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週替わりギークス ― 第269回

プログラミング経験ゼロからモバイルRPAツールを開発、特許まで取得した破天荒エピソードを彼氏の先輩に聞いた-倶楽部情報局

2023年03月25日 18時00分更新

文● ASCII倶楽部編集部

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 本日は、ASCII倶楽部の人気記事「プログラミング経験ゼロからモバイルRPAツールを開発、特許まで取得した破天荒エピソードを彼氏の先輩に聞いた」を紹介します。


 メンヘラテクノロジーの高桑です。2022年の冬頃、彼氏から会ってもらいたい以前の職場の先輩がいると言われました。どんな先輩なのかと聞くと、すごく部下想いでどうやったらみんなが楽しく働けるかを常に考えていて尊敬していると言います。

 具体的に聞くと、「美味しい魚が食べたい!」とオフィスでマグロをさばいて振舞ったとか、部下のひとりに「今日うどんを打ってください」と指示して出来たてのうどんをおいしく食べたとか……破天荒さしかないエピソードが次々と。

 そんな部分にも興味をもちつつ、RPAツールを開発して特許を取り、特許をベースにプロダクト化するための相談を私にしたかったということで実際に会うことになりました。

 しかし、そのとき特許とれるレベルの開発ができるんだったらわざわざ私に相談しなくても……?と疑問に思いましたが、会う前にソースコードを共有してくれるというのでお願いしました。すると、メールの本文にベタ貼りでソースコードが送られてきて驚いたのを覚えています。よくよく聞くと、エンジニアではないけど独学でPythonを勉強し、特許をとったとのこと。

 飛躍しすぎでは……?などと混乱しながら、そこで聞いた特許を取得までの道のりのエピソードがまた破天荒で面白かったので、今回改めてインタビューをさせていただきました。

岡本 祐輝(おかもと ゆうき)さん

兵庫県尼崎市出身。大手通信会社金融機関向けDX推進部署所属。自称モバイルRPAの第一人者。

●特許について
スマートフォンのキッティング(電話帳の登録、アプリ、メールなどの事前設定)を自動で行うための「Assistive Touch方式」を用いた技術

▼特許情報(特開2022-111889)
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/PU/JP-2022-111889/C5E0D849F4E19147EAD5C5047FEE5BD4D360D70C9FE6CD73A2F6BD7335859F06/11/ja

▼RPAツールのデモ動画
iOS : https://youtu.be/jSwFKWSqveI
Android : https://youtu.be/QApLBf1zydo

プログラミング経験ゼロからWebアプリを作る

── これまではどんなキャリアを歩まれてきたんですか?

 大学を中退して、コンビニでバイトをしていました。22歳くらいのときに「そろそろちゃんと就職しないとまずいな」とは思いつつ、何もできていなかったんですが……ある日、コンビニの夜勤から家に帰ったら、おかんから「今日、就活の合同面接会があるから行っておいで」と言われました。

 頭フラフラで「今から行くんか?」と思いながら、とりあえず行くだけ行こうと思って、会場について、何も考えずに入口から一番近いブースの会社で面接を受けて、家に帰りました。そしたら数日後その会社が内定をくれて、そこがKDDIエボルバで、今のキャリアの始まりです。

── 入社後、RPAツールの開発をはじめようと思ったきっかけとかってあるんですか?

 KDDIエボルバはBPOサービスを提供していて、その中でコールセンターのマネジメントの仕事をしていました。BPO業務の特性上、効率化を求められることが多くて、でも「手を早く動かして!」といっても効果はほとんどない。システムを大きく変えるのは知識もスキルもないし難しい。

 そんな課題を感じ始めて、せめて自分の仕事の一部でも自動化できないかと思い、すべて手作業でやっていたコールセンターのシフト組みを自動化するツールを作ってみることにしたのが、エンジニアまがいの仕事をはじめたきっかけですね。

 もちろん、プログラミングの経験なんて一切なかったので、ネットで調べながら、JavaScriptとRubyScriptを混ぜてWebアプリみたいなものを作りました。当時、JavaScriptもRubyScriptもなんなのかほとんど理解せずに見よう見真似でしたが。

── ネットで調べて、見よう見真似でWebアプリが作れてしまうのはすごいですね。

黙ってスマホ2000台のキッティングを自動化し、上司に怪しまれる

── その後、特許を取得した技術を開発するまでの経緯も教えてください!

 コールセンター事業部からキッティング事業部に異動して、社内の人材育成プロジェクトに参加したときに開発したものが特許をとった技術のベースとなっていますね。その人材育成プロジェクトが「プレゼン力を身につける目的で、自分のやっている業務に対して、何か改善提案をするものをプレゼンしなさい」といったものでした。

 そこで前からやりたかった自動化みたいなことをやろう!と思って、提案内容を考えていたんですが、やはり自分のつたないプログラミングの知識では超えられない壁にぶちあたるようになりました。で、大阪の下町にはIT企業がいっぱいあるので、そういう企業に電話して、直接話を聞きに行ってみようと思いました。結果、24社くらい話を聞きましたね。

── 24社もですか……?!そんな簡単にいろいろ話してくれるものなんですか?

 KDDIを名乗ったら、どの会社も話聞いてくれましたね(笑)その後、人材育成プロジェクトが終わった後も24社との関わりの中でいろんなアイディアをもらって、実運用できるレベルまで作らないともったいないなと思うようになり、本格的に研究しはじめました。でも、はじめはなかなか周りに賛同してくれる人がいなくて、会社にも理解してもらえませんでしたね。

── どうやって理解を得ていったんですか?

 やっぱり実績が必要なんだろうなと思って、上司に黙って2000台分のキッティングを全部RPAツールを使ってやりました。そしたら、キッティングの作業時間が異常に短くて、上司から「本当にキッティングやったのか?!」と驚いて怪しまれました。そういうことを何度か繰り返して、実績を作っていったんですが、RPAツールの設定を間違えて、メールアドレスが1文字違う設定を何千台にもしてしまって焦ったこともありました(笑)。

── 上司の方がそんなに驚くほどインパクトが大きい効率化が可能になったんですね。

他社に特許を先に取られた悔しさから、特許を取得


 続きは「プログラミング経験ゼロからモバイルRPAツールを開発、特許まで取得した破天荒エピソードを彼氏の先輩に聞いた」でお楽しみください。

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