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佐々木喜洋のポータブルオーディオトレンド 第106回

2022年のCES開催、ポータブルオーディオ関連の注目モデルを3つピックアップ

2021年01月10日 13時00分更新

文● 佐々木喜洋 編集●ASCII

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 米国でコロナ禍が再燃するなか訪れた今年のCES 2022。直前にマイクロソフトなどの大手が抜ける事態になったが、結局イベント自体は開催され、新製品が多数発表されている。ポータブルオーディオ関連を中心にいくつかをピックアップした。

ACRO CA1000

 まず「Astell & Kern ACRO CA1000」だ。これは一見デジタルオーディオプレーヤーとヘッドホンアンプの“合体型”に見えるが、実際は“一体型”の製品だ。ハイレゾプレーヤーの操作性や機能、ヘッドホンアンプならではの音質を兼ね備える。市場にはDAC内蔵型のヘッドホンアンプが多くあるが、この製品はDAP内蔵型のヘッドホンアンプと言ってもいいかもしれない。内蔵バッテリーによりポータブルでの使用も可能だ。

 「A&Ultima SP2000T」のようにDACチップはESS ES9068をクアッド形式で4つ搭載し、PCM 384kHz/DSD512まで対応可能だ。多数のデジタル・アナログ入力が可能で、出力端子もバランス駆動用を含めて多数あり、RCA出力も備えている。また4段階ものゲイン切り替えが可能なので、高感度イヤホンから平面駆動型ヘッドホンまで多彩な機種に対応できる。国内では後日詳細を発表するとしている。

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EAH-A800

 また、テクニクスからはANC搭載のヘッドフォン「EAH-A800」が発表されている。LDACに対応するBluetoothワイヤレスヘッドホンで、ANC利用時で50時間動作するという。ANCはデュアル形式で「EAH-AZ60」のようにデジタル制御とアナログ制御を組み合わせている。ドライバーは直径40mm、フリーエッジ形式でPEEK/ポリウレタン素材の振動板を採用している。テクニクスのイヤホンのように通話性能も重視されているようで、4個搭載したマイクを使ったノイズ低減技術も採用している。また、外音取り込み機能の他に「アテンションモード」があり、人の声を聴き取りやすくして空港のアナウンスなどを聴きやすくしている。

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No 5909

 最後はハイエンドオーディオの代名詞とも言えるマークレビンソンブランド初のヘッドホン「No 5909」の発表だ。価格は約1000ドルと高価だが、アップルの「AirPods Max」対抗製品としてみるのも面白いだろう。No 5909はアダプティブ方式のANCを搭載し、直径40mmのベリリウム振動板のドライバーを搭載している。LDACにも対応して回路は96kHz/24bit処理が可能だとしている。動作時間はANC利用時で30時間だ。トラベル用と銘打ち、ポータブル向け製品である点もユニークだ。国内導入の可能性もあるかもしれない。

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 CES2022では、ほかにもGaNトランジスターを採用したClass Dパワーアンプが参考出展されているのも興味を引く。普通トランジスターにはシリコン(ケイ素)を用いるがこれをGaN(窒化ガリウム)にすることでより高効率とスイッチング速度の向上を目指したものだ。今後注目の技術と言えるだろう。

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