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ZEB化推進に係る連携協定を締結:

パナソニック、大阪府の脱炭素化を応援しまっせ

2022年09月26日 16時00分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita) 編集● ASCII.jp

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 パナソニックグループで電気設備を手がけるパナソニック エレクトリックワークス社は9月26日、省エネ建築「ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)」推進に係る大阪府との連携協定締結を発表。2050年に府域内CO2排出量実質ゼロを目指す府とともに、府保有施設のZEB化の可能性調査などの取り組みを進めます。

ZEB化を進めてきた大阪府とパナソニック

 ZEBとは建物のエネルギー収支をゼロにすること。脱炭素化社会実現に向けた目標のひとつで、施設の省エネ化を進めるとともに太陽光などの再生可能エネルギーを使うことで目標達成をめざします。

 大阪府では2021年3月に大阪府地球温暖化対策実行計画を策定し、府域施設のZEB化に向けた取り組みを進めてきました。

 今年7月には府庁におおさかカーボンニュートラル推進本部を設置。脱炭素ビジネス、行動変容・再エネ促進、率先取組の3施策を柱として、新技術実装WG、脱炭素経営WG、行動変容WGなどのワーキンググループを設置しています。

 大阪府が排出する温室効果ガスのうち約4割が学校や警察署など府有施設利用によるものということで、建て替えなどによるZEB化を推進する方針。府が率先して行動することで府民や事業者の意識・行動を変えたいとします。

 一方、パナソニック エレクトリックワークス社は2019年、施主のZEB化を支援する法人「ZEBプランナー」に登録。33件のZEB化支援をしてきました。

 同社の強みは自社製の外装や設備を提案できること。メンテナンスを担う地元の電気工事会社とのつながりも深く、エネルギーマネジメントシステム(EMS)で省エネ性能が保たれているか継続的に確認することもできます。

目標は調査件数100件、受注金額30億円

 今回パナソニック エレクトリックワークス社が大阪府において進めるのは、可能性調査、手法の検討、そして認知度向上という3つの取り組みです。

  1. ZEB化の可能性調査
  2. ZEB化の手法の検討
  3. ZEB化の認知度向上および理解促進

 可能性調査は既存の建物がZEB化ができるかを図面レベルで調査するもので、2023年度に3件程度から開始予定。具体的な施設や時期については、これから大阪府とパナソニック エレクトリックワークス社で相談します。

 手法の検討は、交付金や補助金などを含めた全体の導入計画を検討するもの。導入にあたってはいわゆる官民連携(PPP)に加え、民間主導による公共サービスの提供(PFI)などの手法を含めて検討するということ。

 公共施設改修ということで気になるのはコストですが、同社によれば大がかりな改修でなく老朽化した照明や換気、空調を更新するだけでZEB化できるケースもあるといい、改修内容と改修経費の両面を検討することになります。

 認知度向上は、大阪府と同社が連携して市町村単位のセミナーなどを開催するなどしてZEBの認知を広げるもの。パナソニック エレクトリックワークス社が実際にZEB化した建物の見学会も検討しているそうです。

 パナソニック エレクトリックワークス社では、近畿地区の既存建物のZEB化可能性調査100件、受注金額30億円を今後の目標に掲げます。時期的には2023年度に府内、2027年度には府外のZEB化を進める計画です。

大阪発でZEB化の好事例を作れるか

 今回の連携は、ZEB化に向けた取り組みの認知度を高めることが大きな目的。特にZEB化の可能性調査といった行為自体がまだ知られていないこともあって、全国に先駆けて取り組むこと自体に意味があると言えそうです。

 自然災害の激甚化など、気候変動対策は地域社会にとって待ったなしの重要課題。レジリエンス強化を含め、脱炭素化社会実現に向けた様々な取り組みが注目を集める中、大阪からZEB化の好事例を作れるでしょうか。

   

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