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集合住宅向け高速固定インターネット、「NURO 光」と同等の月額5000円前後で提供

ローカル5G利用の「NURO Wireless 5G」、ソニー子会社が来春から提供

2021年11月29日 15時00分更新

文● 大河原克行 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 ソニー子会社のソニーワイヤレスコミュニケーションズは2021年11月29日、ローカル5Gを利用した集合住宅向けインターネット接続サービス「NURO Wireless 5G」を、2022年春から提供開始すると発表した。

 すでに10月1日からエリア/利用者限定でのプレサービスを開始しており、ローカル5G商用免許での住宅向け固定インターネット接続サービスとしては日本初の取り組みだという。今後は個人向けサービスだけでなく、法人向けサービスの提供も計画していることを明らかにしている。

 ソニーワイヤレスコミュニケーションズ 代表取締役社長の渡辺潤氏は、「エンターテインメント領域でのコラボレーションや、ソニーの放送局向け機器との連携によるBtoB向けビジネスにも展開していきたい。自社のエリアのなかで、高速回線を利用した新たなサービスを提供したいといった場合にも、ローカル5Gの特徴を活用した提案が可能になる」としている。

 まずは北海道、関東(東京/神奈川/埼玉/千葉)、東海(愛知/静岡)、関西(大阪/兵庫/奈良)、九州(福岡)の一部でサービスを提供。その後、提供エリアを順次拡大していく計画。

ソニーワイヤレスコミュニケーションズの集合住宅向けインターネット接続サービス「NURO Wireless 5G」概要

(左から)ソニーワイヤレスコミュニケーションズ 代表取締役社長/ソニーネットワークコミュニケーションズ代表取締役社長の渡辺潤氏、いきものがかり リーダー/ギタリストの水野 良樹さん(ゲスト)、ソニーグループ 常務 事業開発プラットフォーム担当の御供俊元氏

 ローカル5Gは限られたエリア、限られた利用者向けの独自5Gネットワークとなる。アクセス集中が発生しづらく、超高速、大容量、超低遅延、多数同時接続といった5Gの特徴を生かしやすいため、利用者のニーズや環境に最適化したサービスとして提供できると、渡辺氏は説明する。

 「リッチなコンテンツを体験できる、安全な環境でIoTデバイスを利用できるなど、これからの時代の要請に従った通信インフラを作り上げることができる。利用者が望む通信インフラを、望む形で提供できることが最大の意義だ」(渡辺氏)

 今回発表したNURO Wireless 5Gは、高品質通信が可能であるとともに速度制限がなく、月額料金がそのままでデータ量を気にせず使えること、工事が不要で、サービスエリア内ならホームルーターを設置するだけですぐに利用が開始できることなどが特徴。7日間の無償試用も提供し、実際の速度を確認したうえで契約ができる。

NURO Wireless 5Gのホームルーター(試作機)。ユーザーにはレンタル提供される

 集合住宅向けサービスとしての利点は無線通信のため、建物設備上の問題で光ケーブルを通線できないケースでも高速なインターネット接続が提供できる点だ。

 「まずは短期間でも使ってもらい、ローカル5Gの良さを体験してほしい。また、機器はレンタルであり購入は不要。『NURO 光』サービスと同等の月額5000円前後で利用できる」(渡辺氏)

 ローカル5Gネットワークはスタンドアロン(SA)構成で、4.8~4.9GHz帯の周波数帯を使用。将来的にはミリ波帯への対応も検討しているという。

 「現在の通信環境に満足していない人に、まずは使ってもらいたい。また、均一化された通信サービスでは満足せず、自らの環境ではこんな使い方をしたいという人たちに対して、新たな通信環境として提案したい。プロのクリエイターだけでなく、コンテンツを作っている多くの人たちにとっても、最適な通信環境を提供できる」(渡辺氏)

提供サービスのイメージ(同社Webサイトより)。光ファイバーの通線が難しいマンションに専用アンテナを設置して、各戸に高速インターネット接続を提供する仕組み

ローカル5Gサービスの専門子会社、「クリエイターとユーザーの双方に満足を」

 ソニーワイヤレスコミュニケーションズは、ローカル5G事業を行うソニーグループの企業として2020年10月16日に設立。「NURO 光」「NURO Mobile」などのサービスを提供するソニーネットワークコミュニケーションズとの違いについて、両社の社長を務める渡辺氏は次のように説明する。

 「パブリックな通信事業を担うのがソニーネットワークコミュニケーションズで、こちらは“土管”に近いサービスを提供する。それに対して、ローカル5Gはエリアが限定され、エリアの中にいる人たちのために、個別最適化した通信サービスの実現を目指すものなので、事業を切り分け、ソニーワイヤレスコミュニケーションズとして別法人化している」「ローカル5Gは『通信の民主化』という言い方がされている。多くの人に、よりリッチな体験をしてもらい、人々に感動を提供するソニーグループ全体の思いを叶えることができると考えている」(渡辺氏)

ソニーワイヤレスコミュニケーションズ 渡辺氏、ソニーグループ 御供氏

 また、ソニーグループ 常務 事業開発プラットフォーム担当の御供俊元氏は、ソニーのパーパス(企業としての存在意義)は「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たすこと」だと説明。そのうえで今回のNURO Wireless 5Gは、クリエイターとユーザーの双方に新たな体験をもたらすものだと位置づけた。

 「エンターテインメントがもたらす体験価値は急速に拡張している。また、コロナ禍において社会環境が急速に変化し、エンターテインメントの楽しみ方も大きく変わった。家にいながらライブ会場にいるような臨場感を得たい、アーティストを身近に感じたいといった欲求の高まりを強く感じている。ソニーグループとしても、新たなテクノロジーを活用するとともに、グループのシナジーを生かした新たなエンターテインメント体験の創出に取り組む。それを加速するためには、ソニーグループが自ら、高速大容量、超低遅延、多数同時接続、高セキュリティを実現する通信インフラを、多様なユーザーに提供し、クリエイターとユーザーをつなぐことが大切だと考えた。ローカル5Gにより、クリエイターの創造性をより高め、ユーザーに新たな体験を届けることができる」(御供氏)

いきものがかりの水野さん、ローカル5Gサービスへの期待を語る

 発表会には、アーティストであるいきものがかりの水野良樹さんがゲスト出席。ライブや音楽コンテンツを提供する立場から、ローカル5Gによる大容量/低遅延のインターネット接続サービスに対する期待を語った。

 「音楽は、メディアの発達に応じて音のクオリティが変わり、作り方も変わってきた。音楽にとって大容量、低遅延は大切な要素。いまは、ライブ会場で味わえる立体的な感動や熱量を、そのまま家庭に届けたり、別会場に届けたりすることができない。これができるようになると、音楽の作り方や、ライブの演出の仕方が変わり、これまでよりも多くのことができるだろう。大規模会場だけのステージづくりだけでなく、特定の人に向けたコンテンツを作るといったこともできる。また、いまのようにスマホで楽しむだけでなく、VRデバイスの活用などにより、五感のすべてを刺激するような、新たなコンテンツが生まれると面白い。ローカル5Gの普及が、そうした動きにつながることに期待したい」(水野さん)

ゲスト出席したいきものがかりの水野さん

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