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2023年以降のセキュリティトレンドとその対策 第3回

【後編】2023年以降のセキュリティトレンドをマカフィー青木大知氏がズバリ解説

次世代のフィッシング詐欺は多段化&ChatGPTなどで高精度になる可能性あり

2023年02月06日 11時00分更新

文● せきゅラボ

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セキュリティトレンドを語る後編

連載「2023年以降のセキュリティトレンドとその対策

第1回:2023年は家族の個人情報を守れ! プライバシーはあなたがコントロールする時代へ

第2回:悪意ある人には「あなたの一番欲しいもの」がバレていると思え!

第3回:次世代のフィッシング詐欺は多段化&ChatGPTなどで高精度になる可能性あり

他人の個人情報を漏らすかもしれない自覚はあるか?

 マカフィー 日本・アジア地域チャネルマーケティング本部長の青木大知さんに「2023年以降のセキュリティトレンドとその対策」を解説いただく連載。最終回をお届けします(前編/中編)。

―― 前回の締めは、「国家や自治体が起こした事件は規模が大き過ぎてピンと来ないかもしれないけれど、そういった個人とは縁遠いケースを考えるときは、自分と近いレベルに落とし込むことで理解が容易になる」というお話でした。

青木 はい。そして今回は、みなさんが個人情報漏えいの加害者にならないために、もう1つ覚えておいて欲しいことから始めたいと思います。

 それは、「仲間内だからこのくらい大丈夫でしょ」という考え方がセキュリティを緩めてしまう、ということです。

 たとえば、「友人に誘われてゴルフコンペに参加したら、知らない人がたくさん混じっている総勢40~50人のLINEグループに入れられていた!」なんてこと、案外あり得ますよね。これって、セキュリティに気を配っている人なら心配になる状態です。ゴルフは4人一組で回るものですから、そのほかの数十人にまでLINEアカウントをさらけ出す必要はありませんよね。

 これも前編で申し上げた「コントロール」の範疇にあることです。ただし、使われないようにする側ではなく、ともすれば自分が他人の個人情報を漏らしてしまいかねない立場に置かれた場合に、「その自覚があるか否か?」が試されるわけです。

「これは有用なトレンドなのですが、自分の手元から個人情報が離れてしまった際、EUでは企業に自分の個人情報を消すよう要請できます。今後このトレンドが日本も含めた世界に広がっていくことはあるかもしれません」(青木氏)

―― 最近、お年を召した方々の間で「年賀状仕舞い」が流行っていますが、年賀状という連絡手段の代わりにLINEやFacebookでつながり始める人たちが結構いらっしゃると聞きます。これって、子どもの立場からすると、個人情報漏えいとそれに伴う詐欺対策などを新たに考える必要が出てくるので『ちょっと面倒なことになったなあ』なんて思ってしまいます。

青木 セキュリティ対策的には年賀状を続けてもらうのが一番安全かもしれません(笑) 年イチの交換のみで完結しているわけですからね。

―― そうなんです。SNSでつながってしまうと、誰かがアカウントを乗っ取られた場合の対処やフィッシング詐欺といったセキュリティ対策から、それこそ年イチの関係だからこそ避けられていた、カルトやねずみ講への勧誘などにも、一応警戒する必要が出てきます。

青木 縁を切るために引っ越した、なんて話も聞きますから悩ましいところです。こうした「アナログからデジタルに切り替えるか否か?」もコントロールの範疇ですね。

年賀状仕舞いしないほうが安全!?

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