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連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第32回

IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 5月14日~5月20日分

大半のCEOは「メタバース」を重要視せず、OSSのリスク、国内IT市場成長率、ほか

2022年05月23日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えしています。

 今回(2022年5月14日~5月20日分)は、CEOのビジネス優先課題、コラボレーティブサークスペース市場、オープンソースソフトウェア(OSS)のセキュリティ、国内IT市場、アジアの人材紹介市場についてのデータを紹介します。 

■[メタバース][トレンド]CEOのビジネス優先課題として「環境」が初のトップ10入り、メタバースは重要度低い(ガートナー、5月19日)
・最も影響を及ぼすテクノロジーは3年連続で「人工知能(AI)」がトップ
・ビジネス優先課題に「環境サステナビリティ」が初のトップ10入り
・メタバースは、63%が「適用できないテクノロジー」または「主要テクノロジーになる可能性は非常に低い」と回答

 ガートナーがグローバルで行なったCEO/上級経営層調査の最新版。多業種、多規模に属する400人以上を対象に、2021年7月~12月に調査した。「環境サステナビリティ」は2019年には14位だったのが、今回は8位。初めて上位10に入った。CEOにとってインフレは恒常的な課題であり、その対応策としては「値上げ」(51%)が「生産性向上と効率化」(22%)を上回る。調査からは、人材、パーパス、価格、生産性に関するCEOの考え方が2022年に大きく変化することが伺えた、としている。

メタバースについて、51%が「自社のビジネス開発において主要テクノロジーになる可能性は非常に低い」と回答、「主要なテクノロジーになる可能性が非常に高い」(37%)を大きく上回っている(出典:ガートナー)



■[働き方][DX]2021年の国内UC/コラボレーティブワークスペース市場は前年比11.4%増、4754億円に(IDC Japan、5月19日)
・2021年の国内ユニファイドコミュニケーション(UC)/コラボレーティブワークスペース市場は4754億円、前年比11.4%増
・UC市場は2021~26年の間、年間平均成長率(CAGR)2.1%で推移
・コラボレーティブワークスペース市場の同期間のCAGRは6.1%

 IPテレフォニー、IPカンファレンスシステム、IPコンタクトセンターシステム、コラボレーティブワークスペースを「ユニファイドコミュニケーション(UC)/コラボレーティブワークスペース」市場として、2022年~26年の予測をまとめた。この市場はハイブリッドワークの定着、法改正を含めたデジタルワークスペースの適用拡大により堅調に成長すると予測。2026年の市場規模は、UCが1910億円、コラボレーティブワークスペースが4081億円になると見ている。なお中小企業、サービス/公共/官公庁などの産業分野では、いまだにデジタルの適用が十分ではないとも指摘している。

2020~2026年の国内UC/コラボレーティブワークスペース市場予測。薄い青がUC、濃い青がコラボレーティブワークスペース(出典:IDC Japan)



■[セキュリティ]オープンソースのサプライチェーンリスクは顕在、88%が継続的に更新せず(シノプシス、5月19日)
・企業/組織の88%は「使用しているオープンソースを継続的にアップデートしていない」
・コードベースの30%にライセンスがない/カスタムライセンスのオープンソースが含まれている
・コードベースに高リスクの脆弱性が1件以上検出された比率は49%、前回の60%から減少

 シノプシス サイバーセキュリティ・リサーチ・センター(CyRC)が2400以上の商用/内製コードベースを対象に、オープンソースに潜む脆弱性やライセンス上の問題を調査した「2022 オープンソース・セキュリティ&リスク分析(OSSRA:Open Source Security and Risk Analysis)」より。調査したコードベースの85%に、過去4年以上開発活動実績のないオープンソース技術が含まれており、15%からは脆弱性が残っているバージョンの「Log4j」が検出された。高リスクの脆弱性を含むオープンソースが入ったコードベース数は減少しているものの、既知のオープンソース脆弱性が1件以上検出される比率は81%と、依然として高いという。

1つ以上の脆弱性/高リスク脆弱性を含むコードベースの割合、2016~2021年の推移(出典:シノプシス



■[IT]2022年の国内IT市場は前年比4.5%増の20.9兆円と予想、ウクライナ情勢によりサイバーセキュリティ、BCP対応への危機意識が強まる(IDC Japan、5月18日)
・2022年国内IT市場は、前年比4.5%増の20兆962億円と予想 ・2021年~26年の年間平均成長率(CAGR)は4.1%、2026年の国内IT市場規模は23兆5,551億円に ・製品別ではオンプレ環境のITインフラ刷新などでIT市場が回復

 2022年3月時点の新型コロナ、ロシア・ウクライナ戦争による影響を考慮した国内IT市場予測。2021年12月に発行した前回から、2021年は0.8ポイント改善し、前年比5%増の19兆2363億円の実績になり、2022年は2.2ポイント改善の前年比4.5%増の20兆962億円と予想。円安による輸入物価上昇が製品コストや価格上昇につながり、企業業績や国内消費に影響が広がることが予想される一方、国内IT市場は企業システムのクラウド化やサブスクモデルの浸透、リモートワークの定着が進むなど、マクロ経済の変動に対して影響を受けづらいビジネス構造に変化しているという。ウクライナ情勢により、サイバーセキュリティ対策強化、BCP対応への危機意識が強くなるとも予想している。

国内IT市場 産業分野別の支出額予測、2021年~26年(出典:IDC Japan)



■[雇用]アジアのホワイトカラー人材紹介市場:全域で求人数が改善、日本はCASEと脱酸素で人材探す動き(ジェイ エイ シー リクルートメント、5月18日)
・アジア10カ国/地域すべてで求人数は対前年同期から増加
・日本の求人数は前年同期比117%、求職者も同108%
・4月に入国制限を解除した韓国、シンガポールなどの国では観光業も改善の兆し

 東南アジアを中心に人材紹介事業を展開するジェイ エイ シー リクルートメントがまとめた、2022年第1四半期のアジア各国のホワイトカラー人材紹介市場の動向。日本、中国、シンガポールなど10の国・地域について調べた。求人数は、すべての国・地域で対前年四半期比で増加した。トップは韓国の155%。日本は3月の有効求人倍率が1.21倍で、前四半期から改善。同社に寄せられた日系企業の海外事業関連の求人数も前期比114%となった。特に、大手製造業において「CASE」「脱炭素」などの分野への投資に伴う募集が伸びているという。求職者については、前四半期比108%、前年同期比108%と増えているが「企業の選考のハードルは高止まりしている」とも。

10の調査国/地域すべてで前年同期の求人数を上回った。トップは韓国、シンガポール、香港の順(出典:ジェイ エイ シー リクルートメント)

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