シニアに大好評のスマホ訪問レッスン「らくらくコンシェルジュ」を知っているかい?

文●スピーディー末岡 編集●ASCII

2022年08月15日 11時00分

スマホが訪問レッスンで学べる!
シニア向けサービス「らくらくコンシェルジュ」

 arrowsシリーズやらくらくスマートフォンシリーズでおなじみのFCNTが提供しているにサービス「らくらくコンシェルジュ」がある。これはシニア向けの訪問レッスンで、希望する人にスマートフォンの専門スタッフが出向いて、あらゆる疑問や困りごとを解決するというサービス。特徴としては6月17日から訪問エリアが全国47都道府県に拡大され、FCNT製のスマホを使っていなくてもOKという間口の広さだ。

らくらくコンシェルジュ、レッスン中の様子

 レッスンは最大60分で、レッスン料金は1回につき1万3200円(税込)。時間帯は10時から19時までの間で年末年始(12/31~1/3)以外は年中無休。好きな時間に、自宅(それ以外は応相談)に講師に来てもらって直接疑問点などを聞くことができる。なお、1回の料金で最大3人まで受講できるので、ご夫婦やその家族で受講する方も多いとのこと。対象機種はスマホ以外にタブレットもOKなので、AndroidタブレットやiPadに関することも学べる。

 今回は講師のひとりであるFCNT 営業本部 プロモーション&サービス統括営業部サービス営業部 マネージャーの阿子嶋 涼氏に実際どんなことを教えているのか、そして受講者の方にも受けてみての感想などを聞いた。

 「らくらくコンシェルジュはお客様が知りたいことなどを事前に聞いてからメニューを考えますので、毎回やることは違います。○○教室みたいに、あらかじめ決められたカリキュラムを学んでいくのではありません。当日聞きます、という人もいますし臨機応変に対応します」と阿子嶋氏。お客様からの質問や要望を元にメニューを決めるが、端末名だけは最初の受付の段階で聞くようにしているという。「みなさん、使っているスマホはバラバラですし、他メーカーのスマホについても覚えないといけないので」とのことだ。

講師の阿子嶋氏とレッスンを受けるシニアの方々

 らくらくコンシェルジュを利用する人の傾向についても聞いた。「年代的には70~80代の方がメインですね。最高齢で90代前半の方がいましたね。男女比で言うと女性率が高いです。おひとりやご夫婦で受講される方が非常に多いです。子供や孫が別のところに住んでいて、まわりに聞ける人がいなかったり」。受講者の中には、子供や孫などにスマホにしてもらったものの、使い方がわからないという人が多く、とくにLINEに関する質問が多いという。「ご家族との連絡用にとLINEをインストールしてもらったはいいけど、やり方がわからないという方がとても多いです。友達の追加方法やQRコードの表示の仕方、そもそもトークの返事の仕方がわからないとか。だから読むだけでずっと放置してるって人もいました(笑)」。

 なお、キャリアの3G停波を聞いて、慌てて買い替えた人もいるらしく「フィーチャーフォンからスマホに変えたはいいけど……という方もいらっしゃいます」。スマホ購入の際の機種選びも「iPhoneの方は少ないですね。ほとんどAndroidを選ばれているようです」と、若い世代とは真逆の結果に。

 また、LINEは多いが各種SNSについてはほぼないようだ。「やっぱり抵抗があるのか、TwitterやFacebook、Instagramなどはやっている人はほとんどいないので、質問もありませんね。むしろネットスーパーの登録方法を聞かれることがあります。外に買い物に出かけると、持って帰ってくるのが大変なので、ネットで買い物って方が増えた印象があります」。コロナ禍もあって、外出に抵抗がある人でもオンラインショッピングなら安心だ。重たい荷物を持たずに済むメリットもある。

 レッスンの内容についても聞いた。60分という時間でどのようなことを教えてもらえるのか? 阿子嶋氏は「60分のうち、どのような配分で教えるかはお客様の希望で決めます。たとえば、先日のお客様だと60分間みっちりと“+メッセージ”だけ教えました。お客様によっては50分間くらいおしゃべりをする方もいますね。あと、メモに聞きたいことをたくさん書いてきて、ひとつひとつ解決していく方も。最近はBluetoothのイヤホンを買ったのでペアリングしたいという要望も多いです」と教えてくれた。

