このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ 第277回

中国でEV販売数トップに君臨するBYDのSUV「ATTO 3」は斬新なアイデアが詰め込まれたSUV

2022年12月04日 12時00分更新

文● 鈴木ケンイチ 編集●ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 家電製品の世界で大きな存在感を放つ中国。その中国から電気のクルマ、EVが日本にやってきます。メーカーは「BYD」。すでにEVバスを日本で販売している中国のメーカーです。そのBYDが、2023年1月より乗用のEVを発売すると予告しました。今回は、日本で発売予定のEVに試乗する機会を得たので乗り心地などをレポートします。

BYD「ATTO 3」

BYDが3台のEVを日本導入すると発表

 BYDは、中国の深センにて1995年に創業したバッテリーやITエレクトロニクスの巨大メーカーです。バッテリー製造からスタートしたものの、幅広い製品を手掛けるようになり、今では自動車やバスなども生産するようになり、2021年にはNEV(中国の新エネルギー車カテゴリーで、EVやプライグインハイブリッドなどを指す)を約60万台販売。中国国内では9年連続でのNEV販売台数トップに君臨しています。

 そのBYDが、2023年1月から順次3モデルのEVを日本で販売すると発表しました。ミドルサイズのSUVである「ATTO 3(アット・スリー)」、コンパクトカーの「DOLPHIN(ドルフィン)」、スポーティーセダンの「SEAL(シール)」です。

 また、ただ発売するだけでなく、日本全国約100ヵ所に販売拠点を設置するというのもポイントです。現在は、神奈川県内にパーツセンターを用意しているとのこと。100を超える拠点となれば、小規模なインポーターと遜色ない数字です。その数を一気に揃えるというから驚くばかりです。

 今回は、そんなBYDがメディア向けに用意したオーストラリア仕様(右ハンドル)の「ATTO 3」を、数十分という短時間でしたが、横浜の街中で走らせることができました。

ミドルサイズのSUV「ATTO 3」

 ミッドサイズのSUV型EV「ATTO 3」。その寸法は全長4455×全幅1875×全高1615mm。サイズ感でいえば、日本車の日産「アリア」より若干短く、マツダ「CX-5」に近いというもの。EV専用プラットフォームの「e-Platform 3.0」を使って、58.56kWhのバッテリーを搭載します。

 バッテリーはBYD自身が開発し、2021年に発表したリン酸鉄リチウムイオン電池「ブレードバッテリー」を採用。BYDいわく「高い安全性が特徴で、大型の釘を突き刺しても発火せず、表面温度もほぼ変わらない」とか。車両重量1750㎏という軽量さも、この新型バッテリーが大きく貢献しています。

 搭載するモーターは最高出力150kW(約204PS)・最大トルク310Nmを1つ前軸に。つまり、駆動方式はFFモデルとなります。航続距離は約485km(WLTCモード)で、440リットルの荷室を備えています。

 ブレーキ系やADAS(先進運転支援システム)系には、欧米のサプライヤーの部品を使っており、タイヤもコンチネンタルのエコタイヤ「Eco Contact 6Q」(235/50R18)を装着していました。

新規参入社らしい斬新なアイデアを満載

 街中で見かける「ATTO 3」のエクステリアは、洗練されたもので、日本の街並みに自然に溶け込んでいます。なかなかスタイリッシュではないかと、思いました。インテリアの質感もなかなかのもの。デザインが日本車や欧米のクルマとは、また違った個性がありますが、けっして安っぽいものではありません。

 運転席の前のメーターとセンターコンソールは、まったく別のパネルです。びっくりしたのはセンターコンソールがスイッチ一つで、横型から縦型へ回転します。まるでタブレットのようですが、好みで選べるようになっているのです。また、パーキングブレーキは、シフトチェンジと連動する自動操作になっており、運転手が操作するボタン類がありません。テスラほど極端ではありませんが、日本車や欧米のクルマとは違った新しい試みがあります。

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

ASCII.jpメール アキバマガジン

クルマ情報byASCII

ピックアップ