仕事やエンターテインメントなどの用途に最適

AKRacing初となる27型の4K有機ELディスプレー、どんな人が買うべき?

文● 貝塚/ASCII

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AKRacing「OL2701」

“あの”AKRacingから、PC用ディスプレー「OL2701」が登場!

 エルゴノミクスに基づいた、上質なゲーミングチェアを多数リリースするAKRacingから、27型のPCディスプレー「OL2701」が発売となった。価格は29万8000円。

 このニュースを初めて聞いたときに、反射的に「ゲーミングディスプレーだろうな」と思ってしまった。ゲーミングチェアのブランドから、ゲーミングディスプレーがリリースされ、ゲーミングにまつわる総合的なブランドに進化する。ありそうな話である。編集部で、「AKRacingからディスプレーが出るんですね〜」と人に話しかけてみると、全員が「へー! ゲーミング?」という反応だった。

 ところが、OL2701はゲーミング向けではない。その特徴は、27型の国産OLED(有機EL)パネルを搭載している点にある。

有機ELならではの、薄くスタイリッシュな外観

 搭載されるのは、国内パネルメーカーJOLED製の、27型(3840×2160ドット)のパネルだ。RGB印刷方式(RGBそれぞれの発行素子をプリントする)で製造され、このパネルに関する独占契約を結んで搭載しているという。

 有機ELパネルを搭載するスマートフォンや、大型テレビに有機ELパネルを採用している例は増えているが、PCディスプレーに適するこのサイズで、有機ELパネルを搭載しているのは非常に珍しい。

背面に「AKRacing」のロゴを大きく配置している

 外観デザインとしては、ピクセルそのものが発光するため、バックライトで照らす必要がないという有機ELパネルの特性を活かし、ディスプレー部分を薄く仕上げている。

 インターフェース類や電源ユニット、基盤が集中する本体下部の部分にボリュームを持たせ、パネルの薄さを強調するように見せるデザインはとてもかっこいい。

 背面上部には「AKRacing」のロゴを大きくプリントしているので、AKRacingのゲーミングチェアと合わせると、統一感のあるデスク環境が作れそうだ。

背面右端にボタン類を配置

ディスプレー部右下にHDMI 2.0端子×2、DisplayPort 1.4×1を配置

ディスプレー部左側にUSB Type-C(USB 3.0)端子と、USB Type-A(ダウンストリームポート)×2、3.5mmミニジャック(オーディオ出力)を備える

 電源や入力インターフェースの切り替えといったボタン類は、本体背面の右側に集約されている。ちょうど、正面に座った状態で指を裏に回すと手が届く範囲で、配置さえ覚えてしまえば、正面からスムーズに操作ができると思う。

 インターフェースも充実している。ディスプレー部右下にHDMI 2.0端子×2、DisplayPort 1.4×1を、ディスプレー部左側にUSB Type-C(USB 3.0)端子と、USB Type-A(ダウンストリームポート)×2、3.5mmミニジャック(オーディオ出力)を搭載。

 PCはもちろん、据え置き型のゲームマシンや、USB Type-C経由で映像出力できるラップトップPCも接続できるので、いくつかの出力機器を接続して、用途に応じて入力元を切り替えながら使うといったこともできるだろう。

高さを最も上まで上げて、傾きを最も下向きにした状態

 調整機能もしっかり搭載。高さは120mmの範囲で上下、チルト(上下傾き)は-5~+20度、スウィーベル(左右回転)-30~+30度の範囲で調整できる。背の高いデスクチェアの組み合わせにも、座椅子とローテブルの組み合わせにも無理なく対応できる。

高さを最も下まで下げて、傾きを最も下向きにした状態

 パネルのスペックはコントラスト比100万:1、視野角左右上下178度、リフレッシュレート25Hz〜60Hz(可変)、応答速度0.1msなどとなっている。

仕事でPCを使い、かつエンターテインメント利用もする人に勧めたい

 スペックの紹介を見ていただければわかるように、29万8000円という実売価格は、ほとんど大型の有機ELパネルを搭載することに由来している。

 となれば、有機ELのポテンシャルを活かせる用途に導入したくなる。おすすめは、仕事で映像や写真の編集をする機会があるクリエイター職で、かつ、趣味の映画鑑賞や動画鑑賞もPCで済ませるというスタイルを持っている人の導入だ。

 というのも、有機ELパネルと液晶パネルとの、実用面での最大の違いは、素子そのものが発光するため、バックライトで照らす必要がない=色や発光のムラがなく、黒の表現に秀でているという点にある。液晶パネルで見ている黒は、いわば、「黒を後ろから光で照らしている色」であり、その違いは一目瞭然だ。映画鑑賞用途では、深く沈み込んだ黒と、明度の高い箇所との深いコントラストがしっかりと楽しめる。

 また、特に最近増えている有機ELパネルのスマートフォンで制作物を見たときに、どういう見え方をするかをチェックすることにも向いていると考えた。色再現性に優れたほかの液晶ディスプレーと2台置きにして、マスターディスプレーで細かく色調や見え方を合わせつつ、有機ELパネルで表示した際のイメージも合わせて確認するといった使い方をすると(贅沢だが!)面白そうだ。

 唯一残念なのは、120Hzや140Hzの高リフレッシュレートに対応していない点だが、AKRacingのディスプレーの歴史はいま始まったばかり。第一弾は27型有機ELというなかなかに攻めた仕様で登場したが、今後どのような展開を見せるのかにも注目したい。

 ちなみに、OL2701の試用レポート記事も掲載されているので、こちらもあわせてチェックしてみてはいかがだろうか。

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