30000DPIの「Razer Focus Pro 30Kオプティカルセンサー」を初採用

最軽量マウス「Razer Viper V2 Pro」は、58gに新センサー&スイッチの最高モデルだっ!

文●写真 ジャイアン鈴木 編集● ASCII

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 Razerのゲーミングマウス「Viper」と言えば、軽量性を追求してeスポーツ選手に支持されているシリーズ。このViperシリーズの新モデル「Razer Viper V2 Pro」が5月20日に発売された。

 今回、本製品で特に注力されたスペックが「軽量性」。2.4GHzワイヤレス接続 / 有線に両対応しつつ、重量はテニスボールとほぼ同等の58~59g。実際に持ってみると、まるでバッテリーが入っていないのではと勘ぐりたくなるほどの軽さだ。

 もちろん競技用として開発された本製品は、軽量化のために機能を単純に削ったりはしていない。シリーズ最新モデルということで、最新オプティカルセンサーを搭載するなど着実に進化を遂げている。

 今回はRazer Viper V2 Proがどのようにして究極の軽量化を実現したのか、そしてマウスとしての基本性能がどのように向上しているのかにスポットを当ててレビューをお届けしよう。

Razer「Razer Viper V2 Pro」(希望小売価格2万1780円)

Razer Viper V2 Proの実測重量は57.4g。テニスボールを0.9g下回っているのだから驚きだ

光学センサーに最新の「Razer Focus Pro 30Kオプティカルセンサー」を採用
30000DPIでガラス面でも利用可能に

 まずは基本スペックから解説していこう。Razer Viper V2 Proは左右対称の右利き用ゲーミングマウスだ。

 接続方式は、USB-A to USB-Cケーブル「SpeedFlex Type-C 充電ケーブル」または2.4GHz帯ワイヤレス接続「Razer Hyperspeed Wireless」の2とおり。Bluetoothをサポートしないのは、遅延を回避するためだろう。

Razer Viper V2 Proのボディーは左右対称

「Razer Viper Ultimate」とは異なり、サイドボタンは左側のみに配置されているが、その代わりサイドボタンは前モデルよりも飛び出し量が多くなっており、押しやすくなっている。

左からSpeedFlex Type-C 充電ケーブル、USBドングル用アダプター、ワイヤレスUSBドングル。SpeedFlex Type-C 充電ケーブルの長さは実測187cmだ

USBドングルは「Razer Hyperspeed Wireless」対応。マウスとキーボードをひとつのドングルで接続できる「マルチデバイスサポート」機能を搭載。また、ほかのワイヤレスゲーミング技術よりも3倍高速なクリックレイテンシーを実現しているという

 光学センサーは「Razer Focus Pro 30Kオプティカルセンサー」を初採用。従来の「Razer Focus+オプティカルセンサー」と比較すると、最大感度は20000DPI→30000DPI、最大速度は650IPS→750IPS、最大加速度は50G→70G、解像精度は99.6%→99.8%へと向上している。

 また、非対称カットオフは3段階→26段階へときめ細かくなり、ガラス面上(厚さ2mm以上)でのトラッキングも可能となっている。

 このほか、どのようなテクスチャーのマウスパッドでも同じリフトオフディスタンスを維持できる「スマートトラッキング」、PCの情報取得と同じ間隔で信号を同期して一貫したトラッキングを可能にする「モーションシンク」などのインテリジェント機能も搭載している。

本体底面に最新の「Razerf Focus Pro 30Kオプティカルセンサー」を採用。マウスソールは100% PTFE

最大感度、最大速度、最大加速度、解像精度、非対称カットオフの段階、ガラス面上でのトラッキングなど、基本性能を着実に向上させている

リフトオフディスタンスはマウス持ち上げを認識する距離、ランディングディスタンスはマウス着地を認識する距離。従来は「低い」、「ミディアム」、「高」の3段階だったが、「非対称カットオフの有効化」にチェックを入れることで26段階できめ細かく設定可能だ

 スイッチには「第3世代オプティカルマウススイッチ」を採用し、プログラム可能なボタンは5つ。第3世代オプティカルマウススイッチは、0.2msの応答時間を実現しつつ、バウンシング効果による二重クリック問題を排除。また、耐クリック回数を9000万回に改善している。速度、信頼性、耐久性の3拍子が揃ったスイッチだ。

