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鮮やかな色彩と高速応答を備える、ROG Swift OLED PG42UQをレビュー

究極の没入感でゲームが変わる、22万円の41.5型有機ELディスプレーがスゴイ

2023年03月18日 11時00分更新

文● ジサトラユージ/ASCII

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 近年は日本でもゲームをPCで遊ぶ人が増えてきた。FPSなどのいわゆるeスポーツと呼ばれるゲームタイトルを中心に人気が広がったわけだが、最新コンシューマーゲーム機が手に入りにくい世情もあって、RPGなど1人用のゲームをプレイする場合もPCで済ます、という人も増えている印象だ。

 ゲームを遊ぶとなると、プレイするタイトルにもよるがある程度高いスペックが要求される。特に、FPSで高フレームレートを出したいとか、AAA級の最新RPGで美しい情景を楽しみたいといったゲーム体験を求めるなら、相応のGPUを搭載したゲーミングPCが必要になってくる。

 しかし、いくらゲーミングPCを高性能にしたところで、映像を出力するディスプレーがそれに追いついていなければ意味がない。内部処理でどんな映像を描画できていようが、最終的にプレイヤーの目に映る映像がゲーム体験のすべてなのだ。

 今回は、そんなゲーム体験を向上させるうえで注目のディスプレー「ROG Swift OLED PG42UQ」(以下、PG42UQ)を紹介する。41.5型と大型で、OLEDのパネルを搭載した本機がいかにゲーム体験を変えてくれるのか、チェックしてみよう。

PG42UQの主なスペック
パネル 41.5型OLED(非光沢)
解像度
(アスペクト比)
3840×2160ドット(16:9)
表示色 約10億7370万色
最大輝度 450cd/m2
コントラスト比 13万5000:1(HDR OFF)、150万:1(HDR ON)
視野角 178度(水平)/178度(垂直)
リフレッシュレート 最大138Hz(オーバークロック時)
応答速度 0.1ms(GTG)
インターフェース HDMI 2.1×2、HDMI 2.0×2、DisplayPort 1.4、S/PDIF、3.5mmステレオミニジャックほか
スピーカー 10W×2(スピーカー)、15W(ウーファー)
チルト -5度~+5度
色域対応 DCI-P3:98%、sRGB:133%
サイズ(スタンドを含む)/重量 932.08(W)×255.4(D)×611.3(H)mm/約14.77kg
その他 G-SYNC Compatible、Adaptive-Sync、HDR 10、VESAマウント(300×300mm)
直販価格 22万1220円

圧巻のサイズとOLEDならではの鮮やかな映像

 まずはPG42UQの特徴を見ていこう。前述の通り、PG42UQは41.5型とかなり大型のサイズだ。一般的なPC用ディスプレーなら、24~32型程度のサイズを使用している人が多いだろう。それに対して、PG42UQはパッケージを見た瞬間「うおっ!」となるかなり迫力あるサイズだ。

 本体サイズは、スタンド込みで932.08(W)×255.4(D)×611.3(H)mm。横幅1m弱もあるとデスクによっては横にはみ出すだろう。ちなみに梱包サイズは1070(W)×870(D)×188(H)mm、総重量は20.07kgある。部屋に運び込んで組み立てるのは、成人男性でもなかなか苦労した。

 十分なスペースを用意した上で、可能なら2人くらいで協力して組み立てたほうが安全かもしれない。

PG42UQはスタンドにもそれなりの横幅が必要になる。置く際はデスクの横幅に注意

裏面はROGのロゴがデザインされている。左側のカバーの後ろに映像入力インターフェース、右側の側面に電源端子が配置されている。一応VESAマウントもあるが、300×300mmと一般的なディスプレーアームには大きい規格なので、どちらかというとサイネージなどのスタンド向けだ

 解像度は3840×2160ドット(4K)に対応している。大型のディスプレーになってくるほど解像度の影響が大きく、低解像度では映像が荒くなったり、ぼやけて見えたりといったことが起きる。しっかりと4Kの解像度を誇っているのはこのサイズのディスプレーでは重要だ。

 そして、なんといってもPG42UQの最大の特徴は、パネルにOLED(有機EL)を採用していることだ。一般的な液晶ディスプレーは、バックライトから発せられる光がカラーフィルターを透過することで、色のついた光が映像として出力される仕組み。バックライトとカラーフィルターの間にある液晶分子によって透過させる光を調節する。

 一方のOLEDは、バックライトを使わず、有機EL素子そのものが発光することで映像を表示させる。画素ごとに明るさの調整ができるため、メリハリのついた鮮やかな映像を表示できるのが強みと言える。

 例えば「黒」を表示する際、液晶ではどうしてもバックライトの光が少し漏れてしまい、やや白みがかった色になってしまいがちだが、OLEDの場合は完全に光を消すことができ、くっきりした黒を表現できる。ゲーミングディスプレーらしくゲームを遊ぶのはもちろん、映画を観る際などもより楽しめるだろう。

 また、OLEDはゲーミングにおいて重要な応答速度が高速なのも利点だ。ゲーミングディスプレーでも1ms程度の製品が多い中、PG42UQはなんと0.1ms(GTG)。応答速度は、動きの大きい場面でもブレのない映像を表示する上で重要になる。

 ちなみに、OLEDのディスプレーは表面加工がグレア(光沢)仕様のものが多いが、PG42UQはノングレア(非光沢)仕様だ。有機ELならではの色彩をより鮮やかに楽しめるグレア仕様もいいが、ゲーミングディスプレーとして使う場合、照明の反射などが視認性に影響する場合もある。

 さらにASUSでは、独自の「マットマイクロテクスチャコーティング」を施し、より映り込みを低減している。こういった点はゲーミングに強いROGシリーズならではと言える。

 リフレッシュレートは、標準で120Hz、設定でオーバークロックさせることにより138Hzまでサポートする。そのほか、ティアリングやスタッタリングを抑える「G-SYNC Compatible」をサポート。HDR機能については、「HDR10」をサポートしている。また、独自の輝度均一化機能によってピーク輝度を制限し、目の負担を軽減できるという。

スタンドの角度調整はほとんどできないが、チルトで上下5度ずつは調整できる。余談だが、OLEDは液晶よりパネルを薄くできる。横から見ると、本機のパネル部分も非常に薄いのが確認できる

こちらは付属のケーブル類。DisplayPortとUltra high speed HDMIを同梱しているほか、後述するUSB HUB機能用のUSBケーブルも付属。ケーブルをまとめるオリジナルポーチまでついた豪華な仕様

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