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“as-a-Serviceカンパニー”への変革、パートナー戦略、サステナビリティ、競合企業まで語る

「将来、HPEの製品はすべて『GreenLake』に集約される」ネリCEO

2022年07月06日 07時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 2018年にHewlett Packard Enterprise(HPE)のCEOに就任して以来、“as-a-Serviceカンパニー”への変革を進めてきたのがアントニオ・ネリ氏だ。6月末に米ラスベガスで開催した「HPE Discover 2022」では、コロナ禍前(2019年)に宣言した「2022年までにすべての製品をas-a-Serviceとして提供する」という約束を果たしたと発表。そのNeri氏がDiscover会場で、各国プレスの質問に答えた。

Hewlett Packard Enterprise(HPE)プレジデント兼CEOのアントニオ・ネリ(Antonio Neri)氏

――「HPE GreenLake」の経過はどうか。現在の市場でのポジションをどうみているか?

ネリ氏:HPE GreenLakeはEdge-to-cloudプラットフォームであり、as-a-Serviceへの変革の要となる製品だ。

 顧客も我々の戦略を支持しており、HPE DiscoverではThe Home Depot、BMW、アメリカ国家安全保障局(NSA)などの顧客を紹介した。顧客の数は6万5000社、12万人が何らかのサービスを使うためにHPE GreenLakeにアクセスしている。

 データのクラウド移行ができないという“データグラビティ”問題がよく取り沙汰されるが、HPE GreenLakeが管理するデータは、HPCサービスを除いてもエクサバイト(EB)級に達している。3年前は400ペタバイト程度だったことを考えると、HPE GreenLakeの利用が増えてデータが急増していることがわかるだろう。

 HPEがGreenLakeブランドで提供するサービスは70を超えており、今回のHPE Discoverでも新たに、プライベートクラウドサービス「HPE GreenLake for Private Cloud」、分散したデータを結びつけるデータファブリック「HPE GreenLake for Data Fabric」などを発表した。中でも、Private Cloudは自社でクラウドを構築できるもので、エッジ、コロケーションも対象にできる。

 市場でのポジションについて言うと、この(すべてをas-a-Serviceとして提供するという)カテゴリは我々が新たに切り開いたものだ。主要な調査会社は今年後半にそれぞれのカテゴリ名でレポートを出すようだが、我々はリーダーだと自負している。

――HPE GreenLakeにおけるパートナー戦略は? HPEの変革にパートナーは追随できているのか?

ネリ氏:HPE GreenLakeの重要な特徴の1つが「オープン性」だ。我々はAPIを公開しており、パートナーはHPE GreenLake上の価値を加えることができる。また、パートナープログラムの「HPE Partner Ready」を用意しており、これを拡張している。マネージドサービスプロバイダとして、HPE GreenLakeプラットフォーム上に自社のマネージドサービスを載せることもできる。

 支援の一部として新しい機能についてパートナーに説明しており、パートナーはどこに付加価値をつけるのかを柔軟に選ぶことができる。ここは、HPE GreenLakeの需要な差別化ポイントになっている。

 我々のビジネスの70%がパートナー経由であり、アジアだけに絞り込むとこの比率は90%程度まで高まる。HPE GreenLakeは過去3四半期連続で前年度比100%以上の成長となったが、パートナーはそれを上回る150%以上で成長している。

――ベンダー各社が「サステナビリティ」に力を入れている。HPEの取り組みは?

ネリ氏:GreenLakeのas-a-Serviceという特性により、リソースの無駄を省くことができる。顧客の中には、サステナビリティを最大の目的としてHPE GreenLakeを選ぶ企業も出てきており、ある米国企業は(GreenLakeを通じて)30%以上のCO2排出量削減に成功した。

 HPE自身は2050年にネットゼロという達成目標を掲げているが、これを10年前倒しして2040年を目指している。CO2排出の多くが顧客のもとに渡った製品からであり、HPE GreenLakeを通じて顧客がCO2排出量などのサステナビリティの指標を得やすくしていく。

 最新の「HPE ProLiant RL300 Gen11」サーバーは消費電力効率も重要な特徴で、このようなハードウェア側での省電力化やリサイクルなどの取り組みももちろん継続している。

Ampere製のArmベースプロセッサを搭載した高密度サーバー「ProLiant RL300 Gen11」

――「2022年までにas-a-Service企業になるという目標を達成した」と言うが、社内の変革はどのように進めているのか?

ネリ氏:HPEはプラットフォーム企業となった。つまり、インフラ、ソフトウェア、サービスなどをサービスとして顧客に提供する企業だ。

 将来的に我々の製品はHPE GreenLakeにすべて集約され、ここからコンピュート、ストレージ、ネットワーク、ソフトウェアなどを提供することになる。

 これが意味することは、ソフトウェアとサービスの人材が必要になるということだ。この1年半を見ても、HPEは大きな進化を遂げた。HPE Discoverで見せていることの多くはソフトウェアであり、企業の中で有機的に開発を進めてきた。

 テクニカルな面よりも、カルチャー面の方が変革は難しい。社内の変革は長期的な取り組みの一部として進めている。

――以前、あなたは「競合はAWS(=パブリッククラウド)だ」と語っていた。現在、競合はどこだと考える?

ネリ氏:パブリッククラウドベンダーとは競合と提携の関係にある。HPE Discoverでは、AWS向けのバックアップ/リカバリサービスを発表した。Microsoft Azure、Google Cloudともそれぞれ提携してソリューションを開発している。

 顧客が望んでいるのはハイブリッドな体験である。パブリッククラウドA、パブリッククラウドBとそれぞれ契約しても、AとBの間の連携はできない。HPEは複数のクラウドからエッジまで「真のハイブリッド体験」を提供する。

 オンプレミスの既存のハードウェアベンダーは、as-a-Serviceという点では大きく進展していないように見える。

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