそれがあるので、カッチリとボルトをロックできるメガネレンチがオススメ!
■ジャッキ
矢田部はコストコで5tのジャッキを購入しましたが……、値段も高かったですし、持ち運びや取り扱いのことを考えると3tで十分でした。今からクルマを修理するんだ! とカッコつけて購入しましたが、必要なかったなぁ……。
■オイル受け
Amazon.co.jpのプライムセールにて、ポイントを駆使して無料でゲット! ホームセンターやカー用品店でも販売されています。なお、古いオイルを廃棄する時は、お住まいの自治体に必ず廃棄方法を確認して下さい。
■ウマ(ジャッキスタンド)
ジャッキアップした車を支える補助支持工具。矢田部はアストロプロダクツでお安く購入。
■ジョッキ
サイズ、 形状もいろいろあるので、自分が使いやすいものを選ぶと作業がスムーズにできます。
■布、キッチンペーパー
オイルレベルゲージ、ドレンボルトなどを拭くのに使います。多めに用意しておくのがGOOD。ちなみに、矢田部は着なくなった服を取っておき、ウエス変わりに使っています。
オイル交換のまとめ
難易度は高くないので誰でもできる
エンジンオイルの確認&交換に関しては、そこまで難しくはない作業でした。ウマをかける場所など、旧車ならではの注意すべき点はありますが、頑張れば何とかなります(矢田部クラスでも何とかなったので)。
ただ、このあとの作業がどうなることやら……。ですが根性だけはあるので、しっかり頑張ります!
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