 このように受講者ひとりひとりに合わせたレッスンを行なっている、らくらくコンシェルジュ。レッスンのオーダーメイドといえるこのサービスは、阿子嶋氏によると「お客様の知りたいことに対して我々が個々に対応していくというのは、意外とほかではやってないサービスだと思います。FCNT製のスマホじゃなくても誰でも参加できて、スマホやタブレットのことを自分のペースで学べる。それこそが、らくらくコンシェルジュの目指すところなんです」とのこと。また、「前回教えたことができるようになっていると、教えている側としてもやり甲斐を感じますね」と、講師の視点での魅力も語ってくれた。

 そんならくらくコンシェルジュはリピーター率は約5割ほどだという。一度受けた人の半分が再度受けてみようとなるほど、満足度の高いサービスなのだ。

らくらくコンシェルジュ サービス概要

・訪問地域:日本全国(沖縄本島以外の離島を除く)
・時間帯:午前10:00~午後7:00(年末年始(12/31~1/3)除く)
・レッスン時間:60分/回
・レッスン料金:1万3200円(税込)/回 ※最⼤3名まで同時受講可能(同料⾦)
・対象機種:スマートフォン、タブレット(メーカー問わず)
・申し込み方法:電話→03-3570-7685(午前10:00~午後8:00)
ウェブサイト→https://www.fmworld.net/product/phone/rakucon/

受講者の生の声を聞く
毎回発見があるから7回もリピート

 ここからは実際にらくらくコンシェルジュのレッスンを7回も受けているというヘビーユーザー、ご夫婦のAさんとBさん、そしてBさんの妹のCさんの3人にお話を聞いた。

奥側からAさん、Bさん、Cさん

──まず、どうしてらくらくコンシェルジュを利用してみようと思ったのでしょうか?

Cさん そもそも姉(Bさん)が「まわりがスマホに変えてるから私たちもスマホにしよう」って言い出したんです。たしかにガラケーもなくなるって言われてたし、せっかくなんでみんなで一緒に変更したんですが……。

Bさん ガラケー一筋だったので、スマホの知識なんかまったくない。機種を選ぶときも「機能がいっぱいあるやつ」で選んだので、宝の持ち腐れでしたね。で、そのとき買ったドコモショップのスマホ教室に1~2回通ったんですけど、コロナで行けなくなっちゃって。そんなときにココ(高齢者マンション)で、訪問レッスンがあると聞きまして。

Aさん それで、じゃあみんなで参加してみようかってなって、1回申し込んだんですね。

──そして気がつけば7回も利用しているわけですね。リピートの理由はどのあたりでしょうか?

Aさん まず教え方がいいですね。でも以前教えてもらった内容を忘れてしまってまた同じことを聞いてしまったりと、もう終わりがないような感じです(笑)。

Cさん 機械に強い方はご自身でできると思いますけど、私たちみたいな後期高齢者ともなると、教えてもらわないとなかなか難しいですね。せっかく受講するんだからある程度は使いこなしたいと思って。詳しい方が教えてくれるので安心ですね。

Bさん わからないことをその場で解決できるのがいいですよね。おかげで今はアプリを使ったり、検索したり、簡単なゲームも遊べるようになりました。

──ゲームですか。たとえばどんなゲームでしょうか?

Aさん 私はフリーセルとかカードゲームですね。さっと遊べてボケ防止にもいいので、ヒマがあると遊んでしまいます。あとは間違い探しとか塗り絵とか将棋とか。若い人が遊ぶようなゲームはしないです。

Bさん ほんとそればっかりやってるよね。

──最近はシニア向けのeスポーツとかもあるのでぜひ! さて、スマートフォンってどの辺が難しいと思いますか?

