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ことスマホに関しては「親が知らないこと=怖いこと」ではない【中学生の親対談】

【後編】ITライターとマカフィーの中の人が、我が子のスマホセキュリティの悩みについて雑談した結果

2023年05月31日 10時05分更新

文● せきゅラボ

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小学生時代はゲームやYouTube閲覧程度で済んでいたが、中学生になると友人関係が一気に広がるため、スマホの使い方も変わってくる。親子で話し合うべき論点は?

前編はこちら

LINEはそこまで重要なツールなのか問題

二瓶 子どもたちのスマホの使い方で驚いたのは、息子にスマホを譲るにあたって、それまでデータ通信専用だったのを音声通話可能なSIMに契約変更したんです。きっと友だちと電話番号も交換するよな、と思いまして。

 ところが、小学校の卒業式間近に友だちが遊びに来て、LINEの交換をしていたので、「電話番号は交換しないの?」と尋ねたら一様に「それはいい」って反応だったんです。

 もはや相手の電話番号は必要ないんですね。音声通話で話したりSMSを送り合ったりするよりも、とにかくLINEがベースになっていることに私はあらためて驚かされました。

 LINEなら文字チャットはもちろんですが音声通話もできますし、なんならショート動画を観る機能もある。しかもオープンチャット機能では不特定多数のユーザーと話すこともできてしまう。そういう使い方になるとやっぱりだんだん恐ろしくなります。

前編に引き続き、子どもを持つお二方にスマホと親子の関係についてうかがった。写真左:マカフィー 日本・アジア地域チャネルマーケティング本部長の青木大知氏、写真右:ITライターの二瓶朗氏

本当に怖いのは「友だちの親」だった!?

── オープンチャットには「中学生の恋バナルーム」みたいなものもあって、よろしくない大人が狙う場所になっていたりもするそうです。

二瓶 それもイヤですね……。

 あと、少し気になっているのは、たとえマカフィー セーフファミリーのようなペアレンタルコントロール機能を使って、子ども向けではないWebコンテンツを遮断していても、子どもはLINEマンガのような、ブラウザでアクセスするわけではないLINEアプリ内のコンテンツを楽しんでいるようなんですよね。LINEで何を見ているかまでは、セーフファミリーでは把握できない。

── スーパーアプリ化は親の不安を喚起しますよね。

LINEのコミュニティー機能「オープンチャット」では不特定多数と知り合えてしまうが……

青木 でも、子どもがたとえばLINEの中で何を見ているか、というところまで親が把握してしまっていいのかなとも思います。先ほど触れた、子どものプライバシーの話に戻ってしまいますが。

 海外だと、子ども同士のつながりに親が関与することで、悪いお父さんが自分の子以外の子どもに連絡しちゃう、というような問題が指摘されます。

 日本だと、子どもが心配だから親が管理して……という発想じゃないですか。でも海外は、まず大人の行動が心配だと。子どもたちのコミュニティーや連絡網を遮断すればいいというのではなく、それらに干渉しようとする大人、親を取り締まっていこうという動きのほうが強いようです。

 一方、日本では子どもが悪いものにアクセスできないように止めてしまえ、という発想のほうが強く、ギャップを感じます。

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