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雨後のキノコの電気的な会話を測定、野外で初=東北大など

2023年03月29日 20時12分更新

文● MIT Technology Review Japan

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東北大学、長岡工業高等専門学校、京都大学の共同研究チームは、地上に生えているキノコに電極を設置し、野外での電位変化の測定に初めて成功。野外のキノコ間で方向性のある電気シグナル伝達が起こっている可能性を示唆した。

東北大学、長岡工業高等専門学校、京都大学の共同研究チームは、地上に生えているキノコに電極を設置し、野外での電位変化の測定に初めて成功。野外のキノコ間で方向性のある電気シグナル伝達が起こっている可能性を示唆した。 研究チームは、野外の森林の地上に発生した菌根菌「オオキツネタケ」のキノコ6個に電極を設置し、電位の変動を計測した。すると、キノコに電極を設置した直後はほとんど電位が計測されなかったが、降雨が始まってしばらくするとキノコの電位が大きく変動し始め、降雨後も電位活性は維持されることがわかった。さらに、時系列データに基づく因果解析をしたところ、電位の変動パターンにはキノコ間で有意な因果関係があることが確認され、距離的に近いキノコ同士ほど因果関係が強く、さらに、因果関係には方向性がある可能性が示唆された。 菌根菌は土壌中に菌糸のネットワークを張り巡らせ、植物の根と共生関係を築くことで森林生態系の維持に重要な役割を果たしている。今回の研究成果である、野外の菌類におけるシグナル伝達の理解は、森林における菌類の生態学的な役割の理解や制御に役立つと考えられる。研究論文は、菌類生態学の国際誌、ファンガル・エコロジー(Fungal Ecology)のオンライン版に2023年3月14日付けで公開された

(中條)

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