Cさん 詳しい説明書がないので、まず使い方がわからない。タッチといってもいろんな操作方法があって。長押しとか難しいですよ。あと、スマホがいろいろ聞いてくるじゃないですか。これでいいですか? とか、送るけど本当にいいですか、こちらにしますか、みたいな。いきなり表示されると判断に困りますね。

Bさん いろんなマーク(アイコン)があるじゃないですか。あれ、教えてもらわないとどれがどこにあるってわかりにくくて……。

──それではスマホにしてよかったことはありますか?

Bさん やっぱりカメラが綺麗なことですね。以前はデジカメ(コンデジ)を使ってましたけど、もうほとんど使わなくなりました。容量が大きいから、たくさん撮れるのもいいですよね。

Cさん 料理とか、景色とか、姉の晴れ着姿なんかも撮りましたね。写真の送り方なんか、まさに今日教えてもらいました。+メッセージってアプリを使って送る方法です。スマホは天気やニュースが確認しやすいですね。テレビだと見逃しちゃうとわからないけど、スマホだと検索すればいいし。そういう意味では、一番検索を使ってます。

──よく使うアプリとかありますか?

Aさん ニュース系のアプリがいくつか。これも講師の方に入れてもらいました。新聞系のニュースはやっぱり毎日チェックしたい。ほかには地図とか乗り換えアプリとか。

Cさん 地図(Googleマップ)はいいですね。実際にその場がみられる地図(Googleストリートビュー)で昔住んでたところを見て懐かしくなってしまいました。

Bさん 最近、あまり外に出られないでしょう? だからお買い物系アプリ(Amazonなど)は使いますね。

──TwitterやFaceBookなどのSNS系はいかがですか?

Cさん ちょっと怖いので手を出してないですね。今後もやることはないと思います。

Bさん プライベートでもなんでも、思ったことをそのままネットに書くというのは、抵抗ありますねえ。逆にみなさん、すごいなあって。

──それでは最後の質問です。らくらくコンシェルジュで、今後どのようなことを学んでみたいですか?

Aさん 当たり前のことをしっかり覚えたいですね。操作でもアプリでも。

Bさん 使っていくうちにわからないことが出てくるので、それを解決できるように。先生がしっかり教えてくれるので、毎回聞いちゃうんですけど(笑)。

Cさん 毎回新しいことを教えていただいて、その都度「そうかこういうこともできるんだ」ってわかるので、まだまだ続けていろんな機能を覚えたいと思います。

──ありがとうございました!

★★★

 みなさん、80歳を過ぎているが活き活きとスマホについて語っている姿は、若い人もシニアも関係なくガジェオタなんだと思わされた。圧倒的にシニアはガラケー(フィーチャーフォン)率が高いが、FCNTからはシニア層向けの「らくらくスマートフォン」も出ているし、スマホへの移行が増えているとのこと。今回取材を受けてくださった方々は声を揃えて「やっぱりスマホはすごいなと。無理してでも変えて良かったと思ってます」とコメントしていた。

 いわゆるケータイとスマホは操作体系などが大きく違うので、長くケータイに親しんでいればいるほど、乗り換えに躊躇し、乗り換えたあともどう使っていいかわからないという状況に陥りがちだ。そんなときに頼れるのがらくらくコンシェルジュである。この記事を読んでいる読者の方には必要ないかもしれないが、ご両親や祖父母の方たちにスマホ移行を勧めているなら、このサービスもセットで勧めるといいだろう。親元を離れて暮らしているなら、このご時世、なかなか帰りずらいし、電話だけでは自分が教えても理解されづらい。だが、らくらくコンシェルジュなら自宅まで講師が来てくれて、マンツーマンで1時間みっちりレッスンしてくれるのだ。きっとスマホの使い方を身につけ、ビデオ通話やLINEなどに誘ってくることだろう。

 最後に講師の阿子嶋氏に疑問をぶつけてみた。らくらくコンシェルジュはFCNT以外のスマホでもOKだが、どうせならFCNTの製品を使ってもらいたいですよね? 「もちろんこのレッスンをきっかけにFCNTの製品を購入してもらえるといいですね。ですが、コンシェルジュを名乗る以上はウチだけというわけにはいきませんから」と応えてくれた。

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