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8コア/16スレッドのAMD「Ryzen 7 4800U」搭載したキーボード&コントローラー付き「GPD WIN Max 2021」の実力とは?

2021年12月29日 11時00分更新

文● ジサトラハッチ 編集●ASCII

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 以前、Ryzen搭載のAYA NEOを紹介したが、12月になって同じようなコントローラー付き小型PCのRyzen採用例が増えている。今回ご紹介する「GPD WIN Max 2021」は、昨年11月に発売されたインテル「Core i5-1035G7」を搭載するGPD社「GPD WIN Max」の後継機。CPUがインテル「Core i7-1195G7」またはAMD「Ryzen 7 4800U」の2種類が用意されている。

H-IPS液晶&キーボード付きで、メインとしても使える性能

 今回、Ryzen 7 4800U搭載モデル「GPD WIN Max 2021 (4800U)」をお借りする機会を得たので、どのぐらいの性能なのかを試してみた。本機は同じGPD社の「GPD WIN 3」のようなキーボードが収納できる形状ではなく、基本はクロムシェルタイプながら、キーボードの上部にアナログスティックや十字キー、4つの操作ボタンが並ぶコントローラーが組み込まれたPCになっている。

 ディスプレーサイズは8型で、筆者が昨年購入した「Core i5-1035G7」搭載機と見た目は全く変わらない。

左が「Core i5-1035G7」モデル、右が「GPD WIN Max 2021 (4800U)」。見た目は全く変わらない。並べてしまうと、分からなくなってしまうほどだ

「GPD WIN Max 2021 (4800U)」の主なスペック
ディスプレー 8型液晶(1280×800ドット)
CPU Ryzen 7 4800U(8コア/16スレッド、最大4.2GHz)
グラフィックス Radeon Graphics(8コア、1750MHz)
メモリー 16GB、LPDDR4-4266
ストレージ 1TB M.2 SSD
無線機能 Wi-Fi 5(IEEE802.11a/b/g/n/ac)、Bluetooth 4.2
インターフェース USB 3.2 Gen 2(Type-C)×2、USB 3.2 Gen 1(Type-A)×2、マイクロSDXCスロット、HDMI 2.0b、ギガビットLAN、ヘッドセット・マイク端子
サイズ/重量 207(W)×145(D)×26(H)mm/約790g
OS Windows 10 Home 64bit

 天板はロゴや模様もなく、丸みを帯びたシンプルなデザイン。HDMI出力とUSBは全て背面に揃っている。試しにUSB Type-CのKVM機能を持つディスプレーGIGABYTE「M28U」にUSB Type-C(10Gbpsケーブル接続)で繋げて映像出力ができるかテスト。映像出力は外側にあるUSB Type-Cではできたが、内側のUSB Type-Cではできなかった。そのため、おそらくUSB Type-CとHDMIでの2画面出力までが対応なのだと思われる。

天板は非常にシンプル。黒を基調としているため、割と幅広い年齢層にも合うデザインだ

HDMIとUSBは背面にのみ備わっている。本体が小型なため、有線マウスなどは背面にケーブルを回した方が、取り回しがし易いとも感じるので、これは理に適っているかもしれない

 一方で、右側面にはLANポートと、マイクロSDXCカードスロット、左側面にはマウスとコントローラーの切り替えスイッチが備わっている。ONEXPLAYERはソフトウェアでの切り替えだったが、物理スイッチのため切り替わっているかの確認、切り替わりの誤動作は少ないだろう。

小型ながらLANポートが使えるのはうれしい

マウスモードとコントローラーモードは、スイッチで切り替えられる

前面の右端には、ヘッドセット・マイク端子と、マイクが備わっている。ヘッドセットなしでもSNSでの音声チャットなども可能だ

 ディスプレーはH-IPSパネルを採用。バックライトによる白っぽさはあるものの、同社のGPD WIN 3よりは発色が高く、視野角は178度と広い。DCI-P3カバー率90%で、輝度は350nit。

 ディスプレーは180度までは倒せるので、画面を複数人に共有したい場合などの利便性は高い。スマートフォンのディスプレーなどに採用されている強化ガラス「Gorilla Glass 5」を備え、10点マルチタッチでのタッチ操作も可能。操作性と耐久性も申し分ない。

ディスプレーは180度まで倒して使える

 キーボードのキーストロークは薄型ノートPCのペタペタした感じではなく、割としっかりとした打鍵感を感じる。キーピッチは実測で1.7mmほど。キーピッチはそこそこあるように思えるが、本体が小型のためどうしても窮屈で、やはり長文を入力するには厳しい。しかしながら、ゲームのクライアントにログインしたい時や、ちょっとしたメール文を入力する分には十分快適に行なえる。

キーピッチはそこそこあるが、変換キーがない。アルファベットと日本語の切り替えは「Alt」+「~」キーの同時押しのショートカットで行なう。数字やファンクションキーはあるので、それ以外には特に困らない

 重量バランス的にキーボードの上にアナログスティックなど、ゲームパッドに備わっているキーやボタンが配置されている。GPD WIN 3などキーボードを収納または取り外せる製品と異なり、長時間持ってプレイするには、897gとはいえやや重い。もちろん、一般的なゲームパッドとは持っている時の感触も違うが、慣れれば格闘ゲームですら割と快適に遊べる。

 左右の背面にはLRボタン&トリガーが備わっているので、FPSなども遊べなくはない。マウスモードの際は、LRボタンがマウスの左クリック、右クリック、右トリガーがマウスカーソルの加速、左トリガーがマウスの中央ボタンの動きをする。

 たとえば、外出先で急いでメールを確認して、返信したい場合などは、両手で持ってアナログスティックとLRボタンでマウスを操作して、立ったままでも作業ができる。

トリガーとLRボタンの配置は段差となっていて、指で触って位置が分かるため、誤動作も少なく、操作し易い

 また、十字キーの上には「SELECT」「MENU」「START」ボタンが備わっている。ゲームプレイ中に「MENU」ボタンを押すと、Windowsのゲームバーが起動するので、キーボード操作なしでもすぐにスクリーンショットや録画が行なえる。

「SELECT」「MENU」「START」ボタンは、やや小さいが滅多に押すことはないので、あまり気にならないだろう

 スピーカーは底面の前側に左右1つずつ備わっている。小型ながら割と出力は高く、YouTubeで音楽を楽しむなどの使い方でも十分楽しめる。ただし、膝の上や柔らかい素材の上に置くとスピーカーを塞ぎ、音がこもってしまうので注意。

スピーカーは重低音はないが、中高音質の伸びはまずまずの音質。出力もそこそこあり、ゲームプレイにも十分活用できる

 APUは本体の後ろ側にあり、底面を見ると2つのファンが強力に冷却しているのが分かる。排気は底面と背面で行なわれているが、PCを底面のファンの部分に指を掛け持ってしまうと、シャーシを押してファンのブレードと接触することがあるので、そこは注意が必要だ。

底面からAPUが2つのファンで強力に冷やされているのが覗き見える

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