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スキルアップや資格取得への近道、無償のオンライン講座「Microsoft Virtual Training Days」とは〔前編〕

AzureやDXの学びを効率的に始めるには? マイクロソフトの人に悩みを相談してみた

2023年01月23日 11時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp 写真● 曽根田元

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“門前の小僧”の悩み、「学びはどこから始めればいい?」

 いきなりで申し訳ないが、個人的な悩みを聞いてほしい。筆者はアスキー編集部に所属し、主にビジネス系のIT領域で技術記事を書いたり編集したりする立場の人間だ。

 「それなら『デジタル』とか『クラウド』とか、詳しいんでしょう?」と勘違いされることがある。たしかに多少の知識は日々の取材から得られるが、自信を持って「詳しい」とまでは言いがたい。開発者やシステム管理者といったITプロフェッショナルとは違って専門的なIT業務経験があるわけでもなく、体系的な学習もできていない。そんな状態で記事を書いているのだから、いわば「門前の小僧、習わぬ経を読む」である。

 最近はMicrosoft Azure関連の記事を扱うことが多いが、クラウドサービスの進化はとても速く、知識が追いついていないと実感することも増えた。いかん、これはいかんぞ……と焦る気持ちはあるのだが、どこから学びを始めればよいのかわからない。

思い悩む門前の小僧(もう48歳)

 同じような悩みを抱えている方は、実は多いのではないだろうか。ITプロフェッショナルの方でも、日々の業務が忙しければ、体系的な学びを進めるのはなかなか難しいだろう。また最近では企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進しており、非IT職の方も「デジタル」や「クラウド」について学ばなければならない。「リスキリング」という言葉もブームだ。――でも、どこから学びを始めればいいの?

 いくら考えてもわからないことは、詳しい人に聞くのが手っ取り早い。そこで筆者は日本マイクロソフト本社を訪れ、同社でエンジニアのスキリングを担当する高橋サラ氏にこの悩みを相談してみた。

日本マイクロソフト Azureビジネス本部 カスタマー&デベロッパーサクセス マーケティング部 シニアGTMマネージャーの高橋サラ氏。すいませーん、相談に乗ってください!

効率良く、スムーズにスキルアップするためのラーニングパス

 まずは、マイクロソフトが考える「ラーニングパス(学習経路)」の全体像について聞いてみた。読者の皆さんもそうだと思うが、日々の業務はなかなか忙しい。効率良くスムーズに学習を進めるためには、まず全体像を押さえておくのがよいと思ったからだ。

 高橋氏によると、マイクロソフトでは、開発者(デベロッパー)向け、システム管理者向け、専門エンジニア(AI、データベースなど)向け、一般ユーザー向けといった幅広いラーニングパスを用意している。この職務別(ロールベース)のラーニングパスに沿って学んでいくことで、系統立った効率的なスキルアップが期待できるわけだ。

 また、それぞれの製品/技術領域に対する認定資格も用意されている。資格を取得すれば、自分のスキルレベルを公式の評価に基づいてアピールすることができるので、自信にもつながるし、昇給や昇進、就職や転職にも役立つ。実際、同社の調査では認定資格取得によって「仕事のスキルや自信が向上した」人は67%、「仕事の満足度が向上した」人は41%、そして「給与または賃金が増えた」人は35%に及ぶという。

マイクロソフト調査による、認定資格取得の効果

 筆者のような初学者から始まり、上級スキルまで段階的にレベルアップしていけるようになっている点も特徴だ。

 「この図のように、Azureの場合は5つのロール(職務)に対応したラーニングパスを用意しています。まずは『ファンダメンタルズ(基礎)』から始まり、ロールベースの『アソシエイト(中級)』『エキスパート(上級)』という3段階でステップアップしていきます」(高橋氏)

Azureデベロッパーのラーニングパス

 ファンダメンタルズは、その分野についての前知識がない状態からでも学習が始められるレベルだ。一方で、アソシエイトレベル以上になると、ある程度の知識や実践的なスキルが必要になってくる。さらにエキスパート資格の一部では、あらかじめ特定のアソシエイト資格を取得していることが条件となっている。

