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理研、カーボンナノチューブで植物に遺伝子を送り込む新手法

2022年05月18日 18時23分更新

文● MIT Technology Review Japan

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理化学研究所、京都大学、宇都宮大学、九州大学の共同研究チームは、カーボンナノチューブを担体(物質を固定して運ぶ役割を担う物質)に用いて、植物細胞のミトコンドリアを標的として遺伝子を輸送する技術を開発。植物ミトコンドリアの遺伝子組み換えに成功した。植物の遺伝子改変技術に応用することで、環境への耐性を持つ改良植物種の作製や作物生産量の向上が期待できそうだ。

理化学研究所、京都大学、宇都宮大学、九州大学の共同研究チームは、カーボンナノチューブを担体(物質を固定して運ぶ役割を担う物質)に用いて、植物細胞のミトコンドリアを標的として遺伝子を輸送する技術を開発。植物ミトコンドリアの遺伝子組み換えに成功した。植物の遺伝子改変技術に応用することで、環境への耐性を持つ改良植物種の作製や作物生産量の向上が期待できそうだ。 共同研究グループは、担体として、反応点を表面に持つ高分子ゲルで被覆したカーボンナノチューブを作製。植物ミトコンドリアへの輸送に必要となる機能性ペプチドを2種類選択し、カーボンナノチューブ表面の反応点へ結合させた。さらに、このカーボンナノチューブにプラスミド・デオキシリボ核酸(DNA)を混合し、カーボンナノチューブ/DNA複合体を作製した(プラスミドDNAは独立して複製できる細胞内の染色体外DNA分子)。 次に、モデル植物であるシロイヌナズナの芽生えを用いて、カーボンナノチューブ/DNA複合体の植物への輸送を試み、植物細胞内のミトコンドリアへ遺伝子を効率的に輸送できていることを確認。さらに、ミトコンドリアの遺伝子が改変された植物では、根の成長が促進されることを明らかにした。 カーボンナノチューブを担体として、任意の機能性ペプチドを自在に結合できる本手法は、遺伝子やタンパク質などのさまざまな物質を輸送して、特定の細胞小器官を効率的に改変する手法として応用できる可能性がある。同研究成果は、ネイチャー・コミュニケーションズ(Nature Communications)のオンライン版に2022年5月16日付で掲載された

(中條)

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