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最高峰性能の小型マシン「Mac Studio」に新iPhone SE/iPad Air登場! 2022年春のApple Event 第41回

事実上現行最上位のMac! 「Mac Studio Ultra」の実力はMaxの2倍!?

2022年05月28日 12時00分更新

文● 柴田文彦 編集●飯島恵里子/ASCII

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事実上現行Macの最上位モデルと言えるMac Studio

 Apple Siliconとしては最高峰のM1 Ultraを搭載したMac Studioを試用する機会を得た。いまだAppleシリコン化されていない唯一のMacとなってしまったMac Proを別にすれば、事実上現行Macの最上位モデルと言える。前回レビューしたM1 Max搭載のMac Studioと、CPU周りを除くスペックは一部を除いて同一なので、今回はパフォーマンスの違いを中心にレビューする。

MaxかUltraか、どちらを選ぶべきか

 Mac Studioを導入しようと考えたとき、悩ましいのはM1 Max搭載モデルとM1 Ultra搭載モデル、いずれを選ぶべきかということにつききるだろう。実際に外観はまったく同じなので、選択の根拠となるのは中身しかない。そこでまず、その中身を中心に、Mac StudioのM1 Max搭載モデルとM1 Ultra搭載モデルの違いを明らかにしておこう。

・チップとメモリ
 まず根本的に異なるのが、CPUやGPU、さらには機械学習に関する処理を高速化するNeural Engineや、主にビデオのエンコード/デコード処理を担うメディアエンジンを含むM1チップの仕様だ。基本的にM1 Ultraは、M1 Maxを2つつないだものなので、M1チップが内蔵しているものは何でも2倍になると考えていい。

 具体的に挙げていこう。まずCPUのコア数は、Maxが10なのに対してUltraは20、GPUのコア数も、Maxの24に対してUltraでは48となる。またNeural EngineもMaxでは16コアだが、Ultraでは32コアを装備することになる。ただし、GPUのコア数については、Maxでも32コア、Ultraでは64コアというオプションが選べる。M1 Maxの場合、GPUを24コアから32コアに変更すると、2万2000円(以下、価格はすべて税込)のアップとなる。それに対して、M1 UltraのGPUを48コアから64コアに変更するオプションは、11万円のアップとなっていて、割高に感じられる。MaxのGPUオプションが1コアあたり2750円なのに対して、Ultraではコアあたり6875円にもなるからだ。

 メディアエンジンに内蔵される個々のエンジンも、UltraはMaxの2倍の数を実装している。ビデオデコードは、Maxの1に対してUltraは2、ビデオエンコードは2に対して4、ProResエンコード/デコード用エンジンの数も、2と4だ。

 M1は、メインメモリもオンチップなので、実装可能なメモリ容量もUltraはMaxの2倍となる。標準ではMaxが32GB、Ultraが64GBだ。これもオプションで増設可能で、Maxは64GB、Ultraは128GBを選択可能となっている。価格はMaxの32→64が4万4000円、Ultraの64→128が8万8000円で、このプションでは、絶対値が大きくなってもギガバイト単価が同じで割高感は生じない。

 見過ごせないのは、MaxとUltraではメモリの帯域幅も異なるということ。Maxが400GB/sなのに対して、Ultraは2倍の800GB/sだ。つまりUltraは、Maxのチップとメモリの組み合わせを2組持っていて、それぞれ独立しているため、メモリバスも2組あって帯域幅が2倍になっていると考えられる。このことが、CPUやGPUなどのコア数が2倍に増えても、効率を低下させないために大きく貢献していると考えられる。

 なおSSDも、Max搭載モデルは標準で512GB、Ultra搭載モデルは同1TBとなっていて、ちょうど2倍の設定だ。これはたまたまであって、実際にはチップの仕様とは関係ない。バリエーションとしては、512GB、1、2、4、8TBの5種類があり、それらのうちUltra搭載モデルでは512GBが選べないだけだ。

 容量あたりの単価は2段階で、大容量ほど割安になっている。512GB→1TBは2万2000円、1TB→2TBは4万4000円なのに対し、2TB→4TBは6万6000円、4TB→8TBは13万2000円となる。

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