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MWC Barcelona 2024レポート 第17回

折りたたみに5Gケータイ、新OSや衛星スマホなどMWCで見つけた気になる製品総ざらい

2024年03月04日 15時00分更新

文● 山根康宏 編集●ASCII

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 MWC Barcelona 2024では、メジャーメーカー以外からも多数の特徴的な製品が展示された。その中から気になったものをいくつか紹介しよう。

電池ブランド「Energizer」が28000mAhの巨大バッテリースマホ
折りたたみ、5Gフィーチャーフォンを展示

 電池メーカーとして知られるEnergizerは、メーカーの特徴を活かした巨大なバッテリーを内蔵するスマートフォン「P28K」をMWCで発表した。バッテリー容量は28000mAh、一般的なスマートフォン約6台分だ。

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巨大バッテリー内蔵のEnergizyer P28K

 なんといっても、その本体サイズに圧倒される。重量は570g、厚みは27.8mmもある。もちろんほかのスマートフォンを逆充電する機能も備えているので、緊急時にはモバイルバッテリーにもなるという。

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スマホというよりレンガのような大きさだ

 ディスプレーは6.78型でチップセットはMediaTek Helio G99を搭載する4Gモデルだ。メインカメラは6400万画素、詳細スペックは今年10月の発売時期が近づけば明らかになるだろう。価格は250ユーロ(約4万1000円)の予定。

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250ユーロで巨大バッテリー搭載スマホが手に入る

 普及価格を狙った折りたたみ「Ultimate U660S」は縦折式モデルだ。メインディスプレーは6.67型、バッテリーは3700mAhでチップセットはこちらもHelio G99を搭載。非5Gモデルということあり価格は500ユーロ(約8万1000円)を予定している。折りたたみ式のSIMフリー単体モデルとして考えれば安い部類だ。

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Energizerの4G折りたたみ「Ultimate U660S」

 閉じたときのアウトディスプレーには時計や通知を表示可能。カメラのライブプレビュー画面としても使える。カメラは6400万画素+800万画素の超広角で、別途メインディスプレー側に2500万画素のフロントカメラも備える。カメラ性能は意外と高い。

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閉じても使えるアウトディスプレー

 本体を閉じるとヒンジ部分には隙間が見える。最近は隙間なしモデルが増えているが、このあたりはコストダウンを考えた設計ということだろうか。発売は今年11月予定だ。

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閉じるとヒンジ部分には隙間がある

 新興国でも5Gの普及が広がる中、Energizerは5Gフィーチャーフォンも発売予定。今年10月に登場する「E35G」はAndroidベースのフィーチャーフォン。3.5型小型ディスプレーはタッチ操作も可能だ。

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5Gフィーチャーフォン「E35G」

 価格は100ユーロ(約1万6000円)、フィーチャーフォンしては若干高めだが5G対応、Android系のアプリがプリインストールされれば簡易スマートフォンとしても使えそうだ。

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100ユーロという手ごろな価格で販売予定

新OS「Apostrophy」搭載のPunkt.「MC02」

 Punkt.の「MC02」はプライバシーを考えた「Apostrophy OS」(アポストロフィーOS)を搭載したスマートフォンだ。Punkt.は日本でもフィーチャーフォン「MP02」などを展開しており、デザイン性に優れた製品を多数出している。MC02も外観は非常にシンプル、Apostrophy OSもすっきりしたデザインだ。Apostrophy OSのアプリはデータを外部に送信せず、セキュリティーが高められているという。

 また、MC02は標準でVPN接続も搭載しているので、ネットアクセスも安全にできる。なお、GMSウィザードを通してグーグルサービスのインストールも可能だ。

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Apostrophy OS搭載のPunkt.「MC02」

 チップセットはMediaTekのDimensity 900、6.67型(2400×1080ドット)ディスプレー、6GBメモリーに128GBストレージを内蔵。カメラは6400万画素+800万画素 超広角+200万画素マクロ、フロントカメラは2400万画素、バッテリーは5500mAh価格は699ユーロ(約11万4000円)だ。

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ミドルレンジ+高セキュリティーOSで約11万円

イエデンワ専業メーカー「Teckdesk」が
4Gタブレット型端末を展示

 Teckdeskの「SIM Desk Phone」は名前の通り、SIMカードを入れて使える固定電話型の端末、いわゆる「イエデンワ」だ。イギリスを本社とする同社はプラグ&プレイで使える4G及び5Gのデスクトップフォンを開発しているが、現時点ではまだ4Gモデルのみがラインナップされている。

 「X1」は10.1型ディスプレーを搭載しており、フロントには1300万画素カメラも搭載する。Androidで動きグーグルサービスも搭載されているため、ビデオ会議アプリなども自由にインストールして利用できる。まだ開発中の製品なので、詳細スペックは不明、発売時期や価格は未定だ。

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タブレットデザインの「X1」

 よりイエデンワ風デザインの「Model 6」はチルト式の5型(1280×720ドット)ディスプレーを搭載。チップセットはUNISOCのSC8541Eで、Android 10で動作する。個人向けではなくビジネスユーザー向けへの販売となるため、市場価格は不明だ。

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据え置き電話機に近い形の「Mdel 6」

スマホの中からアンテナが伸びる
真の衛星スマホ「SKYPHONE」

 iPhoneをはじめ、最近のスマートフォンは衛星通信に対応したモデルが出てきている。だが緊急時のコミュニケーション用途であり、衛星を使った長時間の通話などはできない。一方、すでに市場には衛星を使って通話が可能な衛星電話が多数販売されている。その大半はフィーチャーフォンであり、Android搭載モデルもあるが画面が小さいなどスマートフォンとしては使いにくい。

 UAEを拠点に衛星サービスを展開しているThraya(スラーヤ)はスマートフォンサイズに衛星電話機能を搭載した「SKYPHONE」を発表した。発売は今年9月の予定だ。

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スマートフォンサイズの衛星電話「SKYPHONE」

 SKYPHONEの外観は現時点ではスペックはまだ非公開の部分が多く、ディスプレーは6.67型、オクタコアCPU搭載、OSはAndroid 14で、もちろんグーグルサービスが利用できる。カメラスペックも未定だが、カメラ部分はツライチで出っ張りがない。これはケースなしでも屋外の苛酷な場所で持ち運びしやすくするためだ。

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背面はシンプルなデザイン

 大きな違いは本体の厚みと重量で、一般的なスマートフォンよりも厚い。これはアンテナを収納しているから。

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本体厚みは一般的なスマートフォンの倍以上

 本体上部を見ると、片側にアンテナが埋め込まれているのがわかる。軽く押し込むと1cmくらいアンテナが出てくるので、それを手動で引き上げる。

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上部から見るとアンテナがわかる

 アンテナを引き出せば衛星の電波をしっかりとつかむことができる。なお、Thurayaの衛星電話は専用のSIMカードだけではなく、世界約170ヵ国、370以上のキャリアとローミングサービスも行なっている。自分のSIMをこのSKYPHONEに入れておけば、モバイルネットワークのつながらないエリアでもThuraya回線が利用できるわけだ。

 Thurayaはヨーロッパ、アジア、アフリカなど世界の約3/4の地域をカバーしている。日本ではThurayaローミングを行なっているキャリアはなく、ソフトバンクがThuraya回線を衛星電話として別途サービスしている。

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アンテナを出して衛星電話として使える

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