オプティカルマウススイッチはスイッチをクリックするとシャッターが開いて、赤外線が通過する。これにより電気信号がPCに送信されるという仕組みだ

光の速さでのアクチュエーションにより、最高0.2msの応答時間を実現。これは従来のメカニカルスイッチの3倍の速さだ

従来のメカニカルスイッチは金属の接触により電気信号が送信される。金属同士がぶつかると「バウンシング効果」で信号が複数送信される可能性があり、ソフトウェア的にそれを防いでいる。オプティカルマウススイッチは物理的な接触がないので、クリックの誤操作は発生しない

 ボディーカラーはホワイトとブラックの2色を用意。本体サイズは長さが126.7mm、高さは37.8mmで、幅は一番細い所(真ん中部分)が57.6mm、
一番太い所(後ろ部分)が66.2mmとなっている。重量はホワイトが59g、ブラックが58g。バッテリーはリチウムイオンで、最大連続使用時間は80時間(1000Hzで使用した場合)、フル充電時間は約4時間とされている。

左がホワイトエディション、右がブラックエディション。Razerロゴは点灯しない

最高性能を58~59gの軽量ボディーで実現した秘密は?

 ホワイトモデルで59g、ブラックモデルで58gを実現した秘密は、パーツひとつひとつに対する重量削減の「積み重ね」だ。元のモデルとなった「Razer Viper Ultimate」が74gだったところ、パーツごとに軽量化を図ることで合計16gのダイエットに成功している。涙ぐましい努力は超軽量のモバイルノートと同じだ。

キーカバーを軽量化(0.6g減)、内蔵グリップを排除(3.2g減)、右側ボタンを排除(2.9g減)

より軽量で効率的なバッテリーを採用(2.6g減)、その他の構造上の変更(4g減)

内蔵グリップは排除されたが、オプションとしてグリップテープが同梱されている

マウスを急反転させたときに58~59gの軽量性を実感

 さて実際にRazer Viper V2 Proを使ってみた感想だが、スペックのとおり、とにかく軽い! 

 現在、個人的には、バトルロイヤル用に最大19+1個の多ボタンゲーミングマウス「Razer Naga Pro」を愛用しており、117gながら100% PTFEマウスソールのおかげで滑らかな操作感を得られているが、慣性がまったく違う。

もちろん両製品のターゲットは異なるのが、Razer Naga Proの重量は117gで、Razer Viper V2 Proは約半分の軽さで手にすると驚く。

 Razer Naga Proはマウスを急反転させたときにググッと重みを感じるが、Razer Viper V2 Proではマウスを持っていないかのような軽快さ。まるで重力から解き放たれたかのような感覚だ。

 ゲームに集中していると、腕がPCに直結されているようなダイレクト感さえ覚える。58~59gという軽さはそのぐらいゲーム体験にインパクトを与えるというのが素直な感想だ。

マウスを素早く反転させたときにRazer Viper V2 Proの軽さを実感する。長時間プレイ時の疲労も少なそうだ

 一方、Razer Focus+オプティカルセンサーからRazer Focus Pro 30Kオプティカルセンサーへのアップグレードについては、筆者レベルのプレイヤーには正直明確なメリットは感じられなかった。この点については、eスポーツ選手が自分の感覚にマウスの操作感をぴったりと合致させるために必要な領域なのだろう。

統合ユーティリティー「Razer Synapse」で、ボタンカスタマイズ、感度やポーリングレート、マウスマットの表面校正、電力設定などをきめ細かく設定できる。「Razer Chrome RGB」非対応なので「ライティング」の設定は用意されていない

Razer Viper V2 Proを手に入れれば、負けた理由を道具のせいにはできない

 OpTic Gaming Valorant部門のプロプレイヤー「Marved氏」(Jimmy Nguyen氏)は、Razer Viper V2 Proのプロトタイプを使用して、「2022 VALORANT Champions Tour」にて、35キルの最高記録を達成したとのこと。

 eスポーツのプロプレイヤーの高い要求に応える本製品を使えば、対戦で負けた理由を道具のせいにはできないわけだ。Razer Viper V2 Proはプロプレイヤーを目指す方こそ、手にするべきアイテムだ。

 また最高のゲーミングマウスは、ゲーム以外の一般的な用途にも最高の使い勝手を備えている。幸い、本製品はブラックだけでなく、オフィスにも馴染むホワイトモデルも用意されている。長時間、PCに向かう仕事のみなさんはもちろん、クリエイティブワークや、ビジネス用の最上級マウスとしても、魅力的な選択肢となる最上位マウスなのだ。

 

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