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あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ 第239回

7人乗りのSUV「マツダ CX-8」で実際に車中泊してわかったメリットとデメリット

2022年07月31日 12時00分更新

文● 栗原祥光(@yosh_kurihara) 編集●ASCII

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MAZDA CX-8 25S Smart Edition(写真・取材車はオプション込みで332万9700円)

 以前、VEZELで車中泊をしてみた不肖。寝れなくはないのですが「もうちょっと広い方が」と思ったのも事実。ということで「車中泊ができるSUV」を探してみることに。そして見つけました。その名はマツダCX-8。ということで実際に寝てみました。晩秋の福島県の山奥、氷点下の中で……。今は真夏ですが、いずれにせよ車中泊の際には車内の温度に注意してください。

7人乗り仕様で車内が広いCX-8

MAZDA CX-8 25S Smart Edition

 現在13車種をラインアップするマツダ。そのうちSUVは、なんと半分近い6車種! その中でCX-8は最も大型のモデルになります。そんなCX-8には6人乗りと7人乗りの2モデルが用意されているのですが、車中泊できるのは7人乗り仕様になります。というのも6人乗り仕様は2列目シートが豪華なのですが、それゆえ背もたれがフラットになるほど倒れない模様。ですが7人乗りはフラットになるほか、中央に隙間ができません。

マツダが販売するベッド・クッション(2枚8万1400円、1枚4万700円)

ベッド・クッションを取り出したところ

床面に敷けば完成

 さらにマツダからはベッド・クッション(2枚8万1400円、1枚4万700円)が用意されているのもポイント。これを使えば車中泊できる、というわけです。ここまでは調べ上げたので、実際にクルマを借りて検証してみましょう。

 CX-8にはクリーンディーゼルとガソリンという2種類のエンジン仕様と、FFとAWDというこれまた2種類の駆動方式から選択できます。その中で今回お借りした「CX-8 25S Smart Edition」は、ガソリン仕様のベースグレードに少し豪華な装備を追加した特別仕様車。ベースグレードとはいえ、マツダのフラグシップSUVですから高いのでは? とドキドキしながら価格表を見ると……。

今回取材する車両のプライスリスト

 車両本体価格に塗装代やメーカーオプション込みで332万9700円(税込)というから驚き! ちなみに今回お借りしたのはFF仕様車になりまして、AWDを選択すると約25万円アップとなります。それでも安いわけで、このクルマを売って儲けがあるのか? と心配になります。

 サイズは全長4900×全幅1840×全高1730mm。ざっくり言えば、トヨタのランドクルーザーやレクサスRX、三菱のアウトランダーPHEVあたりと同じ大きさで、実に立派な車格。ちょっと車庫入れとかに苦労するかなと思ったのですが、最小回転半径は5.8mと意外と小回りが利く印象。何よりアイポイントが高いので見晴らしがよく運転しやすかったりします。

実際はもっと荷物が多いのですが、お見せできる状況ではなく……。とりあえずこんな感じで荷物を載せていきます

 さて、クルマに機材を詰め込むわけですが、ここで問題になるのが「3列目を倒さないとモノが載らない」ということ。普段の取材機材(ほとんどカメラ)を載せようとすると、ベッド・クッションが邪魔になるのです。ということで、問答無用で3列目シートは折りたたみフルフラットに。こうすれば大容量スペースが確保できるのですが、その一方で「だったら3列目シートってイラナイのでは?」と思ったりも。事実ミニバンと違って乗降しづらいですし。でも「大人数での移動は年に数回なのに、ミニバンは……」という人にはよい選択肢なのでしょう。

佐野SA(下り線)でひと休み

 今回は東京から東北道で北上すること約300km、福島県二本松市で昨年11月下旬に行われたD1グランプリの取材用に2泊3日で利用しました。道中のほとんどは高速走行になるのですが、車内は想像以上に静粛で驚きます。乗り心地はというと、思ったより硬いというか跳ねる印象。おそらく設定している乗車人数に対して、乗っているのが1人であったり、のんびり走っているというのもあるのでしょうが、道路のつなぎ目でショックがちょっと残る印象。具体的にはバネレートが高くて減衰力が弱いといえば伝わりますでしょうか。

 高速道路での巡航といえばクルーズコントロール。CX-8には車間監視付きのアダプティブクルーズコントロールが搭載されているのでラクラク。できれば車線監視機能をつけてもらえるとなおうれしいのですが、それは次モデルからになるのでしょう。

走行している様子ということで、エビスサーキットで撮影

 サーキットという場所は往々にして山の中にあり、エビスサーキットも例外ではありません。というわけで登坂するのですが、非力とは言わないまでも、2.5リットル直列4気筒エンジンは結構うなりをあげます。ですからワインディングでもSUVの「S」であるスポーツの気分にはなれず、ゆったりのんびり。約1.8トンの巨体に対して、最高出力190馬力/最大トルク25.7kgf・mは足りないのは致し方ないのかもしれません。逆に高速道路で感じた跳ねる印象は、ここでは感じることはなく、むしろコーナーでのロール量が少なくてイイと思った次第。足って難しいなぁと思いながら登坂しました。

D1GPの様子

 会場に到着すると、紅葉も終わりかけて山々は物悲しい雰囲気。つまり日中でも寒いのです。さらに夜になると一気に気温が氷点下近くまで下がるという現地の方の話を聞いて、2泊3日の車中泊生活に不安がよぎります。

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