 高橋氏は、ある程度の業務経験があるエンジニアや開発者であっても「まずはファンダメンタルズ(基礎)の資格取得から始め、段階的にステップアップしていくことをお勧めしています」と語る。各資格の取得には幅広い知識が必要なので、個人の業務経験から得られる知識やスキルだけでカバーできるとは限らない。所定のコースに沿って基礎からきっちりと積み上げていくのが、遠回りのようでいて効率的な方法のようだ。

「まずはファンダメンタルズから始めるのがオススメです」「ふむふむ」

 また、ファンダメンタルズからアソシエイト、エキスパートとステップアップしていく道のりは、筆者の想像以上にハイペースで進むようだ。ファンダメンタルズからスタートして、半年ほどで複数のアソシエイト資格取得まで進む受講者も珍しくはないという。

 「AZ-900(ファンダメンタルズ)資格を取得された方の6割ほどが、1~2カ月後には次のAZ-104(アソシエイト)のトレーニングを受講されて、さらに1カ月ほどで試験に合格されます。そして次の月には別のアソシエイトコースを受講する――。あくまでもペースの速い方の例ですが、積極的に次のステップに進もうという方は多い印象ですね」

2022年10月に開催したITエンジニア向けグローバルカンファレンス「Microsoft Ignite」の会場で、来場者が保有する資格にシールを貼ってもらったボード。やはりまずは基礎をしっかり固め、そこからより上級資格へのステップアップを目指す人が多いようだ

充実した学習リソースを提供、無償で学べるものも数多くある

 上述したAzureラーニングパスの場合、まずは「Azureの基礎(AZ-900)」の学習と資格取得が推奨されている。このコースにはクラウドやAzureに関する基礎知識が盛り込まれており、データベースエンジニア向けの「データの基礎(DP-900)」やAIエンジニア向けの「AIの基礎(AI-900)」を学ぶために必要な前提知識ともなる。

 「千里の道も一歩から」だ。筆者もまずはこのAZ-900の資格取得を目標としよう。

 では、具体的にどう学習を進めていけばよいのだろうか。ついさっき「千里の道」を覚悟したばかりだが、正直に言えばこちらも寄り道なしで、スムーズに進んだほうがうれしい。

 マイクロソフトでは、エンジニアやユーザーのスキル向上を支援することを目的に、ラーニングパスに合わせたさまざまな学習リソースを提供している。代表的なものとしては次のようなものがある。

 上級レベルになると、やはり有償のトレーニングを受けて深掘りして学ぶ必要があるかもしれない。だが筆者のような初学者は、まずは無償のリソースを使って学習を始めるのがよさそうだ。

 Azureに関連してわからないことをWeb検索すると、よくヒットするのが「Microsoft Learn」のコンテンツである。おそらく読者の皆さんも、一度は目にしたことがあるのではないだろうか。

充実した学習コンテンツが揃う「Microsoft Learn」

 Microsoft Learnでは、マイクロソフトの幅広いテクノロジーや製品について、細かい単元(「モジュール」)をテーマごとにまとめたコース(「ラーニングパス」)に沿って、オンラインで自学自習できる仕組みを提供している。

 Webコンテンツを読み進めていくだけでなく、実際にクラウドの試用環境(サンドボックス)で手を動かしながら学ぶ仕組みがあったり、学習を重ねるとポイント(XP)がたまってレベルアップするゲーミフィケーションの要素が盛り込まれていたりする。

 ただし、Microsoft Learnには膨大な数のラーニングパスとモジュールがある。自分の学ぶべきこと、学びたいことがはっきりしている場合はよいのだが、筆者のように「何から学べばよいのかわからない」レベルでは、どれから始めればよいのか迷ってしまいがちだ。

 ここで役立つのが、もうひとつの無償学習リソースである「Microsoft Virtual Training Days」である。高橋氏は「Virtual Training Daysは“ラーニングパスの入口”として役立つので、ぜひ受講していただきたいです」と、強くお勧めしてくれた。

 ……あのー、Virtual Training Daysって、何ですか?

