このページの本文へ

KDDIの通信障害はほぼ回復も状態監視をしっかり行なって、全面的な復旧の判断を予定

2022年07月04日 22時00分更新

文● ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 KDDIは2日未明から発生した障害について、4日夜に技術担当役員が回復に向けた進捗を説明した。

3日にわたる長時間で大規模な通信障害
ようやく「ほぼ回復」で現在は状態を監視中

 今回の障害は、日常的なメンテナンスの一環として、古いルーターを新しいものに交換したことに起因している。その際にトラフィックのルート変更を実施した結果、一部の音声通話が不通となり、変更の切り戻しを実施するも、その後のアクセス集中でVoLTE交換機に輻輳が発生した(VoLTEでは通話はしていなくても、50分に1回ネットワークへの登録が必要とのこと)。

 そこでVoLTE交換機への負荷低減をすべく、信号接続要求の流量制御を実施。これにより、データ通信/音声ともに使いづらい状態となった。また、VoLTE交換機がうまく動作しない状況になったため、VoLTE交換機との間で通信を行なう加入者データベースにも輻輳が発生。VoLTE交換機とのデータ不一致という問題も生じ、この問題を解決する作業が進められた。

 これらの復旧作業が完了したのは3日夕方頃だが、実際にはこれで問題が解決せず、加入者データベースの負荷が高い状態が続いた。その原因を探った結果、VoLTE交換機から過剰なアクセスが発生したことがわかったため、今日4日12時18分~13時18分にかけて、過剰な信号を送出していた18台中6台のVoLTE交換機をネットワークから切り離したところ、負荷が障害以前のレベルに低減。14時51分に流量制御を解除。音声通話/SMS/データ通信のいずれも「ほぼ回復」という状態に戻ったとする。

 なお、「全面的な復旧」といった形で表現していないのは、M2M機器などを含めた通信状況の把握や状態監視をしっかり行なっているため。あらためて正常であることを確認したうえで、最終的な復旧の判断をしたいとしている。また、スマートフォンなどでいまだ通話やデータ通信が利用しづらい場合は、端末の電源のオンオフの操作を試すよう案内している。

 今回の障害の原因や今後の対策、またユーザーへの補償などについては、完全な復旧後にあらためて説明予定としている。また質疑応答では、障害が長期化した要因として、ユーザーが通信や通話ができるか試行したことが影響したのかという問いに対しては、現在の端末には、一定間隔で自動的に再接続を要求するといった仕組みがあったことが要因としては支配的であり、ユーザーの操作による復旧の遅れはなかったと考えられると回答した。

 

■関連サイト

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン