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このスマホ、ホントに買い? 話題のスマホ徹底レビュー 第324回

驚異の充電速度を実現した「Xiaomi 11T Pro」は高性能ながらメリハリで7万円を切る価格

2021年11月30日 12時00分更新

文● 佐野正弘 編集●ASCII

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 シャオミのフラッグシップ「Xiaomi 11T」シリーズの上位モデル「Xiaomi 11T Pro」は、大画面ディスプレーに1億800万画素のカメラ、ハイエンド向けチップセットやFeliCaも搭載し、120Wの超急速充電に対応しながら、モデルによっては7万円を切る低価格を実現した非常にお手頃なハイエンドモデルだ。その実力を検証してみよう。

低コスト化の工夫が随所に見られるボディー

 まずは外観だが、Xiaomi 11T Proは6.67型のディスプレーを搭載しており、サイズは約76.9×164.1×8.8mm、重量は204g。下位モデルの「Xiaomi 11T」とほぼ変わらない大きさで、大画面モデルとしてはスタンダードなサイズ感といえるが、重量も200gを超えるのでやや重さもある。

「Xiaomi 11T Pro」の正面。6.67型の大画面で見やすいが、その分大きさもそれなりにある

 高いコストパフォーマンスを実現していることもあり、前面・背面共にXiaomi 11Tと同じ筐体を採用しているようで、さらに背面素材には樹脂を用いるなど、低コスト化の工夫が随所に見られるというのも正直なところ。ただカメラの出っ張りが小さい点は好感が持てる。

背面は樹脂素材で光沢がある。カメラ部分の出っ張りは比較的小さく、FeliCaマークがあるのも見て取ることができる

 側面に目を移すと、右側面には電源キーと音量キーが備わっており、電源キーは指紋センサーも備わっている。ディスプレー素材は有機ELながら、ディスプレー内蔵型の指紋センサーを採用しなかったというのも低コスト化が主な要因と言えそうだ。

側面右側には音量キーと電源キーを搭載。電源キーは指紋センサーも兼ね備えている

 一方で下部には充電などに用いるUSB Type-C端子と、SIMスロット、そしてスピーカーが用意されているのだが、実は側面上部にもスピーカーが設けられている。Xiaomi 11T ProのスピーカーはHarman Kardonが監修したもので、横にして映像などを楽しむ際に360度サラウンドサウンドを体感できる点は、Xiaomi 11Tと異なるポイントの1つとなっている。

本体下部にはUSB Type-C端子とSIMスロットを装備。スピーカーは下部だけでなく上部にも用意されている

カメラは性能よりも機能面に注目

 続いてカメラを確認すると、背面のカメラは1億800万画素/F値1.75の広角カメラと、800万画素/F値2.2の超広角カメラ、500万画素/F値2.4の望遠カメラの3眼構成で、フロントカメラは1600万画素/F値2.45。いずれもXiaomi 11Tと共通した仕様で、幅広いシーンでの撮影が可能だという点はメリットだ。

背面のカメラは3眼構成だが、広角カメラ以外の性能はかなり抑えられており、メリハリが非常にはっきりしている

 もっとも数字を見ればわかる通り、背面のカメラは広角カメラ以外のスペックはかなり抑えられている。これも低コスト化を実現している要素の1つといえ、画質にこだわるならば性能の高い広角カメラを主体に撮影した方がいいだろう。

広角カメラで撮影した写真

同じ場所から超広角カメラで撮影した写真

同じ場所から望遠カメラで撮影した写真。光学2倍ズーム相当の望遠撮影となる

 ただXiaomi 11Tシリーズはカメラ自体の性能よりむしろ、よりエモーショナルな撮影ができる機能に力が入れられている印象だ。中でも注目される機能が「長時間露光」である。

 これは文字通り、長時間露光によって動きのある表現を実現するというもの。長時間露光での撮影はブレをかなり抑える必要があるなど難易度が高いのだが、それをシャッターボタンを押してスマートフォンをしばらく固定するだけと、簡単に実現してくれるのが大きなポイントとなっている。

「長時間露光」の「移動する群衆」を使って撮影。テクニックが必要な長時間露光での動きのある撮影を簡単にできるのがポイントだ

 実際長時間露光を試してみると、人の動きや、暗い場所であれば車のライトや星などの軌跡を非常に簡単に表現できるのは楽しい。ただ長い時間撮影していると光がその分上書きされていくため、綺麗に光の軌跡が残る適切なタイミングを見極める必要はありそうだ。

同じく長時間露光の「ネオントレイル」を使って撮影。車のライトの軌跡を簡単に残すことができる

上記の設定で、長時間露光をしばらく続けた場合。光の軌跡がどんどん上書きされてしまうのでさじ加減に注意

 動画についてもここ最近のシャオミ製端末と同様、特殊な演出ができる「ムービー効果」機能が搭載されているので、有効活用すれば凝った動画表現ができるだろう。ただしムービー効果はいずれのエフェクトも、撮影シーンがかなり限定されてしまう点に注意が必要だ。

 なお動画に関してはもう1つ、Xiaomi 11Tでは利用できなかった8Kの動画撮影ができるというのも、上位モデルならではのポイントとなっている。とはいえ8K動画撮影はかなりストレージ容量が必要なので、現時点で実際の利用シーンはかなり限られてくるだろう。

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