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第1回 大河原克行の「2020年代の次世代コンピューティング最前線」

スパコン富岳が4期連続4冠を獲得した意義とは

文●大河原克行 編集●ASCII

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想定外の栄誉だった4期連続4冠

 だが、2021年11月の4期連続4冠は、関係者の間では想定外の栄誉だったとの声もあがる。

 というのも、関係筋の間では、TOP500の計測では、富岳を遥かにしのぐ「エクサ」スケールの性能を発揮する次世代スーパーコンピュータを、米国や中国が開発しており、早ければ11月のランキングに登場するとの見方があったからだ。

 実際、中国の次世代スパコンはすでに完成していると言われる一方、2021年の稼働が噂されていた米国の次世代スパコンも予定がずれ込んでいるものの、プロジェクト期間である2023年までには完成する。欧州でも2023年にはエクサスケールのスパコンを開発する計画が明らかになっている。

 「米国や中国、欧州で新たなスパコンを開発しており、これらの国から次世代機が登場すると、いくつかのランキングでは抜かれることになるだろう。今後の富岳の4冠継続は難しい」

 次世代スパコンの各国の投資額は富岳の4倍~10倍とも言われ、まさに各国の巻き返しが始まろうとしている。

 次回のランキング発表は、2022年6月だ。ここでは、富岳の4冠は難しいと言わざるを得ないだろう。

 だが、松岡センター長は、「技術は進歩するものであり、いずれは1位ではなくなる部門も出てくるだろう。富岳は、ランキングで1位を取ることが目的ではない。アプリケーションでの成果を出すことと、このIT技術を日本の技術として活用することが大切である」とする。

 汎用性の高さは、富岳の特徴でありつづけることは間違いない。

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