“ラーニングパスの入口”として最適な「Virtual Training Days」

 Virtual Training Daysは、マイクロソフトが提供する無償のオンライン講座(ウェビナー)だ。ファンダメンタルズ、アソシエイトレベルを中心として30以上のトレーニングコースが用意されており、毎月そのうちの10コースほどが開講されている。もともとはAzure関連のコースが中心だったが、現在はDynamics 365、Microsoft 365(管理者向け)、セキュリティ、Power Platform関連のコースも提供されている。

「Microsoft Virtual Training Days」のWebサイト(https://www.microsoft.com/ja-jp/events/top/training-days/

 恥ずかしながら筆者は知らなかったのだが、実は受講者数もかなり多い。2021年7月からのおよそ1年半で、Azure関連コースだけでも国内6万人以上が受講している。無償でトレーニングが受けられることに加えて、全国どこにいてもオンラインで受講でき、しかも要点を短時間(半日×2日間、コースによっては1日間)でコンパクトに学べることが人気の理由だろう。

 特に近年では、開発者、エンジニア、IT管理者といったIT系の職種だけでなく、総務や人事、マーケティング、営業といった職種の受講者も増えているという。あらゆる業界の企業がDX推進や社員のリスキリングに取り組む中で、職種を問わず「デジタルテクノロジーについて学びたい」というニーズが拡大しているためだ。

 高橋氏は「ITプロフェッショナルから非IT職種の方、学生さんまで、どんな方でも大歓迎です」と笑顔で語る。

「……えーと、編集者が受講しても?」「もちろん歓迎です!」

 「講義そのものはトレーナーによるビデオ配信ですが、講義中はマイクロソフトのエキスパートが待機しており、わからない点をチャットで質問できる点もご好評いただいています。『Azureの基礎』の場合、毎回50件ほどの質問をいただきますね。講義の内容に対する質問だけでなく、Microsoft Learnで自習してわからなかった部分についてもなるべくご回答するようにしています」

Virtual Training Daysのさまざまなメリット。気軽に受講できるのがうれしい

 “ラーニングパスの入口”という高橋氏の言葉どおり、最初にVirtual Training Daysを受講することで、対象テーマの「学ぶべきこと」の全体像が把握できる。そうすれば、そのほかの学習リソースも活用しやすくなる。Virtual Training Daysの受講前後に、Microsoft Learnで予習と復習を行い、学びをしっかり深めたうえで認定試験に合格する――。そんなスキルアップの道のりが想定されているわけだ。

Microsoft Virtual Training DaysとMicrosoft Learn、資格試験を組み合わせることで、効率的なスキルアップが目指せる

 ちなみにファンダメンタルズの一部コース(AZ-900、DP-900、AI-900など)では、資格試験を受ける前の対策講座(オンデマンドウェビナー)も無償で提供されている。学んだ内容の要点を効率良く再確認するのによいだろう。

 またマイクロソフトの認定試験に合格すると、「LinkedIn」プロフィールに公式バッジを追加して、自身のスキルをアピールすることができる。スキル人材を探している企業の目に止まりやすくなるため、新しい職種へのチャレンジでキャリアアップを目指す人には特におすすめだ。

マイクロソフトではステッカー(物理)も作成してイベントなどで配布している。試験に合格できたらPCに貼りたいです……

* * *

 高橋氏から丁寧な説明を受けて、筆者も“効率の良い学び方”がイメージできてきた。お勧めされたとおり、まずはVirtual Training Daysでファンダメンタルズコースの受講からスタートしてみよう。――門前の小僧、さっそく「Azureの基礎」を受講します!

 「せっかくなので、アソシエイトレベルのコースも一緒に受講されたらどうですか? ファンダメンタルズとアソシエイトの違いもよくわかると思いますよ」

 ええっ、いきなり中級も……? 少し不安に思ったが、「無償で受講できるし、わからない部分があったらMicrosoft Learnで復習すればいいか」と前向きに考えて、現在人気が高いという次の2コースを受講することにした。受講後には資格試験も受けたい。

 ・ファンダメンタルズ:「Azure Fundamentals(Azureの基礎)」
 ・アソシエイト:「.NETアプリの最新化」

 Virtual Training Daysの講義は実際にはどんな感じなのか、Microsoft Learnと組み合わせてどう学習するのか、そして筆者は資格試験に無事合格できるのか……。筆者のリアルな受講体験レポートは、続く後編記事でお届けする。そちらもぜひご覧いただきたい。

(提供:日本マイクロソフト)

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