業務を変えるkintoneユーザー事例 第170回
2023年もいよいよkintone hiveスタート!
青森シャモロックの会社社長が「ママ、早く帰ってきてね」に応えるまで
2023年04月14日 09時00分更新
今年もkintoneユーザーのイベント「kintone hive」のシーズンがやってきた。2023年4月13日に仙台PITで開催された「kintone hive sendai 2023」のトップを飾ったのは、青森のブランド地鶏「青森シャモロック」を手がけるグローバルフィールド。前職からの業務改善魂を発揮し、kintone活用により、定時帰りできる会社、若手が集まる会社に成長させるまでのストーリーを語った。
快晴の仙台で今年のkintone hiveがスタート
コロナ禍で3年近く縮小開催を余儀なくされていたkintone hiveだが、今年はすべてリアル開催のみとなり、kintone hiveらしい生のよさが味わえそう。皮切りとなったkintone hive 仙台は、直前で申し込みを打ち切る人気ぶりとなった。当日は仙台も快晴となり、なんとも幸先よい。
冒頭、登壇したサイボウズ 東北営業グループの田澤宏尚氏は、kintoneとkintone hiveについて紹介した。
kintoneはドラッグ&ドロップで業務システムを作成できるクラウドサービスで、業務改善のみならずDXにも寄与しているとのこと。最新の導入社数は現在2万8000社を突破している。
kintone hiveは百社百様のkintoneの使い方を披露するイベント。今年も6箇所で開催され、地区代表は年末のCybozu Daysで登壇することになる。田澤氏は、kintone hiveを楽しむための3ステップとして、「活用ノウハウの『引き出し』を増やす」「「業務改善の『プロセス』からも学ぼう」「積極的に『学び』を共有しよう」などを挙げた。ざつだんブースも用意され、講演終了後の地域企画「おめほのキントーン」には過去の登壇者も参加するという。
「これじゃあ赤字になるわ」だった地鶏一筋の会社
トップバッターのグローバルフィールドは、代表取締役 保坂梨恵氏は、鶏の着ぐるみで登壇。それもそのはず、同社は青森県産地鶏である「青森シャモロック」の飼育、処理、加工、販売までを手がける食品製造業者だ。
グローバルフィールドは2024年で創業20周年を迎え、国内だけでなく、海外にも販路を拡大している。会社は青森県五戸町にあり、事務所、工場、農場の3部門で構成され、現在の従業員は18名。ちなみに青森シャモロックの食べ方としては、地元グルメとして知られるせんべい汁がオススメだという。
保坂氏の前職は、なんと原子力施設の技術職で、業務改善大好きのなんでも屋だった。当時は、業務改善提案でお小遣いを貯め、金曜日にお酒を飲むのが趣味だったという。そんな保坂氏がグローバルフィールドの代表となったのは、結婚相手の家業を継いだから。「離婚して、慰謝料代わりに会社を引き取った(笑)」というボケには、会場からは笑いが漏れた。プロフィールだけでも、ツッコミどころが満載過ぎる。
話は5年前、保坂氏が代表に就任したときにさかのぼる。名古屋コーチン、比内地鶏と並ぶブランドのある地鶏の販売と言うことで、さぞ儲かっている会社かと思って入社したら、実は赤字。土曜日の仕事は普通で、残業もあり、メンバーの平均年齢も高め。「金曜日に定時ダッシュで飲みに行くような人間にとっては、土曜日の仕事は耐えられなかった。でも、残業している割には、昼間はダラダラ仕事している感じ。これじゃあ赤字になるわと思いました」(保坂氏)。

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