メルマガはこちらから

PAGE
TOP

パンのサブスクから水泳教室のDXまで 東急×スタートアップ9社の事業共創を発表

東急アライアンスプラットフォーム2021 DemoDay

1 2 3 4 5 6 7

 東急アライアンスプラットフォーム(TAP)は、2022年3月22日に「東急アライアンスプラットフォーム2021 DemoDay」開催した。2021年度、協業が実現した9社が参加し、東急グループ各社、取り組みとの共創背景、事業共創内容を「事業共創ピッチ」として発表した。

 イベント冒頭、東急アライアンスプラットフォームDemoDayに関する概要が紹介された。

 東急アライアンスプラットフォーム(以後TAP)は、東急アクセラレートプログラムとして2015年にスタートした鉄道業界初のアクセラレートプログラム。その後、オープンイノベーションの組織化、仕組み化を進めるなど日々アップデートを行ない、東急アライアンスプラットフォームとしてリブランド「共に、世界が憧れる街づくりを。」と言うコンセプトのもと、応募のあった企業とともに事業共創してゆく取り組みだ。

 グループの参画事業者は27事業者(21社)、対象領域は19と共創の幅広さを生かし、事業共創に特化したより能動的なオープンイノベーションに取り組むとしている。2021年度は、昨年度の2倍以上の協業数、スタートから累計100件以上の実績となった。

 発表は事業共創内容に対する4つの観点からの定量評価に加えて、審査員による様々な観点からのディスカッションによる定性評価も加味される。今回の審査員は以下の通り。

社外審査員
 グローバルIoTテクノロジーベンチャーズ株式会社 代表取締役社長 安達 俊久 氏
 SBIインベストメント株式会社 執行役員 CVC事業部長 加藤 由紀子 氏
 Spiral Capital シニアアソシエイト 立石 美帆 氏
社内審査員
 東急株式会社 取締役社長 社長執行役員 髙橋和夫 氏
 東急株式会社 執行役員 フューチャー・デザイン・ラボ管掌 東浦亮典 氏

(1)ユカイ工学 × 東急百貨店

ユカイ工学株式会社 代表取締役 CEO 青木 俊介 氏
株式会社東急百貨店 事業戦略室 事業開発部 担当マネジャー 小林 洋介 氏

 ユカイ工学株式会社は、コミュニケーションロボット「BOCCO」を活用した、お客様との新しい接点づくりの取り組みが紹介された。同社は、BOCCOのほか、癒しロボット「Qoobo」や新体感ロボット「甘噛みハムハム」など、ロボティクスで人を楽しませる、「ユカイ」にするロボットを「一家に一台」をコンセプトに開発している。

 同社の定義するロボットでは、作業効率を上げるようなものではなく、人に優しいデジタルインターフェースで、どんな年齢の人にも寄り添ってサービスを提供できる未来を目指しているという。

 今回の共創で中核となる「BOCCO emo」は、コミュニケーションだけでなくリマインダー機能があったり、センサーと連動して熱中症予防の注意喚起やメッセージ機能なども提供される。専用センサやBluetoothデバイス、Slackなどの業務システムや各種Webサービスとの連携なども行え、APIとして公開しているので企業サービスとの連携も可能だ。主にスマホの使用が難しいシチュエーションや対象者向けでの利用を想定している。

 東急百貨店との共創プロジェクトでは、外商お得意様フェアでのポップアップショップを皮切りに、新型コロナウィルス感染症拡大の状況下では、ロボットを使った非接触接客のためのデバイスとして好評得るなどを経て、お得意様との関係、コミュニケーションのアップデートの一環で「BOCCO emo」をお得意様の自宅に設置して、外商担当者と非接触でコミュニケーションする実証実験が行われる。

 今回の実証実験を踏まえて、百貨店だけでなく地域のコンシュルジュとしてプロジェクトを育ててゆきたいとしている。

 審査員からのBOCCOならではのコミュニケーションはどういうところかという質問には、APIを提供していることでの利用しやすさ、ロボットならではの、在宅、ロボットのそばにいる状態でのコミュニケーションができるのが、単なるスマホアプリとの違いと回答があった。

 東急グループの中で、東急百貨店との連携を選んだ理由に関しては、ポップアップショップなど以前から関係があったということと、すでに顧客との関係性があって、長期的なコミュニケーションがなされている、そこにロボットが介在することでコミュニケーションのアップデートができるのではないかという想いが一致したのが理由にあると回答があった。

 高齢者のユーザー比率や反応に関しての質問には、最も多い事例は高齢の一人暮らしの親に、離れて暮らす子供たちがコミュニケーション用として設置するケースだと回答。例えば薬の飲み合わせなどに関して家族が注意するよりもロボットがリマインドすることで素直に飲むようになるなどロボットならではの効果も紹介された。

1 2 3 4 5 6 7

合わせて読みたい編集者オススメ記事