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「受けるプロ」のユーザックと「送るプロ」のコクヨと電帳法対応セミナーを開催

文●大谷イビサ 編集●ASCII

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 2022年6月14日、ユーザックシステムとコクヨは「電帳法対応は業務効率化のチャンス!帳簿を受ける・送る業務の改革術」と題したセミナーを共催した。帳簿の受け取り処理をRPAで自動化するユーザックと、帳票を配信する「@Tovas」をサービス展開するコクヨが、電帳法対応を機にデジタル化と自動化を推進するための施策について説明した。

共催の背景は電帳法対応の範囲の広さ

 イントロの後登壇したユーザックシステム RPAカスタマーサクセス部 渡辺大輔氏は、今回コクヨとユーザックシステムがセミナーを共催した理由を説明した。

 電帳法は対象が多岐に渡り、社内1部署で対応するのも難しく、ソリューションの提供事業者も1社だけではカバーできないという点を挙げる。電子取引の分野に限っても、大きく「送る側」と「受け取る側」があるため、今回は送る側のサービス「@Tovas」を運営するコクヨと、受け取る側の自動化を実現するRPAのユーザックシステムでセミナーを企画したとのこと。渡辺氏は、「『送るプロ』であるコクヨと『受けるプロ』であるユーザックシステムがタッグを組むことで、よりよい電帳法対応がお届けできるのではないか」と語る。

 続いて、渡辺氏は電帳法の概要について説明した(関連記事:待ったなしの電子取引の電帳法改正対応 クラウドサービスとRPAで乗り切れ)。2022年1月1日に施行された電帳法改正は企業のデジタル化を促進するのが目的で、電子保存が進めやすくなった反面、電子取引に関しては紙の保存が不可になり、要件としては厳しくなる。ご存じの通り、義務化に関しては2024年1月までの猶予期間が設けられている。

電帳法の概要

 電帳法における電子取引のデータ保存に関しては「真実性」の要件が必要になるため、データの改ざんや削除ができないシステムが求められ、FAXやPDFなどの取引情報でのタイムスタンプ付与も必要になる。また、「可視性」という要件もあり、税務署の求めに応じて、取引日付、相手、金額などを検索できるようにしなければならない。

 対象としては、データでやりとりされ、金額が入っている取引はすべて電子取引になる。つまり、EDI、メール、インターネット取引などすべてが対象で、しかも「複数の保存方法にならざるをえない結果がほとんど」(渡辺氏)とのこと。そのため、一般的な企業の受発注業務はほぼ電帳法対応が必要になる。

社内に散らばる電子取引 まずは手段で整理する

 続いて渡辺氏が説明したのは、電帳法の対応ポイントについてだ。一般的に保存対象となる電子取引は、社内に散在する。取引データの種類や経路、通信の方向、手段も異なっている。Web、EDI、メールなど手段もさまざまで「この人に聞かないとわからない」ということも多い。

 そのため、まずは「受ける業務」と「送る業務」で整理し、受ける業務に関しては、メール、WebEDI、ECなど手段で整理するのがポイントだという。たとえば、メールで請求書を受け取るというフローを電帳法対応させ、その他のWebEDIやECでの受領業務にも拡大させていく。「手段ごとに整理していく。自社も含めて、何社も対応してきましたが、実感としてこれが一番手っ取り早い」と渡辺氏は語る。

受ける業務と送る業務で整理

 スケジュールに関しても考慮すべきだという。電帳法の猶予期間は2023年末に終わるが、それ以前にも2023年10月にはインボイス制度への対応、2024年1月にはEDIで用いられてきたISDN廃止などがあり、全部まとめてやると業務負荷が大きくなる。「2023年の新年度から対応できるのが理想だが、業務の棚卸し、対応方法の検討まで含めると、どうしても1年くらいかかる」(渡辺氏)とのこと。そのため、前述したように電帳法対応させる業務を絞り込み、そこから他の業務に拡げていくのがオススメだという。

 また、現場の負荷を考慮する必要もある。たとえば、検索の要件を満たすために「取引先」「取引年月日」「金額」をファイル名にするというルールで運用する会社もあるが、これだと電帳法対応のためだけの作業が増えるだけで、現場からの反発も大きい。RPAによる自動化が必要なのは、こうした現場の負荷を減らすためだ。

 たとえば、ユーザックシステムの「Autoメール名人」を活用し、メール受信、会計システムへの登録、ファイル名の自動付与、データ保存まで自動化すれば、業務効率は一気に上がる。実際のユーザー事例では、仕入れ先や支店からメールで送られてくる請求書をRPAがまとめてさばいているという。請求書がメールに添付されている場合でも、メール内のURLからダウンロードする場合でも対応でき、電帳法対応で必要になる日付、取引先名、金額などのCSVファイルへの出力、帳簿の保存まで自動化しているという。

 実際、受信したらすべて全自動化する場合もあるが、メール受信やPDF確認、会計システムへの入力までは人がやり、ファイル名の付与や保存はRPAにやらせる半自動化というやり方もあるという。渡辺氏は自社事例を取り上げ、「まずルール化されている取引先から対応し、その取引先を標準形として、その他の取引先への対応を個別に行なった」という。

全自動ではなく、半自動化という手段もある

 渡辺氏は、独自メーラーを搭載したメール専用RPAであるAutoメール名人やAutoメール名人を用いた導入支援や保守サポートをパッケージ化した電帳法対応パックを紹介。また、開発支援と安定稼働が可能な汎用RPAであるAutoジョブ名人や同じく電帳法対応パック、WebEDIの自動化シナリオを提供する標準化ライブラリについても説明し、「電子取引の自動化が得意」とアピールした。

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