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ポータブルゲーミングスピーカー「TQ-PG300」

パイオニアの小型ゲーミングスピーカー、想像を超える没入感でめちゃくちゃ驚きなんですけど!

2024年12月10日 11時00分更新

文● 貝塚/ASCII

提供: パイオニア

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片手にすっぽりと収まるコンパクトさがかわいい

気軽に、簡単に、身近な音を良くしたいという願望

 携帯ゲーム機で遊んでいて「この音、もっとよくしたいな」と思ったことはありませんか。

 または、スマートフォンで動画などを見ていて「もう少し迫力のある音だったら、もっと楽しいのに」とか。

 私はありますよ。高額なオーディオ機器を買い揃えてどうにかしたいということではなく、手軽に、かつ簡単に、いまよりも上のグレードの音を楽しみたい。そういう気持ち。

 パイオニアのポータブルゲーミングスピーカー「TQ-PG300」は、まさにそういう用途のためにある製品だと思うんです。

カラーはホワイトとブラックの2色

 パイオニアって、最近はカーナビの「カロッツェリア」や「サイバーナビ」で名前を聞く機会の方が多いかもしれません。公式ウェブサイトの製品ジャンル一覧も、カーナビが目立つ構成になっています。

 でも、15〜20年前くらいまでは、家庭用のオーディオ機器のジャンルでも、搭載されている技術やスペックにこだわりを持つユーザーからの人気を集めていたような気がします。職人気質な設計の良さに、先進的で尖った機能。しばらく愛用してみると、作り手の設計上の意図や配慮が伝わってくる面白さ。それが私のパイオニアのイメージです。

 そんなパイオニアが突然発表したポータブルゲーミングスピーカーが、TQ-PG300なのです。発表時は驚きました。「なんで、パイオニアがゲーミング?」と。しかもポータブル用だし。意図や狙いがまったく見えません。

 使ってみれば分かるかもしれない。しばらく使ってみることにしました。

なんか、音が分離してくっきりと聞こえるぞ!

ゲーム機を上下から挟み込むようにして装着する

 TQ-PG300は、スピーカー部分がスプリングで伸び縮みする仕組みになっており、携帯ゲーム機を上下から挟み込むかたちで使用します。一応、公式サイトで「Nintendo Switch」と「Pimax Portal」は対応デバイスとして名前が挙げられていますね。

ゲーム機との接続はUSB Type-Cで、接続先のデバイスからの給電で駆動する

 ゲーム機との接続はUSB Type-Cで、接続先のデバイスからの給電で駆動します。特に設定は必要なく、買ってすぐに、つなぐだけで使い始められます。

背面のスタンドは大きく、安定感もある

 背面には折り畳み式のスタンドを備えているため、机の上などに自立させることができます。

 ハード的な構成は、上部のスピーカー部分に左右1つずつのフルレンジドライバーを搭載。技術的には、Dirac Research ABの「クロストークキャンセリング」に対応しており、左右の音が分離したクリアなサウンドを実現しているといいます。

Dirac Research ABの「クロストークキャンセリング」のイメージ

 言葉で伝わりにくいと思うので、図説します。通常、ステレオのスピーカーは左からの出力音が右の出力音に、右からの出力音が左の出力音にそれぞれ干渉し、音の輪郭をぼやけさせてしまいます。小さなスピーカーであるほど、左右の距離は近くなるので、この傾向は顕著に出やすくなります。

 クロストークキャンセリング技術を使うと、この干渉をデジタルフィルターで抑制し、左右の分離感がはっきりしたクリアなサウンドが楽しめるというわけです。

 肝心の聞いてみた感想なのですが、本当にクリアに感じる

 特に、オープンワールドのRPGなどでは、その恩恵を受けやすいと思います。例えば砂のフィールドを走り回るときの砂の音、風が吹いている音、遠くで鳥が鳴いている音……こういった環境音はぐっと精細さが高まって、どの方向から聞こえてくるのかが、とてもわかりやすい。自分が主人公になって、ゲームの中にいる感覚が増す感覚です。

 ハードなアクションRPGなどでは、敵に切り付けられたときのコントローラーの振動と、音の迫力のコンビネーションで、臨場感が大きく高まる印象。音の変化が、体験を豪華なものにしてくれるのを感じます。

 かわいいキャラクターが出てくるスクロール型のアクションなどでも、このスピーカーで聞くと、ゲーム内のサウンドが緻密に調整されていることに気が付きます。出力が変わっただけで、こうもゲーム体験がリッチなものになるとは。

 使うほど、非常に手軽に、ゲームの臨場感と没入感を大きく高めてくれる、とても良い商品であることが感じられます!

実質、USB Type-Cスピーカーなので使い方はユーザー次第

くつろぎながらのゲームプレイには最適

 携帯ゲーム機のテーブルモードとの組み合わせは相性がよく、すこし離れた場所に置いておいても、音がはっきりと届いてくれる感じは、外付けのスピーカーならではです。

ハイボリュームモードにすると、音が最大出力になる

ワイドモードをオンにすると、より左右の分離感が強調され、音場が広がったような効果が得られる

 何より、つなぐだけで設定が要らないというのは、使い勝手がいいですよね。さらには本体側面のスイッチで切り替えられる「ハイボリュームモード」と「ワイドモード」が搭載されていて、それぞれ最大出力への切り替え、音を左右に広げて音場を広げてくれるような効果が得られます。

USB Type-Cのスマートフォンを装着してみた

 私、思いつきました。この製品、突き詰めると「USB Type-Cで接続でき、デバイスからの給電を受けて動くスピーカー」なので、スマートフォンとかでもいけるんじゃね? って思ったんです。

 ……使えちゃいました。まったく問題なく動きます(※)。しかも、音はスマートフォンのスピーカーより数段上。

※全てのUSB Type-Cスマートフォンでの動作を保証するものではありません

家でくつろぎながら、ダラダラと動画を見たりする用途にも使えそうだ

 自宅でダラダラしているときって「スマートフォンを手で支えるのさえちょっと面倒」みたいなときありませんか。私はあるのですが。TQ-PG300なら、スタンド代わりになるだけじゃなく、音も良くしてくれるわけですから、まさに一石二鳥ですね。

そうそう、ちょうどこんなのが欲しかった

 一見すると、TQ-PG300は「昔のゲーム機っぽいザラザラとした質感の小さなスピーカー」です。どことなく、90年代の雰囲気を感じさせるようなレトロなかわいさもあると思います。

 ところが実際に使ってみると、外観からは想像できないほど(?)現代のデバイスや、それらが使われるシーンとして想定される環境に、ピッタリとうまくフィットしてくれるんですよね。

 価格は実売で8500円前後。自宅でゲームをしたりスマートフォンで動画を見る時間のすべてで、グレードアップした音を楽しめると考えると、とても良い8500円の使い方だと思います。

なお、同じシリーズから設置型のデスクトップゲーミングスピーカー(TQ-FG3000、TQ-WG3000、TQ-RG3000)3製品も発売予定。こちらの発売も楽しみにしたい

 なお、今回紹介したのはポータブルゲーミングスピーカーですが、今後、パイオニアからデスクトップゲーミングスピーカー3種類(TQ-FG3000、TQ-WG3000、TQ-RG3000)も、今後発売されるとのことで、こちらも期待大! 小型のスピーカーでこのクオリティーですから、そちらにも期待が高まりますね。

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