小型筐体にハイスペックパーツを詰め込んだり、最新・最速にトコトンこだわったり、静粛性とパフォーマンスを両立したりと、こだわりだすと広くて深い沼が待ち受けるPC自作。このPC自作沼を進むと見えてくるのが、“本格水冷”という新たな沼。CPUだけでなく、ビデオカードの水冷化に、ASUS、GIGABYTE、MSI、ASRockが投入しているフルカバーウォーターブロックを装備したマザーボードを組み合わせてのオール水冷マシンも実現できる。
とは言え、“水冷沼”と言われるだけあって、オールインワン水冷ユニットと比べるとコストや導入、構築のハードルは圧倒的に高くなるが、ウォータブロックをはじめチューブやポンプなどの各種パーツ選びに、PCケースに合わせたリザーバータンクとその経路配置などを一から考えて組み上げたときの感動はひとしおだ。
そんな本格水冷の導入動機は、ハードチューブを使った魅せるPCを組みたい、あるいは爆熱ビデオカードの冷却強化が主だが、今回は、LGA1700向けウォーターブロックに注目したい。
現状、本格水冷パーツへの参入が比較的最近となるCorsairが、いち早くLGA1700に対応したHydro Xシリーズ「XC5 RGB PRO CPU ウォーターブロック」、「XC7 RGB PRO CPU ウォーターブロック」を投入している。
さらに本格水冷パーツの定番メーカーのひとつであるスロベニア共和国のEK Water Blocks(EKWB)からは、第12世代Coreプロセッサー向けに設計された「EK-Quantum Velocity2 1700」が発売され、国内にも何度か入荷している。
そこで、両メーカーのウォーターブロックを購入、360mmサイズ60mm厚ラジエーターを使った外付け水冷システムで、Core i9-12900Kをどの程度冷やせるのか試してみることにした。
インテル、AMD両用の
Corsair製ウォーターブロック
Corsair
Hydro X Series XC7 RGB PRO CPU ウォーターブロック
実売価格 1万2500円前後
製品情報
「XC7 RGB PRO CPU ウォーターブロック」は、インテルとAMDの両方に対応する汎用性の高い製品だ。ウォーターブロックへのマウントブラケットの固定がフックで引っ掛けるのみといった点は、若干CPUとの密着度に不安を感じさせるが、1万2500円前後でマルチソケット対応、さらにiCUE対応のRGB LED内蔵と、コスパは悪くないと言える。
LGA1700専用設計の大型ウォーターブロック
EK Water Blocks
EK-Quantum Velocity2 D-RGB - 1700
実売価格 1万8000円~2万1000円
製品情報
ダイの大型化にともないCPU形状が実測37.5×44.5mmの長方形になった第12世代Coreプロセッサーに合わせて、EK Water Blocks(EKWB)は新設計ウォーターブロックの「EK-Quantum Velocity2」を投入。ウォーターブロックのサイズは、94.5×94.5mmとCPUソケット部を覆う大型形状で、CPU受熱ベース部は実測で約43×43mmになっている。
これまでと同じくニッケル素材で覆った「Full Nickel」、アクリル製トッププレートの「Nickel + Plexi」、トッププレートにアセタール樹脂を使った「Nickel + Acetal」の3種類をラインアップしている。ここではウォーターブロック内の流路が見えるアクリルトッププレートの「Nickel + Plexi」で試している。
ちなみにLGA1700だけでなく、LGA1200、Socket AM4用も発表。2月下旬から出荷予定になっているので、LGA1200やSocket AM4 CPUの水冷化を考えている人も注目だ。

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