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登場人物が増えた「劇場型」に注意

被害額は1年で90億円超! 高齢者女性を騙す危ない電話の正体は?

2022年06月26日 09時00分更新

文● せきゅラボ

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オレオレ詐欺を含む「特殊詐欺」に注意!

帰省を機に両親や祖父母に伝えてほしいこと

 コロナ禍もだいぶ落ち着き、『今年のお盆休みは久々に帰省できそう!』と喜んでいる皆さん。両親や祖父母と再会したタイミングでぜひ相談してほしいのが「オレオレ詐欺」への対策です。

 これは特殊詐欺に類するもので、「息子や孫になりすました犯人から電話があり、仕事に関するトラブルなどを口実に、お金を要求する詐欺」全般を指します。

 警察庁が把握している昨年(2021年)の特殊詐欺は1万4498件、被害額は282億円あまり。そのなかでオレオレ詐欺は3085件、被害額が90億6000万円にも上ります。

 注目したいのは、オレオレ詐欺の被害者には65歳以上の高齢者、特に女性が圧倒的に多いこと。母親や祖母しか自宅に居ないような頃合いに電話を掛けて来るようです。

 お金を受け取る人間が本人ではない、直接受け取りに訪れず振込を指定してくる、といった場合はまず間違いなくオレオレ詐欺です。必ず電話を切って即警察などに相談するよう、ご両親などに伝えるとよいでしょう。

※以下は「5分で解説! あなたとスマホは狙われている」からの抜粋です。

「オレ」以外の人物が登場するとだまされやすい

 いわゆるオレオレ詐欺のなかでも、近年主流になりつつあるのは「劇場型」と呼ばれる手法です。特徴は氏名・家族構成を把握しているほか、登場人物が一人ではない、複数回にわたってかかってくるなど、練られたストーリーで詐欺を働く点。また、振込ではなく、対面で現金を受け取るケースも見受けられます。

 国民生活センターの相談窓口には、“警察署員を名乗る者から、「個人情報の流出に伴い被害が発生している。ついては消費生活センターから預貯金確認の電話があるので情報を伝えるように」との電話があった直後、消費生活センターを名乗る別人から電話がかかってきて銀行情報を聞かれた”など、手の込んだ手口が報告されています。

 一昔前のような、氏名がわからないので「オレオレ」で済ませる単純な手法ではなく、事前に相手(=あなた)の個人情報をある程度まで把握した上で仕掛けてくるため、一層の注意が必要です。

 現金や個人情報を要求する電話がかかってきたときは、まずその場で回答せず連絡先を聞きましょう。そして身内が関わっているとされた場合はまず、その本人への確認が最優先です。それが叶わない場合は、国民生活センターへ通報・相談しましょう。なお、公共機関や銀行が電話で暗証番号などを聞くことはありません。

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